イベリス
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第八十四話 合宿その二
「本当にね」
「そうした学校だからですね」
「男子寮と女子寮があって」
これは全国から生徒が集まる学校なら当然のことだ、男女共にというのはこの場合絶対に当てはまらない。
「それで野球部、柔道部、ラグビー部はね」
「それぞれ寮があるんですね」
「専用のグラウンドや柔道の道場もあるよ」
「余計に凄いですね」
「まあうちの本校もっと凄いけれどね」
神戸の方のそちらはというのだ。
「何しろ世界屈指のマンモス校でね」
「世界中から人が集まりますね」
「分校のうちと比べるとね」
それこそというのだ。
「全くだよ」
「違いますね」
「大学もあるし中等部や初等部もあって」
部長はさらに話した。
「幼稚園や保育園もあって大学院や各研究施設もね」
「あるんでしたね」
「動物園や植物園や博物館まであるから」
学園の敷地内にというのだ。
「だからね」
「本校は別格ですね」
「分校のうちだって充分なマンモス校だけれどね」
「生徒全世界から集まってますしね」
「そうだけれどね」
「生徒何千人もいて」
「普通科、商業科、工業科、農業科、水産科、看護科ってあるけれどね」
それでもというのだ。
「高等部だけでね」
「その高等部もですね」
「うん、本校と比べると」
「規模が違いますね」
「一学年千人とね」
これが八条学園高等部東京校の一学年辺りの生徒数である。
「その数倍じゃね」
「そこに大学とか中学もあって」
「動物園とか博物館があるなら」
「規模が違うよ」
「そうですね」
「だからね」
部長は咲に話した。
「本校はまた特別だよ」
「もう学校自体が街みたいなものですね」
「一つのね」
「そこまでですね」
「流石に学園都市とはいかないけれどね」
部長は笑ってこうも言った。
「それでも学園に合わせて何万もの人がいてね」
「そこで暮らしていたりしますから」
「街といってもね」
学園自体がというのだ。
「遜色ないよ」
「そうですね、実は大学は」
「八条大学になんだ」
「行ったらいいでしょうか」
「面白いだろうね、実は僕も副部長もね」
「八条大学にですか」
「推薦でね」
それでというのだ。
「受験するよ」
「そうですか」
「そしてね」
「大学はあちらで」
「神戸でね」
この街でというのだ。
「四年間暮らすよ」
「そうされますか」
「それも楽しみだよ、一体どんなキャンバスライフになるかね」
「楽しみですか」
「凄くね、東京もいいけれど」
咲に笑いながら話した。
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