ハッピークローバー
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第六十四話 料理部だから思うことその五
「思うかもね」
「味自体は悪くなさそうなの」
「だから鶏肉に似てるんでしょ」
「アナコンダも」
「蛇がそうなら」
それならばというのだ。
「アナコンダだってね」
「美味しいのね」
「塩胡椒して」
そうして味付けをしてというのだ。
「焼いたらね」
「美味しいのね」
「カツにしても」
「いけそう?」
「そうかもね」
「アナコンダのカツね」
「どうかしら」
ブラジルから来た娘に酒を飲みながら尋ねた。
「これって」
「悪くないかもね」
その娘も飲みながら応えた。
「それも」
「そうでしょ」
「アナコンダは人食べる時もあるけれど」
「一飲みよね」
「基本大人して半分水棲でね」
「あまり襲わないわね」
「けれど自分より小さな生きもの餌とみなすから」
それ故にというのだ。
「もうね」
「人間でもなのね」
「お腹空いてる時に迂闊に近寄ったら」
「食べられるのね」
「しかも大きいから」
「一飲みね」
「噂では二十メートル以上あるのいるらしいわ」
「それブラジルから来た子よく言うわね」
かな恵はそれはと返した。
「アナコンダそれ位あるのいるって」
「何か学術的にはないっていうけれど」
「十メートル位が限度?」
「そう言われてるけれど」
それがというのだ。
「アマゾンじゃね」
「それ位のがいるのね」
「そう言われてるのよ」
実際にというのだ。
「これがね」
「そうなのね」
「見たってお話もあるし」
「それ違う種類かもね」
かな恵はさらに飲みつつ言った。
「アナコンダに似ていても」
「それでもなの」
「もっと大きい」
そのアナコンダ以上にというのだ。
「ティタノボアとかいう」
「昔そんな蛇いたみたいね」
「十三メートル位あって」
その大きさはというのだ。
「アナコンダそっくりだったっていうし」
「その蛇かしら」
「そうじゃない?アマゾンってまだまだ秘境でしょ」
「未発見の生きものも多いみたいよ」
「だったらね」
そうした環境ならというのだ。
「まだね」
「ティタノボアがいて」
「そっちをね」
「アナコンダと間違えてるの」
「そうじゃない?」
こう言うのだった。
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