イベリス
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第六十四話 期末テストその三
「牛乳や豆乳もいいんだ」
「蛋白質ね」
「それもしっかり摂ってカルシウムもだ」
「牛乳には多いし」
「よく飲むんだ、熱中症にはスポーツドリンクだ」
これもいいというのだ。
「あと野菜ジュースもいいんだ」
「飲みものも考えていくことね」
「そうしたものを飲むとな」
そうすると、というのだ。
「食べものもそうだが栄養をちゃんと摂れてだ」
「体調はいいままね」
「夏バテもしないからな」
「いいのね」
「お父さんもそうだが咲はお豆腐好きだな」
「大好きよ」
咲は即座に答えた。
「お豆腐は。さっき出た枝豆もね」
「じゃあそういうのをよく食べるとな」
「夏バテにいいのね」
「凄くな。兎に角食欲がないから素麺とかアイスクリームばかり食べると」
そうすると、というのだ。
「夏バテになるぞ」
「だからよくないのね」
「ああ、だから夏は熱いものが駄目でも」
それでもというのだ。
「ちゃんとだ」
「栄養のあるもの飲んで食べるべきね」
「お父さん今所沢で働いているけれどな」
父は今の自分の働いている場所からも話をした。
「西武の本拠地だな」
「今そのこと言うの」
「あそこの監督だった広岡さんは管理野球でな」
「元巨人の人だったわね」
「ショートで追い出されたんだ」
当時の監督川上哲治との確執が言われている、尚川上と確執があったと言われるのは広岡だけではない。
「それで広島やヤクルトに言って西武の監督になったが」
「黄金時代のはじまりよね」
「管理野球でな、それでキャンプの時からな」
「徹底して管理野球をやったのよね」
「肉を食べるなお米を食べるな」
これは実際に彼が選手達にさせたことだ。
「それで炭酸飲料もな」
「飲むなって言ったの」
「豆乳を飲めと言ったんだ」
「そこで豆乳ね」
「お昼は軽食でな」
食べ過ぎると動きが鈍ると言ってだ、キャンプ中のことだ。
「クラッカーとか野菜スティックでな」
「それでなのね」
「豆乳を飲んでいたんだ」
「それであんなに強かったの」
「やっぱり練習と作戦が大きかったがな」
「飲みものも関係していたのね」
「肉食禁止は兎も角としてな」
父は広岡管理野球のこのことは置いて話した。
「あとご飯とかも別にいいがな」
「食べていいのね」
「別に管理野球はしていないからな」
「うちではね」
「けれど野菜もよく食べてな」
「飲みものに気をつける」
「それはいいことだからな」
だからだというのだ。
「夏は食べもの飲みものをちゃんとしたら」
「夏バテにならないのね」
「それでテストもアルバイトも頑張れるぞ」
「そうなのね」
「だからしっかり飲んで食べるんだぞ」
「それも健康管理ね」
「間違っても毎日大酒なんて駄目だ」
父はこれは戒めた。
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