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イベリス

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第六十四話 期末テストその二

「現役時代のな」
「もう名キャッチャーとして有名よね」
「自分の野球の練習にな」
 それだけでなかったのだ、古田は。
「自分のチームも相手チームもグラウンドも審判もな」
「そのデータを全部手に入れて研究して」
「凄い努力をして安定して試合に出られてな」
「大きな怪我も病気もしなくて」
 膝を痛めていたが現役時代の殆どでマスクを被っていた。
「常に冷静だったからな」
「あれだけ凄かったのね」
「そうだ、だから咲もな」
「予習復習はしてるから」
「後は体調とだ」
「冷静さなのね」
「そうだ、テスト前はお酒は控えて」
「それは絶対ね」
「飲むと勉強してもまともに入らないしな」 
 このことは当然のことだ、勉学は素面でないとできるものではない。
「それに体調にもな」
「影響するから」
「飲むのは終わってからだ」
 それからだというのだ。
「テストがな」
「それからね」
「それで本当に落ち着いてな」
 そうもしてというのだ。
「やるんだ、まあお前は冷静さもな」  
「いいのね」
「けれど言っておくな」
 このことをというのだ。
「念の為にな」
「テスト前だから」
「そうだ」
 実際にというのだ。
「そうするな」
「じゃあちゃんとするわね」
 咲もこう返した。
「体調管理もね」
「そうするんだ、具体的にはよく寝てな」
「身体にいいもの食べることね」
「もう暑いからな」
 父は季節からも話した。
「素麺とかアイスクリームとかばかり食べるとな」
「よくないわね」
「そうしたものは栄養が偏っているからな」
「お野菜とか果物食べて」
「しっかり栄養を摂るんだ」
「そうしないと駄目ね」
「熱いものが駄目ならな」 
 それならというのだ。
「サラダを食べてもいいしな、生野菜をな」
「あと野菜スティックとか」
「デザートによく冷やした果物とかな」
「そうしたの食べればいいわね」
「それで冷奴や枝豆もな」
 大豆類もというのだ。
「いいからな。お母さんそうしたものもよく出してくれるだろ」
「夏はね」
「そういうのを食べるんだ。飲みものもな」 
 父は今度はこちらの話をした。
「麦茶もいいが」
「麦茶は栄養あるわね」
「ちゃんとビタミンがあるからな」
「そうよね」
「しかし麦茶ばかりじゃなくてな」
 飲むものの話をさらにした。 
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