レーヴァティン
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最終話 世界を見守ることをその九
「俺の近くにもあったしな」
「そうした話がだな」
「中には覚醒剤に手を出してな」
「家が潰れたか」
「そうなった話も聞いたよ」
「覚醒剤は論外だがな」
英雄は声を顰めさせて答えた、彼にしても久志にしても仲間達にしてもそうしたものについては強い拒否感を持っている。
「何がいい」
「気持ちいいっていうぜ」
使用すればだ。
「何でもな」
「しかし身体はボロボロになるな」
「心もな」
「一体何がいい」
そうなってというのだ。
「覚醒剤でいい話を聞いたことがない」
「廃人になるとしかな」
「あんなものに手を出してだ」
そうしてというのだ。
「溺れるとな」
「本当にな」
「待っているのは破滅だ」
それだというのだ。
「それ以外はだ」
「ないよな」
「長生きする筈もない」
それもないというのだ。
「覚醒剤を打つと一週間寝ずにいられるというが」
「一週間徹夜なんてな」
「どれだけ身体に悪いか」
それ自体がというのだ。
「わかったものではない」
「そうだよな」
「そして身体にそうさせるものがだ」
一週間寝ずに済む様になるまで身体を奮い立たせるものがというのだ、精神的にもかなり昂るという。
「身体にいいか」
「滅茶苦茶悪いな」
「まさに一本打つとな」
そうすればというのだ。
「それだけでだ」
「寿命を縮めるな」
「そうなるものだ、だからだ」
「論外だな」
「あんなものを使えば」
それこそというのだ。
「待っているのはだ」
「破滅だな」
「そうだ」
まさにというのだ。
「それ以外のものはだ」
「ないな」
「だから溺れる以前だ」
覚醒剤についてはというのだ。
「最早な」
「麻薬自体がそうだよな」
「当然だ」
それはというのだ。
「やるものではない」
「一時の快楽でか」
「全てが破滅する」
「恐ろしいものだな」
「そうだ、しかし本当に溺れるとな」
「破滅するか」
「水に溺れると死ぬが」
そうなることも話した。
「どんな趣味でもだ」
「溺れると同じか」
「そうだ」
まさにというのだ。
「そういうものだとだ」
「わかっておくことだな」
「そのうえでな」
「趣味を楽しむことだな」
「楽しむことはいい」
これ自体はというのだ。
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