透明都市
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第二章
「有事にはな」
「攻撃されてはなりません」
「絶対に」
「生物兵器や化学兵器も研究しています」
「若し攻撃を受けるとです」
「二次被害も恐ろしいものになります」
「そうだ、軍事機密の中でも最高のものがだ」
そうしたものがというだ。
「多くある、だからな」
「若し戦争になろうとも」
「それでもですね」
「護らなくてはならないです」
「我々が今いる首都と共に」
「この街を護らねばならないことは当然だ」
フレシネフは法律を語る様な絶対の口調で述べた。
「それはな、そしてだ」
「あの街も然りです」
「護るべき街です」
「何があろうとも」
「そうすべきです」
「だからだ」
それ故にというのだ。
「あの街にはな」
「あの処理を施しています」
「そしていざとなれば見えなくなる様にしています」
「噂通りに」
「そうしています」
「存在を肯定する者達も世界には多いが」
フレシネフは笑って述べた、ここではそうした。
「それは事実だ」
「その通りです」
「実在しています」
「否定派は多いですが」
「存在しています」
「そうだ、しかしだ」
笑ったままさらに話した。
「そのことはな」
「我々からは言いません」
「決して」
「存在は否定しませんが」
「肯定するつもりもありません」
「資本圏にも我々と同じイデオロギーでも資本圏と組んでいる裏切り者達にもな」
そうした国々にはというのだ。
「言わない、同じイデオロギーの国家にもだ」
「言いません」
「決して」
「そうしています」
「かつては地図に載せないでだ」
そうすることによってというのだ。
「存在しないことにしてだ」
「秘密都市にしていました」
「まさにです」
「そうしていました」
「だがな」
それはというのだ。
「今はな」
「人工衛星があり」
「地図に載せずとも発見されます」
「グーグルなるものでは全世界に観られます」
「そうされますから」
「意味がありません」
「だからだ」
そうした事情があるからだというのだ。
「我々も考えた」
「どうしたら隠せるか」
「あの街を」
「そう考えますと」
「隠す即ち見せないことだ」
フルシコフは言った。
「だからな」
「具体的にどうするか」
「そう考えていきますと」
「見えるのは光によってです」
「光によって見えます」
「その光をどうするかでだ」
周りに強い声で話した。
「そうなるからな」
「はい、だからです」
「光を吸収させるか反射させるか」
「若しくは屈折させるか」
「とかく無効化すればいいので」
「そこれで街全体にそうしたバリヤーを設置することにしたが」
それを出す装置を造ってだ。
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