| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

イベリス

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十四話 期末テストその一

                第六十四話  期末テスト
 いよいよテスト前になった、だが咲の父は家で咲に平然とした顔で言った。
「お前はいつも勉強しているからな」
「だからいいの」
「そのことはな、後はな」
「後は?」
「体調に気をつけろよ」
 言うのはこのことだった。
「怪我をしないで病気もな」
「しないことなの」
「ああ、怪我も病気もしないのが一番だ」
「何かスポーツ選手みたいね」
「他の仕事も学生さんも同じだぞ」 
 父は娘に食堂の自分の席で食後に新聞を読みながら話した。
「もうな」
「まず怪我や病気をしないことなの」
「それでずっとやれるのがな」
「一番なのね」
「テストも風邪ひいてたら満足に向かえないだろ」
「ええ、調子が悪かったらね」 
 それならとだ、咲も答えた。
「どうしてもね」
「だからな」
「体調管理も大事なのね」
「ちゃんと寝て身体にいいものを食べてだ」
 そうしてというのだ。
「軽はずみな行動は取らないことだ」
「怪我も病気もしない為に」
「スペランカーだったらな」
 父は笑ってエットで使われる言葉も出した。
「駄目なんだ」
「昔のファミコンのゲームよね」
「お父さんも知ってるがもうすぐにだ」
 父は娘にそれこそという口調で話した。
「死んだんだ」
「そんなになの」
「ちょっと段差のあるところに落ちたらな」
 それでというのだ。
「死んだ、スーパーマリオとは全然違うぞ」
「マリオだって穴から落ちたり敵にあたったりしたら死ぬでしょ」
「しかしどれだけ跳んでも跳ねても死なないだろ」
「物凄いジャンプして平気で着地してるわね」
 このことはマリオブラザースやドンキーコングからである、マリオやルイージの身体能力はかなりのものなのだ。
「そういえば」
「それでもスペランカーはな」
「ちょっとした段差でなの」
「死ぬんだ」
「そんなのだったのね」
「それで凄く難しかったんだ」
 これはファミコン版のことだ、アーケード版ではそうではなかったらしい。
「だから怪我をしないでな」
「病気をしないならなの」
「それだけでかなりいいんだ」
「だから私もなのね」
「体調管理はしっかりするんだぞ」
「それはなのね」
「ちゃんと勉強をしていたらな」
 咲の様にというのだ。
「もうな」
「後は体調管理ね」
「そして落ち着いてだ」
 そうしてというのだ。
「やるんだ」
「気持ちを落ち着けてよね」
「変にあがらず駄目だと思わないでな」
「落ち着いてなのね」
「やればいいんだ、そうしたらな」
「ちゃんとした結果が出るのね」
「そうだ、人間努力とだ」
 それに加えてというのだ。
「健康とだ」
「落ち着きね」
「平常心だな、この三つがあるとだ」
「大丈夫なのね」
「古田さんを見るんだ」
 この野球人をというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