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八条学園騒動記

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第六百九十五話 何でも飲む国その三

「どうしてもな」
「お米からになるね」
「項羽も米の酒を飲んでいた」  
 中国で劉邦と覇権を争った彼もというのだ。
「あの人の国の楚も米を造っていたからな」
「それでだね」
「米の酒を飲んでいた」
「今で言う日本酒、いや」
 ベンは自分で言って気付いて訂正した。
「違うね」
「今の日本酒は清酒だな」
「そっちが殆どでね」
「昔はなかった」
 洪童も述べた。
「そうだったからな」
「そうだよね」
「濁酒だった」
「これはどの国喉のお酒でもでね」
「それで項羽もな」
「そうしたお酒飲んでいたね」
「これはつまりな」
 濁酒はというと。
「マッコリだが」
「もうお米で造ってるとね」
「もうな」
「マッコリだね」
「それだ」
 ベンに強い声で答えた。
「もう何とでもだ」
「言えるね」
「そうだからな」
 それ故にというのだ。
「もうこれは放っておいていい」
「そうだね」
「それに韓国では米の酒はインディカ米で造るが」
「日本はジャポニカ米だね」
 トムが言ってきた。
「日本でよく食べるお米もね」
「ジャポニカ米だな」
「何か日本人ってね」
 トムはさらに言った。
「インディカ米はね」
「あまり好きじゃないな」
「どんなお料理もね」
「ジャポニカ米で造るからな」
 だからだというのだ。
「お酒もな」
「それで造るからね」
「同じお米でもな」
 原料がそうでもというのだ。
「どうしてもな」
「味が違うね」
「しかしそれでもな」
「日本にだね」
「対抗しようとしてな」 
 そうしてというのだ。
「必死にやっている」
「そうなんだね」
「兎に角日本が有名なことにはな」
「出て来て」
「必死にやる、だからワインもでな」
 そしてというのだ。
「飲む量もな」
「多いんだね」
「焼肉を食ってもな」
「飲む時もあるんだ」
「人によってな、そして俺もな」
「好きで」
「それでだ」
 洪童はさらに話した。
「お勧めだ」
「じゃあそうして楽しむよ」 
 ベンは洪童の言葉を受けて笑顔で応えた。 
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