ハッピークローバー
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第六十七話 阪神の勝利を聞いてその十二
「ハッピーエンドでしょ」
「そうね、大団円でなくても」
「ハッピーエンドなのはね」
それはというのだ。
「事実でしょ」
「そういうのもありってことね」
「ええ、確かに残念ではあっても」
「ハッピーエンドはハッピーエンドね」
「お話の流れで退場しないといけないキャラもね」
その作品の世界設定や展開によってだ、シェークスピアのマクベスも暴君と定義されたマクベスが倒されなくてはハッピーエンドとはならない。マクベスが改心してはこの作品は成り立つかというのだ。
「出て来て」
「そうしたキャラが死んで」
「終わるのもね」
「物語自体が幸せに終わるなら」
「ハッピーエンドね」
「世界が救われたり殆どの登場人物が幸せになるなら」
それならというのだ。
「もうね」
「それでよしね」
「封神演義も周王朝が成立して民の人達が救われて」
そうなってというのだ。
「封神計画もね」
「果たされて」
「ハッピーエンドでしょ」
「そうね」
「百点満点でなくても合格点ならね」
それに達していたならというのだ。
「ハッピーエンドなのよ」
「ハッピーエンドも様々ね」
「そうでしょ」
こう言うのだった。
「一つじゃないから」
「それでなのね」
「ええ、そうしたことでね」
「そうした結末もなのね」
「いいってことで」
それでというのだ。
「読んでいけばいいし観ることもね」
「いいのね」
「私としてはね」
「まあハッピーエンドは一つじゃなくて」
「誰かが犠牲になったり死なざるを得なかったとしてもね」
「全体としてハッピーエンドならいいのね」
「それがどうしても避けられない漫画も小説もあるし」
富美子はさらに言った。
「ゲームだってね」
「ああ、イベントで死ぬキャラとかね」
「いるわよね」
「私然程ゲームしないけれど」
それでもとだ、中国から来た娘は富美子に話した。然程と言ってもやはり遊んだことはあるので言えることだった。
「生き残って欲しかったりね」
「味方になって欲しかったキャラいるでしょ」
「そうよね」
「ゲームしてたらね」
「それが残念でね」
「どんな展開にしてもね」
それでもというのだ。
「そのキャラはって場合がね」
「ゲームでは常よね」
「それでもね」
「ハッピーエンドになるわね」
「何がゲームって漫画や小説やアニメ以上に腹立つ敵出るけれど」
所謂吐き気を催す邪悪と呼ぶべきキャラ達である、腐れ外道だのそう呼ばれる悪党でプレイヤーの悪感情をこれでもかと蓄積させそのうえで倒されカタルシスの元となるのだ。
「そうした敵にね」
「殺されたりするのよね」
「それでその敵もね」
「主人公達が倒すのよね」
「そして倒したら」
その時はとだ、富美子は笑顔で話した。
「やった、ってね」
「思うわね」
「ユーチューブの漫画動画でもよく出るけれど」
そうした類の悪役はというのだ。
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