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透明都市

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第三章

「これ自体がな」
「かなりの技術でした」
「開発に苦労しました」
「非常に」
「そうだったな、そしてその前にどうするか」
 フルシコフは苺のジャムをスプーンに取って舐めた、そうしてから紅茶を一口飲んでそうしてからまた語った。
「吸収させるとな」
「それは闇です」
「真っ黒になりますが」
「真っ黒になるとです」
「そこに何があるかわかります」
「それで反射させる様にしましたが」 
 バリヤーをだ。
「そうするとでしたね」
「はい、そうしたら」
「その様にしたらですね」
「それで、ですね」
「見えなくなるとなりましたが」
「そうだ、街の下の地面がな」
 これがというのだ。
「それまで見えなくなるからな」
「街の場所が白くなり」
「それはそれでわかります」
「そこにあの街があると」
「ですから駄目でした」
「それで透明になる様にした」
 その様になるバリヤーを張ったというのだ。
「街全体にな」
「そうすればです」
「周りと同じ地面だけになり」
「街が消えた様に見えます」
「そうなりました」
「そうなった、そうして何かあるとだ」
 有事具体的に言えば戦争になった時はというのだ。
「見えない様にした」
「そうでしたね」
「その様にしましたね」
「かなりの技術と予算を使いましたが」
「消える様にはしました」
「そうした、この透明になる技術はだ」
 フルシコフはこの技術自体の話もした。
「これからもな」
「用いていいきますね」
「他のことにも」
「そうしていきますね」
「そうする、見えないとな」 
 そうなればというのだ。
「それだけで全く違うからな」
「人は目で見ます」
「まずそうします」
「それによって確認します」
「あらゆる生物がそうします」
「だから見えないとな」 
 それならというのだ。
「それだけで全く違う」
「左様です」
「まさにその通りです」
「ではですね」
「これからもですね」
「この技術は他のことにも応用し使っていこう」
 周りに確かな声で語った、実際にこの国はこの透明な技術を多用した。だが多様すると他国もわかってきてだった。
「見えないならレーダーだ」
「それにソナーだ」
「熱反応も使おう」
「見えなくてもそこにいる」
 このことは間違いないというのだ。
「透明は見えないだけだ」
「見えなくてもそこにいる」
「それなら発見すればいい」
「それだけのことだ」
「目で見えなくても対策はある」
「それならそれでな」
 こう言ってそういったものを使って確認する様になった、それでだった。
 フルシコフは目で見えないことの利点は手に入れたが対策も講じられたことについては苦い顔で話した。
「敵もさるものだな」
「左様ですね」
「敵も馬鹿ではありません」
「ではですね」
「こうなることもですね」
「当然だな、世の中全て上手くいくものではないな」
 自身の席で言った、そして周りにこれからどうするか話した、今度は発見された時にどうするか若しくはより発見されにくい様にするにはどうすればいいか。周りとそうした話をしていくのであった。


透明都市   完


                     2022・7・16 
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