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イベリス

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第八十一話 教師の質その五

「ゴロツキよ」
「そんなゴロツキがな」
「マスコミに多いのね」
「あれが腐った権力者だ」
 娘に言い聞かせる様に話した。
「本当にな」
「腐ったね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「あれがな」
「悪いことしてもお咎めなしなら」
「人間ああなるんだ」
「そういうことね」
「見ていて醜いだろ」
「ええ」 
 咲はまさにと答えた。
「何よりもね」
「そう思うならな」
「ならないことね」
「そうなることだ」
 娘に強い声で話した。
「いいな」
「そうしていくわね」
「ああ、しかし学校の先生はな」
 父はどうかという顔になり視線を上にやって述べた。
「酷い先生が多過ぎるな」
「公立は特にね」
「これでも東京はましだからな」
「他に酷い場所あるのよね」
「さっき言ったか?奈良県とかな」 
 まずはこの県を挙げた。
「平和な様でな」
「あそこね」
「あと京都とか滋賀、三重に大阪もな」
「酷いの」
「お父さん関西の大学だったな」 
 このことも言って来た。
「そうだったな」
「それで知ってるのね」
「よく聞いたんだ」
「その辺りのことも」
「ああ、暴力教師が蔓延っていて無能な先生もな」
「多いのね」
「そうした現状だってな」 
 その様にというのだ。
「聞いていた、そしてどうも今もな」
「変わらないの」
「そんなことをした先生が偉くなってだ」
 そうしてというのだ。
「校長先生にだってな」
「なってるのね」
「生徒を好き放題殴って蹴って罵ってもな」 
 そこまでの暴力を平然と行ってもというのだ。
「偉くなれるんだ」
「関西じゃそうなのね」
「ああ、東京も変な先生はいるが」
「関西よりはましなのね」
「正直言ってな」
「そうなのね」 
 咲はここまで聞いて青い顔になった、そうして表情を強張らせもしてそのうえで父に対して話した。
「関西は面白いところと思うけれど」
「問題もあるんだ」
「先生が問題なのね」
「そうした先生が多いことがな」
 まさにというのだ。
「問題だな」
「そうなのね」
「お父さん関西に行ってよかったと思ってるぞ」
 父は笑ってこうも言った。 
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