ドリトル先生のダイヤモンド婚式
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第七幕その八
「ライチとね」
「桂花陳酒だね」
「そのお酒なのよね」
「まさに」
「そうだよ、中国のお酒は老酒や紹興酒が有名で」
そうしてというのです。
「ライチ酒やアンズ酒も有名だね」
「そのライチもお酒になってるのよね」
「楊貴妃さんが大好きだった果物のお酒も」
「そうなのよね」
「中国はお酒も多いね」
「それで桂花陳酒もなんだよね」
このお酒もというのです。
「これが」
「そうだよね」
「じゃあその桂花陳酒を買って」
「お家に帰って飲むんだね」
「そうするのね」
「そうしよう、焼売か肉まんを肴にしてね」
そのうえでというのです。
「楽しもうかな」
「いいね」
「じゃあそうしよう」
「そうしたものもここで買って」
「それで夜にお家で飲もうね」
「そうしようね」
先生は笑顔で応えて今度はお家で食べる為の焼売や肉まんを買いました。そして桂花陳酒も買おうとしましたが。
ここで、です。皆は先生に言いました。
「一本余分に買おう」
「そうしよう」
「それでその一本は日笠さんにプレゼントしよう」
「そうしたらいいわ」
「あっ、そうだね」
先生も言われて頷きました。
「日笠さんともお付き合いがあるからね」
「そうそう」
「日笠さんも喜んでくれるし」
「是非そうしよう」
「それでプレゼントしよう」
「日笠さんも僕の大切なお友達だよ」
先生は笑顔でこうも言いました。
「だからだね」
「ああ、違うよ」
「そこは違うから」
「そう言うと思ったけれど」
「先生、そこは本当に違うから」
「いい加減わかってね」
「あれっ、どう違うのかな」
先生は皆の言葉にきょとんとなって応えました。
「一体」
「だから、それがわからないからね」
「先生は駄目なんだよ」
「こうしたことについては」
「本当に駄目過ぎるわ」
「どうしようもない位にね」
「ううん、皆何を言っているのかな」
先生はどうかというお顔でこうも言いました。
「僕にはわからないよ」
「それがわかるのといいんだけれどね」
「まあそこはこれからだよ」
「ずっとこんな調子だけれど」
「それでもね」
「これからだね」
「こちらのことは」
皆はもうわかっているという感じで先生に応えます。
「これでも前より進んでるし」
「少しでもね」
「それじゃあね」
「このままいけばいいよ」
「とりあえず日笠さんに一本プレゼントしてね」
「そうしてね」
「そうするよ、実はあの人もお酒が好きらしくて」
日笠さんのこうしたことは先生もご存知です。
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