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ドリトル先生のダイヤモンド婚式 

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第七幕その九

「それで色々飲まれるらしいからね」
「桂花陳酒もだよね」
「お好きでね」
「飲んでくれるね」
「きっとね、兎に角プレゼントは相手の人が喜んでくれること」
 このことがというのです。
「大事なことはね」
「そうだよね」
「その通りだよね」
「プレゼントはね」
「ご夫婦もそうだし」
「日笠さんにしてもね」
「だからね」
 その為にというのです。
「僕も日笠さんにはね」
「桂花陳酒だね」
「それをプレゼントするね」
「そうするんだね」
「皆が言ってくれたってね」 
 先生はにこりとして言いました。
「日笠さんにはお話するよ」
「それはいいから」
「先生が選んだって言えばいいから」
「僕達のことは言わなくていいよ」
「というか言わないでね」
「いやいや、皆が言ったから」
 だからだとです、先生は自分達はいいと言う皆に答えました。そこには純粋な誠実さがありました。
「だからだよ」
「そうしたことは正直に言う」
「誰のアドバイスか」
「そうした気遣いも必要」
「そう言うんだよね」
「それが人として正しいと思うから」
 だからだというのです。
「僕はそうするよ」
「そんなのいいのに」
「本当に先生はいい人でね」
「気配りもしてくれるけれど」
「こうした時はいいのに」
「そうしたことは言わなくても」
「言わないと駄目だよ」
 またこう言う先生でした。
「本当にね」
「いや、だからね」
「本当にそうしたことはいいよ」
「先生一人の手柄にしたらいいのに」
「僕達のことは構わないで」
「皆のアドバイスなら皆の功績だよ」 
 先生は満面の笑顔で言いました。
「それならだよ」
「やれやれだね」
「これでも前進してるけれど」
「これじゃあね」
「中々ね」
「先は長いってね」
「思わざるを得ないわ」
 皆は先生とは真逆にやれやれとなっています、ですがそれでもです。
 先生は桂花陳酒のボトルを一本多く買いました、そのうえでお家に帰りました。そして晩ご飯を食べる時にトミーにお話しますと。
 トミーもです、先生に言いました。
「僕も同じ考えですよ」
「皆とだね」
「はい、本当に」
 鮭のムニエルと舞茸やシメジ、エリンギを切って炒めたもの、それにお野菜をたっぷり入れたポタージュとご飯を食べつつ言いました。
「そこは先生がです」
「選んだってなんだ」
「日笠さんにお話して」
 そうしてというのです。
「プレゼントすべきです」
「そうなんだ」
「そう、それでです」 
 そのうえでというのです。
「日笠さんに喜んでもらうべきです」
「僕一人がかな」
「それがいいです」
「ううん、それは出来ないね」 
 先生はお箸で奇麗に鮭を切って摘んでお口の中に入れつつ言いました。 
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