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リュカ伝の外伝

作者:あちゃ
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リュカ'sキッチン レシピその2「ダジャレ DE 肉じゃが」

 
前書き
後書きにて
今回のテーマソングを公開。 

 
(グランバニア城・メインキッチン)
ニックSIDE

指ザックリ事件から3日後……
またビアンカ王妃陛下がキッチンへと訪れた。
今度はリュケイロム陛下と共に!

「おい、きっとこの間の件だぞ」
俺の傍に居た彼女のニャアが、俺を不安にさせる。
「あ~あ……きっとクビだな」
冗談でも言うな。

「クビで済むかね?」
同じく傍に居た先輩が苛める。
「そうですねぇ……極刑かなこれは(笑)」
笑いながら言う事では無い。

周囲が面白半分で色々言ってるが、俺の不安を増大させる要因が他にもある。
それは両陛下に随伴してる方々だ。
城内のプライベートエリアに存在するキッチンに来るのに、強そうな兵士が5人に上級メイドと一般メイドが3人。

兵士は捕縛する為の要員だと思われるし、メイドさん等は俺の普段の仕事ぶりを指摘するのだと思う。
仕事柄メイドさん等とは親しく(基本事務的)してるし、俺の問題点を指摘するのは容易いだろう。
ガチで不安になりニャアに視線を向けると、半笑いで肩を竦め声に出さずに『あ・き・ら・め・ろ』と……これ俺の自慢の彼女です。

「あ~……3日前に僕の奥さんの胸の谷間を凝視して大怪我した奴って何奴?」
はぁ~ん……やっぱりこの件だったぁ!
「あ、あの……俺です……」
黙っていても直ぐバレるし、素直に手を上げ自白する。

「アンタ死にそうな顔してるのに素直だな?」
とニャアが意地の悪い笑顔で囁く。
(つい)でに……僕の奥さんの巨乳に触った女の子が居るらしいけど、どの()?」
そう言えばニャアは俺みたいに見るどころか触ってたな。

「げっ……何でその事知ってんの!?」
如何(どう)やらビアンカ王妃陛下は、リュケイロム陛下には言って無かった様だ。
では誰からの情報だ?

「ホイミンが密告(チク)った」
「も~……裏切り者ぉ」
ビアンカ王妃陛下に可愛く咎められ、ホイミスライムはその触手で頭をかいている。

「あの()?」
両陛下の可愛い(可愛いのはビアンカ王妃陛下)遣り取りの中、頭をかいてたホイミスライムがその触手をニャアに向けた。

「あ……す、済みません! わ、私がビアンカ陛下様のお胸に触れてしまった者です!」
先刻(さっき)まで俺をイジってたのに、いざ自分の番になると緊張して言葉遣いが変になってる。仕返しにイジってやるか?

「え~っと、確か君は……『ニャースノ・タンプラー』ちゃん……だったよね」
「あ……は、はい。ニャアと呼ばれてますが、よくご存じで」
何でニャアのフルネームを知ってるんだ?

「うん。城内に勤める女の子の名前は全部暗記してるからね。男は憶えられん! 10回くらい聞いてフワッと憶えられる程度。1週間、その名前を聞かなきゃ忘れる」
「さ、流石です……」
俺もそう思う。

「でもさぁ……勝手に僕専用のオッパイに触るなんて大問題だよね! 罰として君のオッパイも揉み揉みだぁ!」
そう言うと自然な流れで手を伸ばして、優雅な動作でニャアの両胸を揉むリュケイロム陛下……あまりにも自然すぎる動作に、誰もが疑問を感じない。揉まれてる本人も。

「ちょ、ちょっとリュカ! 何時(いつ)まで揉んでるのよ!!」
「イテテテテッ……止めて、顔は! イケメンだから……僕イケメンだからぁ!」
一番最初にこの状況の不自然さに気が付いたビアンカ王妃陛下が、慌ててリュケイロム陛下の頬をつねってニャアから引き離す。

「う~ん……90・61・87……かな?」
「せ、正解……です(テレ)」
3つの数字……スリーサイズだよね? 金庫の暗証番号じゃないよね? 何で判るの!?

