恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百三十七話 邪神、封じられるのことその十一
そのうえでだ。楓に対して答えた。
「生きるわ。これからも」
「うん、そうしよう」
「お父様の御心を受けて」
「父さんはこうも言ったよ」
この遺言もだ。二人に告げる楓だった。
「父さんはこれからも僕達の中に生きるって」
「私達の中に」
「この心の中にか」
「そう、そう言ってたよ」
このうえない感慨と共にだ。二人に告げたのである。
「僕達の中にね」
「そうか。では私達はこれからもだ」
「ええ、そうね」
月は守矢のその言葉に頷く。そうしてだった。
こうだ。静かに言ったのだった。
「家族ね、ずっと」
「そうだな」
「それぞれの心故に離れ離れになった時もあったけれど」
楓もだ。言うのだった。
「もうこれからはね」
「ええ、ずっとね」
「家族だ」
こう言い合いだ。父と共に生きることを誓った三人だった。それぞれの心の中に生きている彼と共に。
刹那、そして常世は封じられた。しかしだ。
アンブロジアとの戦いはそうではなかった。宝珠の持ち主と巫女達はだ。
邪神を囲み戦っていた。その神の攻撃はだ。
あまりにも強かった。闇を放ちだ。
それで彼等を圧倒していた。その闇を受け止めつつだ。
覇王丸はだ。苦々しげに呟いた。
「へっ、痺れる位に凄いぜ」
「はい、流石は神です」
ナコルルもだ。ママハハを放ちつつ言う。
「これだけの力があるとは」
「けれどな」
それでもだとだ。覇王丸は言いだ。
そのうえでだ。己の構えを取りだ。
旋風烈斬を次々に放つ。そうしながらだった。
「俺達人間にも意地があるからな!」
「はい、だからこそ!」
「倒すぜ、神様を!」
「何としても!」
二人は共にだ。写真に突き進みだ。
そのうえで激しい攻撃を繰り出す。他の戦士達もだ。
ミナも弓矢を放ちながらだ。仲間達に言った。
「如何に邪神といえども」
「こうして幾度も攻撃を繰り出せば」
「いずれはじゃな」
「そう。倒れるわ」
こう十兵衛と狂死郎にも返す。
「やがてはね」
「ならば。攻めるのみ」
ズィーガーはこう結論を出してだ。実際に攻撃を続ける。
「神といえど絶対ではないのならばだ」
「ほら、少しずつだけれど」
リムルルも氷を放ちつつだ。邪神を見ていた。
「傷が出来てきたから」
「ああ、このままやってやるぜ!」
覇王丸がまた旋風烈斬を繰り出す。
「勝つのは俺達だ!」
「左様、しかしだ」
十兵衛も気を放ちながら攻めていた。しかしだ。
その中でだ。彼は言うのだった。
「我等は今七人だな」
「ああ、それがどうしたんだ?」
「七人で七方を攻めている」
こう覇王丸に話すのだった。
「だが。それでは一つ足りぬのではないのか」
「八方ってことかい?」
「そうだ。もう一人いなければだ」
「この邪神は倒せないってのかよ」
「誰かが必要だ」
また言う十兵衛だった。
「この邪神を倒すにはだ」
「というと誰なのかね」
覇王丸は跳んだ。そうしてだ。
その刀を両手で思いきり振りかぶりだ。そこからだ。
渾身の力を込めて振り下ろしだ。邪神を斬る。それは確かにかなりの攻撃だった。
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