イベリス
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六十話 何があっても自分はその十三
「天罰を受け続けるわよ」
「潰れるまで」
「そうよ、実際発行部数落ちてるのよ」
新聞のそれもというのだ。
「これまで悪事がばれないと思っていたかもだけれど」
「ばれるのね」
「ばれるわよ」
一言でだ、愛は言い切った。
「悪事ってのはね」
「ばれるものなのね」
「だって新聞の記事残るから」
それも永遠にだ、過去の記事は閲覧しようと思えば然るべき場所で幾らでも閲覧が可能なものである。
「それでね」
「調べられるのね」
「だからわかるのよ」
「悪事は」
「それで今はネットでね」
これでというのだ。
「拡散されるから」
「その悪事が」
「昔はばれてもね」
そうなってもというのだ。
「ネットがなかったから」
「そんなに広まらなかったの」
「そうよ、けれど今はね」
「ネットがあるから」
「もう悪事は光の様によ」
まさにというのだ。
「全世界によ」
「広まるのね」
「それであの新聞社の悪事もね」
「皆が知って」
「思いきり叩かれてるのよ」
そうなっているというのだ。
「まさにね」
「そうなのね」
「そして天罰を受け続けているのよ」
「そういうことね」
「そうよ、祟られたり怨まれることも駄目だけれど」
「悪事はなのね」
「そもそも駄目よ、報いを受けて」
そうなってというのだ。
「そしてね」
「今に至るのね」
「そうよ、悪事の報いはある」
「天罰は」
「そしてああなるのよ」
「そのことも覚えておくわね」
咲は愛のその言葉を聞いて頷いて応えた。
「そうするわね」
「そうしてね」
「ええ、そうしないと駄目よね」
「人間はね」
愛はまた咲に答えた、そうしてだった。
ここであるものを出してきた、それは紅茶にスイーツだった。咲はそのスイーツを見てまた言うのだった。
第六十話 完
2022・4・23
ページ上へ戻る