星河の覇皇
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第八十二部第五章 撤退する者達の焦りその三十
「あの国の警護は常に我々より厳重で」
「それで、ですね」
「人種的なことでも」
「我々は混血していますが」
「彼等はほぼ純粋なコーカロイドです」
エウロパでは珍しくはない普通のことだが連合ではもうそうした人種は滅多にいないのだ。連合建国当初から進んでいた混血はさらに進んだのだ。
「変装しても骨格で」
「モンゴロイド、ニグロイドの血が入っていると」
「わかってしまいます」
連合の者だとだ。
「どうしても」
「マウリア人を工作員にしても」
そう仕立て上げてもというのだ。
「それでもです」
「マウリア人であるので」
「偽の情報もです」
「流したりしましたね」
「あくまでマウリア人であり」
こちらの工作員に仕立ててそうしてエウロパに入れてもというのだ。
「マウリアの為に動きます」
「マハラジャタウンや外務省においても」
「ですからマウリアの為にならないなら」
連合に渡すその情報がだ。
「偽のものにしたし」
「知らせなかったりで」
「色々不備があります」
「そうした情報が多いですね」
「どうしても」
そこはというのだ。
「ですから」
「やはり工作員は」
「連合市民がいいのですが」
「その連合市民は」
「わかってしまいます」
人種的なことでというのだ。
「幾ら変装してもDNAやレントゲンのチェックで」
「そういえば」
ある者がここで言ってきた。
「マウリア人はカーストによりますが」
「はい、マウリア人はコーカロイドです」
「高位のカーストの方はですね」
「特にそうです」
「元々アーリア人で」
「彼等はコーカロイドなので」
「それで骨格もですね」
これもというのだ、レントゲンでわかる。
「近いのでしたね」
「エウロパ市民とです」
「殆ど変わらないですね」
「ですがそこにです」
八条はさらに話した。
「モンゴロイドやニグロイドの血が入りますと」
「骨格も変わりますね」
「そしてDNAも」
こちらでもというのだ。
「わかってしまいます」
「そういうことですね」
「このことはどうしようもないので」
「我々の問題点ですね」
「はい、連合からエウロパに工作員を入れることは」
このことはというのだ。
「どうしてもです」
「難しいですね」
「我々も混血していますし」
「連合市民の殆どに人種間の混血が見られます」
このことは科学的に実証されている、連合は創設当初から人種間の混血が見られていたが千年の間にそれがどんどん進んでいったのだ。
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