星河の覇皇
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第八十二部第四章 破竹の進撃その五十
「今は彼等とは戦闘状態に入っていません」
「それならですね」
「戦うことはないですね」
「こうして落ち着いて」
「オムダーマン軍を観ればいいですね」
「我等の任務を果たせばいいですね」
「そうです、そしてその観たものを」
それをというのだ。
「後の我々に活かす」
「このことが大事ですね」
「今の我々にとっては」
「今は連合軍のことを忘れて」
「それに徹するべきですね」
「そうです、オムダーマン軍の今の進撃は」
あらためて彼等の話をした。
「我々から比較しても」
「迅速ですね」
「見事な速さです」
「艦艇の速さに加え」
「統率もよく」
「指揮も見事なので」
こうした要素が揃っていてというのだ。
「あの速さですね」
「我々も学び」
「身に着けるべきですね」
「是非」
「そうしてですね」
「そのうえで」
「戦うべきです、我が軍の艦艇も機動力は備えていますが」
それでもというのだ。
「ここまでの速度を出すことは」
「難しいですね」
「統率や指揮もかなりです」
「ならこのことを学び」
「そしてですね」
「この様に動ける様になりましょう」
「是非共」
こうしたことを話した、そのうえで。
ここでだ、ある中佐が笑いながら白ワインをグラスで飲みそして手元にあるチーズを指に取って喰利の中に入れてから言った。
「連合軍は艦内及び基地内で課業内は禁酒だとか」
「その様ですね」
「あちらは」
「そしてオムダーマン軍も」
「サハラの方も」
「いや、飲むものがないと」
それならというのだ。
「寂しいものですが」
「はい、美酒は必要です」
「軍人にも」
「普通に飲むものです」
「食事中にも」
「そして今の様な時も」
見ればその士官の席の前んボトルとグラスがある。そして飲む時の友としてチーズやクラッカーもある。そうしたものを見つつ話すのだった。
「飲めます」
「それも二本も三本も」
「それが出来ますが」
「連合ではですね」
「そしてサハラでは」
「それが出来ません、こうした時に飲めないのでは」
それではというのだ。
「寂しい限りです」
「全くですね」
「日常の中でも飲めないとは」
「連合も哀れなことです」
「サハラはイスラム故ですが」
イスラムはコーランで飲酒を禁じている、この時代は飲もうと思えば飲めるが流石におおっぴらには出来ないのだ。
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