八条学園騒動記
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第六百九十五話 何でも飲む国その五
「よかったらね」
「どんどん伸びるな」
「それが資本主義だし」
「連合でもそうだな」
「ユニオンドリームはね」
連合でよく言われているこの言葉はというのだ。
「もう裸一貫から一代で大企業の総帥になる」
「何とか王と呼ばれる位にな」
「そうなることだけれど」
外には映画スターやスポーツの花形選手、国家元首や大学者もある。普通の者が大成功を収めるということがユニオンドリームなのだ。
「当時の韓国では」
「財閥がな」
「ずっと居座っていたんだ」
「どんな問題があってもな」
「落ちないで」
「それで独占資本であり続けた」
そうした状況だったというのだ。
「中小企業を飲み込んでな」
「無茶苦茶な資本主義だね」
「それでだ」
洪童はどうかという顔で述べた。
「今話した様な酒造業者もな」
「淘汰されていっていたんだ」
「巨大財閥によってな」
「いい企業も」
「そうなっていた」
まさにというのだ。
「それが正常になるのに時間がかかった」
「普通の資本主義になるのに」
「そうだった」
洪童は苦い顔で述べた。
「本当にな」
「財閥ってあるべきだよね」
「国を跨いで仕事をしてな」
「それで沢山の人達を養って」
「しかも金を動かすことでな」
ビジネスで以てというのだ。
「その流通を止めない為に戦争をさせない様にしてくれる」
「平和にも貢献してくれるね」
「そうもしてくれるからな」
「財閥はあっていいね」
「儲けようと思ったらだ」
それならというのだ。
「まず平和であることだ」
「本当にそうだよね」
ベンもその通りだと頷いた。
「そのことはね」
「全く以てな」
「さもないとね」
平和でないと、というのだ。
「ものも売れないし行き来だってね」
「出来ないからな」
「財閥と言うか企業はね」
「平和でないとな」
「やっていけないね」
この辺り共産主義者が言う経済や企業活動とは違う、彼等は資本主義は戦争を起こしそれで破壊と消費から儲けようとすると言うがだ。
「とても」
「だから財閥もな」
「あっていいけれど」
「しかし競争原理が働かず」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「独占資本化してだね」
「ずっと勢力を拡大していくとな」
「問題だね」
「中小企業も圧迫してな」
「そのままマルクスが言う様にだね」
「実際の資本主義はな」
マルクスが言った様にはならずというのだ。
「企業、資本家は競争し合ってな」
「負けたら落ちるし」
「また栄枯盛衰もな」
「あるね」
「変な経営をしたらな」
それこそというのだ。
「その時点でな」
「落ちるしね」
「逆にいい経営をしたらな」
「成長するね」
「そうなるからな」
だからだというのだ。
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