イベリス
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第六十一話 ドーナツその一
第六十一話 ドーナツ
愛が出してきたのはドーナツだった、オールドファッションやフレンチショコラといったものである。
そのドーナツ達を見てだった、咲は愛に尋ねた。
「おやつ?」
「そうよ、今から食べましょう」
愛は咲に笑って答えた。
「二人でね、咲ちゃんもドーナツ好きでしょ」
「ええ、けれどいいの?」
ご馳走になってとだ、咲は愛に尋ねた。
「貰って」
「お母さんが咲ちゃんが来るからって買ってくれたのよ」
「そうなの」
「だからね」
それでというのだ。
「咲ちゃんもね」
「いただいていいのね」
「好きなの食べてね、沢山あるし」
愛は微笑んでまた答えた。
「そうしてね」
「それじゃあね」
「あと紅茶もね」
こちらもというのだ。
「あるわよ」
「そうなのね」
「ミルクもレモンもあるし」
その両方がというのだ。
「だからね」
「紅茶も楽しんでいいのね」
「コーヒーでもいいけれどね」
「紅茶をお願いするわ」
咲は笑顔で答えた、今度は彼女が答えた。
「今日はね」
「それじゃあね」
「ええ、じゃあ今からね」
「一緒に食べましょう」
「二人でね」
こう話してだった。
二人で紅茶を飲みドーナツを食べはじめた、咲は最初オールドファッションを食べたがフレンチショコラを食べる愛に話した。
「ドーナツと紅茶って合うわね」
「そうでしょ、ただね」
「ただ?」
「ワインにも合うのよ、赤ワインにも」
愛は紅茶を飲みつつ笑顔で話した。
「これがね」
「そうなの」
「赤ワインって甘いものにも合うからね」
だからだというのだ。
「ケーキやアイスクリームにも合うし」
「ドーナツにもなの」
「そう、合ってね」
それでというのだ。
「美味しいのよ」
「そうなの」
「そう、だからね」
愛はさらに話した。
「今度ドーナツ食べる時はね」
「赤ワインを飲むのね」
「この組み合わせを楽しんでね」
「そうさせてもらうわね」
咲もそれはと頷いた。
「それじゃあね」
「そうしてね、あとアイスとかケーキでもね」
「さっき美味しいって言ったわね、お姉ちゃん」
「そうよ、だからそっちもね」
「甘いもの食べる時には赤ワイン」
「いいわよ、赤ワインって魚介類と和食以外には合うのよ」
こうも言うのだった。
「そうしたものの時は白ワインでね」
「白ワインはそっちね」
「けれど赤ワインはハンバーガーにも合うし」
こちらにもというのだ。
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