星河の覇皇
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第八十三部第二章 撤退の果てにその二十七
「やはりだ」
「トイレも然りですね」
「重要ですね」
「相手国の技術を手に入れようと考えるならば」
「そうしたものすらも」
「ゴミ捨て場に捨てているものもだ」
これすらもというのだ。
「重要になるな」
「はい、確かに」
「電化製品ですらマウリアは狙っているそうですし」
「博物館に置かれている様なものでも」
「見ているそうですから」
「トイレもだ」
誰もが何でもないと思う様な場所でもというのだ。
「彼等は見てだ」
「そして、ですね」
「技術を盗み」
「そのうえで自分のものにし」
「発展に役立てるのですね」
「かつだ」
自国の為だけでなくというのだ。
「エウロパに流してだ」
「その技術をですね」
「その様にしてですね」
「エウロパも発展させ」
「我々と争わせますね」
「正直マウリアの発展はいい」
このことはというのだ。
「特にだ」
「彼等が発展しましても」
「我々に特に関係ありません」
「別世界のことです」
「はっきり言えば」
「そんなものだからな」
連合にとってとだ、艦長は話した。
「いいが」
「しかしですね」
「それがエウロパに及ぶと」
「そうなりますと」
「我々には看過出来ないです」
「そうであるなら」
「だからだ、彼等がトイレに入ってもだ」
艦内のそこにというのだ。
「注意することだ」
「流石に入るなとは言えませんが」
「それでもですね」
「技術は盗ませない」
「そこは気をつけますか」
「そうする、あの国は最近国全体がだ」
軍だけでなくというのだ。
「諜報機関の様になっている」
「左様ですね」
「最近のあの国はそうなっています」
「一般市民もです」
連合のマハラジャタウンにいる彼等もというのだ。
「どうもです」
「その中に工作員が紛れ込んでいます」
「市民を工作員に仕立てた者もいる様です」
「そして連合各地で何かと物色しています」
「ゴミを拾う振りをして」
そしてレストアしようと見せかけてだ、レストア自体はこの時代でも多くあり別に珍しいことでもない。
だがそれでもだ、艦長は言うのだ。
「しかしな」
「そこからですね」
「技術を盗もうとしている」
「博物館の骨董品も見て」
連合から見ればそうしたものもというのだ。
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