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イベリス

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第八十一話 教師の質その六

「面白くて色々と勉強にもなった」
「いいところなの」
「食べものも安くて美味かったしな」
「おうどんとかお蕎麦も?」
 咲は食べものの話を聞いて和食の麺類の話をした。
「そうなの」
「ああ、味付けは違うのはな」
「やっぱり当然よね」
「おうどんのおつゆの色が薄いんだ」
 父は関東の人間からの見て話した。
「本当にな」
「やっぱりそうなの」
「ああ、けれど美味いぞ」
「そうなのね」
「他の食べものもな」
 うどんや蕎麦だけでなくというのだ。
「食材もいいからな」
「何か東京って食材悪いっていうのは」
「まずくはないがな」
「事実なのね」
「関西と比べるとな」 
 どうしてもというのだ。
「お水が悪いからな」
「それが大きいのね」
「あっちはお水がいいんだ」
 関西はというのだ。
「だからお野菜や果物、お豆もな」
「あちらの方がいいのね」
「お酒もな」
 これもというのだ。
「関西の方がいいしな」
「何か負けてるのね、関東って」
「少なくとも東京はな」
「お水が悪いからなのね」
「その分味は落ちるな」
「そうなのね」
「昔はな」
 父はこうも話した。
「江戸の井戸水は塩辛くて飲めないってな」
「言われてたの」
「そうだ、だから水路も充実させてな」
 江戸幕府の施政の中においてのことだ。
「水道も備えたんだ」
「江戸時代には水道あったのよね」
「それは凄いことだけれどな」
「江戸のお水が悪いこともあって」
「それでなんだ」
「出来たものなのね」
「そうだ、それで関西にいるとな」
 父はさらに話した。
「歴史ある場所も多いからな」
「奈良とか京都とか」
「そうだ、そうしたところに行く機会もあるからな」
 だからだというのだ。
「歴史の勉強も出来るぞ」
「いいところなのね」
「トータルで言うとかなりな」
「変な先生は多くても」
「それをマイナスしてもな」 
 それでもというのだ。
「やっぱりな」
「かなりいいところなのね」
「ああ」
 そうだというのだ。
「本当にな」
「じゃあ私もね」
「関西の大学行くか?」
「そうすることもね」
 結構真剣に考える顔で述べた。
「考えておくわ」
「それもいいぞ、お父さんもやっていけるかどうか不安だったけれどな」
「関西で」
「最高に楽しかった」
 満面の笑みで言い切った。 
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