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ハッピークローバー

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第五十五話 本当の勇気その四

「それは蛮勇とかね」
「そう言うものよね」
「そうしたものであって」
 それでというのだ。
「本当にね」
「勇気かっていうと」
「違うよ、本能ともね」
 その様にというのだ。
「言えるよ、カマキリなんて自動車にも向かうけれど」
「あれ凄いわよね」
「踏み潰されそうになっても逃げないから」
 潰されても前を向いてのことだ、威嚇し向かう姿勢を見せてそのうえで車に踏み潰されてしまうのだ。
「物凄いよね」
「感心するまでにね」
「けれどね」
「それは勇気か」
「やっぱり違うよね」
「蚤と一緒で」
「勇気はまずは」
 虫のことからさらに話した。
「その漫画の台詞で」
「恐怖を知ることね」
「そこから自分が動かないといけない時に」
「動くことね」
「恐怖を感じても」
 例えそうであってもというのだ。
「克服してね」
「そのうえで」
「何かを知らないと」
 まずこの前提があってというのだ。
「その何かは克服出来ないし」
「知らないとね」
「だからね」
「恐怖を知ることね」
「まずはね、そして」
「その恐怖を克服して」
「一人でも大事なものを守る為にはね」
 例えどういった状況下にあってもというのだ。
「立ち上がって向かう」
「それが大事ね」
「家族や応援しているチームに」
 そうした存在を守る為にというのだ。
「そうすることがね」
「本当の勇気ね」
「そうだよ、番長とか言われてた元プロ野球選手なんて」
 その彼はというと。
「覚醒剤なんて馬鹿なものに手を出して」
「捕まったわね」
「あんなのに手を出して」
「色々あったみたいだけれど」
「何処が勇気があるのか」
「番長って言われていても」
 強いと言われる様な呼ばれ方をされていてもというのだ。
「格闘家のトレーニングしてそうした筋肉付けても」
「勇気じゃないよ、あとそのトレーニングだけれど」
 達川はその元プロ野球選手がしていたトレーニングの話もした。
「うちの監督もコーチの人達も皆言ってるんだ」
「何てなの?」
「あんな馬鹿なことは絶対にするなって」
「馬鹿なことなの」
「絶対にね」
「それはどうしてなの?」
「だって野球選手は野球選手のトレーニングがあって」
 このスポーツに相応しいというのだ。
「それで筋肉もね」
「野球選手に相応しいものがあるのね」
「それで食事も格闘選手専門のそれだと」
「あれよね、鶏のササミや茹で卵の白身ばかり食べていたのよね」
「格闘家の身体になって」
 そうなってというのだ。 
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