恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百二十九話 ほたる、父を見るのことその六
「いいですわね。ですから」
「有り難うございます。それでは」
「行きなさい、因果を消しに」
袁紹は優しい顔になった。これまでの厳しい顔から。
「わかりましたわね」
「そうします」
「ではほたる殿行きましょう」
「因果を消す戦いに」
張郃と徐晃は立ち上がりだ。ほたるに顔を向けて話した。
「ただ。土壇場まで兄上には気付かれぬ様に」」
「そのことは御気をつけ下さい」
「はい」
ようやく少しだけ明るい顔になりだ。ほたるは応えられた。彼女も決意したのだ。
同じ頃だ。鱗はだ。こう真吾達に話していた。
「遂に来るな」
「ええと。オロチですか?」
「連中もそうだがまた別の奴もだ」
鋭い顔でだ。彼は真吾に述べた。
「知っている筈だ。あいつは」
「ああ、あいつか」
「そういえばいたな」
ケイダッシュとラモンがだ。鱗の言葉に応えた。
「生きていたか。やはり」
「あいつもまた」
「そうだ。気配を感じる」
鱗は深刻な顔で彼等に話していく。
「龍が来る」
「何かここに来て出て来たわね」
彼等のところには馬岱がいる。そうしてだ。
腕を組みだ。こう言ったのである。
「もう敵は全部わかったと思ったのに」
「いるとは思っていた」
鱗はその馬岱にも話す。
「そして決着をつけなければならないこともだ」
「わかっていたのね」
「その時が来た」
鱗の言葉は今は淡々とさえしていた。
「それだけだがな」
「けれどあれよね。その龍ってのも」
「洒落にならない位強いんだよ」
真吾がやや狼狽した声で馬岱に話す。彼等は今車座になり飲み食いしている。そうしながらだ。真剣な顔で話すのである。
「もうそれこそ怪物みたいなな」
「何か向こうはそんなのばかりいるよね」
「そうだな。それは確かだな」
ラモンもその通りだと馬岱の言葉に応える。
「しかしそれでもだ。二つの世界を救う為にはな」
「その龍にも勝たないといけないわよね」
「そういうことだ。わかってるな」
「最初からね。ここまで来たら勝つわよ」
馬岱もその決意を話す。
「絶対にね」
「その意気だ。それじゃあな」
「龍も倒す」
こうだ。決意を話す鱗達だった。その話をしてからだ。
真吾はだ。ふとだ。こんな話をしたのである。
「そういえばよく言われるんですけれど」
「どうしたの、真吾」
「俺の声ってあの左慈に似てるのかな」
首を捻ってだ。真吾は馬岱に話す。
「よく言われるんだよな、本当に」
「言われてみればそうね」
馬岱もそのことを否定しない。
「真吾の声ってそんな感じよね」
「やっぱりそうなのかな」
「丈の声が華陀に聞こえるのよ」
馬岱は彼の話もする。
「他にも色々と同じ声かな、っていう人多いけれどね」
「ギースさんと幻十郎さんとかですね」
「そうそう、あの二人もよ」
まさにその二人だとだ。馬岱は言う。
「そっくりじゃない、声も」
「二人共戦う時は上半身裸だし」
「それで筋骨隆々だしね」
「言われてみれば似てるな、あの二人」
真吾もその通りだと納得するまでに。
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