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星河の覇皇

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第八十二部第五章 撤退する者達の焦りその二十九

「中央政府に対して足を引っ張る」
「そうしたことをですね」
「してきます」
「エウロパと敵対しつつも」
「中央政府にもです、下手をすれば」
 どうなるかというと。
「エウロパよりもです」
「我が中央政府に向かい」
「何かと妨害してきます」
「それでは我々も」
「対抗せざるを得ないので」
 あちらが仕掛けてくるのならというのだ、こうした複雑な関係こそが連合の政治なのだ。身内で常に争っている。
「その分です」
「余計に力を削がれて」
「エウロパへの情報収集も」
「難しいですか」
「その分そうなっています」
「では」
 ここまで聞いてだった、八条は述べた。
「このことは」
「もうですね」
「各国政府と連合の中で話して」
「そうしてですね」
「少なくとも表立ってはです」
「そうしたことがない様にする」
「そうしていきましょう」 
 こう言うのだった。
「ここは」
「そうしていきますか」
「マウリアでの情報収集はです」
 エウロパに対するそれはというのだ。
「連合全体にとっての大事なので」
「各国同士、そして中央政府と各国が対立してはですね」
「どうにもならなくなるので」
「国防に影響が出ますね」
「そして国益も」
「損ねますね」
「そうなりますので」
 だからだというのだ。
「ここはです」
「何とかですね」
「表立って争う事態は収め」
 マウリアにおいてというのだ。
「そしてせめて最低限の連携を行い」
「そのうえで、ですね」
「エウロパの情報を集めていきましょう」
「連合の中の様な争いは、ですね」
「外国でしてはどうにもなりません」
 そうした状況だというのだ。
「ですから」
「ではそちらは」
「大統領ともお話しますので」
「そのうえで、ですね」
「決定します」
 こうディカプリオに述べた。
「それもいい様に」
「それでは」
「はい、ですが」
「エウロパのことは、ですか」
「あの国とは国境を接していても」
 つまり隣国であってもというのだ。
「情報収集は」
「中々入らないですね」
「残念なことに」
 それはというのだ。
「そうなっていますね」
「はい、長い間そうですね」
「千年の間。エウロパ側は入ってきても」
「こちらが入ることは」
「出来ません」
 どうにもという口調での言葉だった。 
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