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星河の覇皇

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第八十二部第四章 破竹の進撃その四十九

「勝ち方もな」
「勝ち方も?」
「急に勝ちだしただろ」
「はい、一日で戦線を全部突破して」
「ティムールグンに大打撃も与えてな」
「あれは確かに」 
 軍曹も言うことだった。
「私から見ても」
「不思議なことだよな」
「互角の戦力だったというのに」
「それがな」
「急に、でしたね」
「それまでとんでもない消耗戦やってたのがな」
 それがというのだ。
「本当にな」
「急に、でしたね」
「圧勝してな」
「全戦線を突破して」
 そうしてというのだ。
「勝っていって」
「ティムール軍を総崩れにまでしてな」
「そうした勝ち方は」
「俺達から見てもな」
「不思議ですね」
「秘密兵器でも使わないとな」
 それこそとだ、曹長は話した。
「無理だろ」
「そうですよね」
「オムダーマン軍は何を使ったんだ」
「若し何か兵器があれば」
「どんな兵器か」
「気になるな」
「そうですね」
「今のところはわからないけれどな」
「これからですか」
「ああ、まあそっちは今は待って」
 そうしてというのだ。
「俺達の仕事をしていくか」
「それしかないですね」
「お茶を飲みながらな」
「お菓子は控えて」
「そこでそう言うか」
「やはり」
 どうしてもとだ、軍曹は話した。
「どうしても」
「アイスクリームもか」
「そうです、私もそうしていきますし」
「俺もだな」
「そうしていきましょう」
「一緒にか」
「そうしていけば」
 それでというのだ。
「絶対に痩せます」
「甘いものは厳禁か」
「何でしたらゼリーを」
 軍曹は笑ってこちらもと話した。
「食べますか」
「ゼリーもか」
「そうしましょう」
「それならな」
 こうしたことも話しつつだ、連合軍の観戦の将兵達はオムダーマン軍を見つつ彼等と行動を共にしていた。だが。
 その彼等を見てやはりオムダーマン軍を観戦しているエウロパ軍の観戦武官達はここでこんなことを話した。
「オムダーマン軍がいるなら」
「それならですね」
「我々としては」
「敵対心を抱いてしまいますね」
「その気持ちは隠せないですね」
「全くです、今は戦闘状態には入っていませんが」
 それでもというのだ。
「同じ場所にいますと」
「視界に入っていると」
「どうしても」
「意識してしまい」
「敵対心を感じます」
「全くですね、しかし」
 ここで彼等はこうも言った。 
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