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ハッピークローバー

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第四十八話 暑くてもしっかりとその十七

「いいわね」
「そうするわ」
 一華も頷いて応えた。
「これからは」
「絶対にね」
「最低でもこうした格好でいるわ」
 ティーシャツに半ズボンでというのだ。
「約束するわ」
「そうしなさい、あんた最近どんどん可愛くなってるし」
「そう?」
「スタイルもよくなってるわよ」
「親の贔屓目じゃなくて?」
「それもあるかも知れないけれどね」
 母もそれは否定しなかった、親だけあって。
「けれどそれを抜いてもよ」
「私可愛くなったの」
「顔立ちもスタイルもね」
「そうなのね」
「色気もちょっとしたら出て来るわよ」
「色気って」
「そういうのも成長したらよ」
 それを経てというのだ。
「出て来るのよ」
「そうなの、私も」
「まだ高校一年だとまだまだでも」
 それでもというのだ。
「十年もしたらよ」
「色気出てるの」
「高校三年になったらね」
 十八歳にもなると、というのだ。
「もうね」
「今以上になの」
「女の子としてそそるものが備わってるから」
「そそるの」
「男の子そしてレズの人から見てね」
 娘にわりかし以上に真面目な顔で話した、母にとっても完全に笑う様な話ではないと思う内容の話だからだ。
「下着姿でいたら」
「下手に刺激することになるのね」
「だからね」
 それでというのだ。
「下着姿でいないことよ」
「服を着ることね」
「お風呂から出たらね、それでね」
 そのうえでと言うのだった。
「お部屋の中では絶対にね」
「せめて半ズボンとシャツね」
「それでいてね」
「そうするわね、それって寝る時も?」
「そう、その時もね」
 ベッドの中でもというのだ。
「下着は駄目よ」
「やっぱり変に刺激するから」
「若し起こされる時に掛け布団剝がされてよ」
 ベッドのそれをというのだ。
「そこで下着姿だったら」
「やっぱり刺激されるわね」
「起き抜け襲われるわよ」
「そうなるから」
「だからね」
「寝る時もなのね」
「シャツと半ズボン位はね」
 今の一華の服装位はというのだ。
「最低でもよ」
「着てることね」
「そうよ、いいわね」
「そうするわね」
 一華は母の言葉に頷いた、そうして寝る時もシャツと半ズボン姿だった。その恰好でぐっすりと寝たのだった。


第四十八話   完


                     2022・8・1 
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