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八条学園騒動記

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第六百九十五話 何でも飲む国その四

「是非ね」
「そうしてくれ」
「別にどの国のお肉でもどの国のワインでもいいよね」
「何か問題があるか」
 むしろという返事だった。
「どの国のものでも」
「そこでそう言うのが洪童だね」
「韓国料理を食ってくれたらな」
 洪童は笑顔で応えた。
「それで充分だ」
「そうなんだね」
「韓国産を食ってくれたらやっぱり嬉しいが」
「それはだね」
「我が国の畜産や農産の人達が儲かるからな」
 このことも笑顔で話した。
「だからな」
「それはだね」
「ああ、やっぱりな」
「そのことは嬉しいね」
「酒造業界の人達にとてもな」
「ワインを売る」
「ワインは原料の葡萄は農家の人達が作る」
 葡萄農家の人達がというのだ、連合の例に漏れず韓国もまた機械化された大規模農業で農作物を作っている。
「そしてその葡萄からな」
「酒造業者の人達がだよね」
「ワインを造る」
「そうするよね」
「昔は農家の人達が造っていたらしいな」
「そうだよ」 
 トムが笑顔で応えた。
「葡萄を集めて足で踏んでね」
「その汁からだな」
「ワインを造っていたよ」
「そうだったな」
「けれど今はね」
「酒造業者の人が造っているな」
「機械でね」
 このことは近代化以降のことだ。
「そうなっているよ」
「そうだな」
「だからね」
「その辺りの分担はだな」
「しっかりしてるね、ただ農家でも」
「造って売っている人もいるな」
「中にはね」
 そうした農家と酒造メーカーを一体化させている例もあるのだ。
「あるよ」
「そうしたところのワインもよさそうだな」
「そうだよね」
「今度そうしたメーカーのワインも飲んでみるか」
「いいね、韓国にもあるよね」
「ああ、昔は財閥が強くてな」 
 二十一世紀までの韓国ではだ。
「お酒についてもな」
「財閥系の企業がなんだ」
「あれこれ出て来てな」
 そうしてというのだ。
「中小業者を圧迫していたらしいな」
「資本主義の悪いパターンだね」
「しかも競争原理も栄枯盛衰も働かないな」
 資本主義に絶対のそういったものがというのだ。
「とんでもない状況だった」
「まさに財閥だけのだね」
「無茶苦茶な資本主義でな」
 当時の韓国ではというのだ。
「酷い有様だった」
「普通資本主義っていったら」
 ベンが言ってきた。
「競争原理が働いてね」
「少しでも悪いか劣るとな」
「負けてね」
「衰えるな」
「そうなっていってね」
「互いに切磋琢磨もしてな」
「いい企業はね」
 最初どれだけ小さな企業でもだ。 
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