「え、何? 今日はセクハラする為にキッチンへ来たの? 新しい料理を伝授するって言ってたから、興味本位で仕事をサボる常習犯のメイドが勝手に随伴してきたのに、セクハラが目的?」
だとすると、あの屈強な兵士等は何要員だろう?

「ち、違うよぉ~。ちゃんと料理もするよぉ~」
「その割にはセクハラ行動しか見受けられませんけどぉ……如何(どう)言う事ですかリュケイロム国王陛下?」

「あ、あのオッパイが魅力的すぎて……」
「何よ……また愛人を増やそうとしてんの?」
それは困る……一応俺の彼女だし。

「それは無いよぉ。だってニャアちゃん、彼氏居るみたいだし。ユニ情報だから確実。名前聞いたが、憶えてないけどね」
「あの……それ俺です」

「えぇ! こんな魅力的なオッパイを自由に出来るのに、僕の奥さんのオッパイに見とれちゃってたの!?」
「しかしですね陛下……仮に世界中の女性の胸を好きに出来る様になったとしても、ビアンカ王妃陛下のお胸は、他者の追随を許さないレベルでの素晴らしさなんです!」

リュケイロム陛下からイジられ、ニャアからは腐りきった食材を見る様な目で睨まれ、思わず自己弁護という名の言い訳を織り交ぜたおべっかを言ってしまった。
ニャアを初め、周囲の諸先輩・同期・後輩等の視線が痛い。

「ね。言った通りでしょ?」
「うん、気に入った。ベクトルは違うけど、何時(いつ)も一言嫌味を言ってくるレクルトみたいだ。ウルフとも気が合うかもしれんな」
え? 宰相閣下と気が合うのって、ちょっとした拷問では?

「実はさ、君の名前……ニック・ジャガーって名前を聞いて、一つ料理を思い出してさ、それを今日は伝授しようかなって思って、今日はここに来たわけ」
「は、はぁ……」
ニャアの乳を揉む事が目的では無く、俺を罰する事が目的でも無い……じゃぁあの兵士等は何でここに居るの?

「その名も『肉じゃが』だ!」
「に、ニクジャガ?」
「そう、ニック・ジャガーが作る肉じゃが。ダジャレだけど面白くねぇ?」
「は、はぁ……自分の名前がダジャレにされてるって事を除けば」

「今日は準備が出来てないから後日になるけど、ニャアちゃんの名前を捩った料理も伝授するね」
「ほ、本当ですか陛下!?」
ニャアは自分にお名前をダジャレにされる事に抵抗がない様だ。

「うん、ニャースノ・タンプラーが作る『ナスの天ぷら』って名前の料理。まぁ正確には天ぷらって料理名ね。ナス以外でも色々作れて美味しいよ」
「はい、楽しみに待ってます!」
先刻(さっき)の俺を見る目と違い、ニャアは満面の笑みだ。

「さぁ取り敢えず今日は肉じゃがだ!」
そう言うとリュケイロム陛下は、料理に取りかかる。
手の空いてる者にライスを炊かせ、別の手空きの者には以前からリュケイロム陛下作って教えてくださってた『味噌汁』と言う名のスープも作らせながら……





「……如何よ?」
「す、凄く美味しいです! ライスと肉じゃがが合ってて美味しいですし、肉じゃが自体が甘めなので味噌汁との相性も最高です」

俺の感想に誰も異論を唱えない。
だって皆おかわりしてるくらいだし、その行為自体が美味しいと評価してる事だし……
食材と調味料さえ揃えば、凄く簡単に作れる……凄い料理である!

「さて……では本題に入ろう」
「ほ、本題? 肉じゃがの伝授が本題ではないのですか?」
急にリュケイロム陛下が不思議な事を言い始めた。顔は何時もの様に優しい笑顔だが、声のトーンと瞳の奥の輝きが俺を緊張させる。

「お前……ニックには、先刻(さっき)言ったダジャレで、この料理を世間に広めて欲しいんだ。それも今すぐ!」
「……とおっしゃいますと?」

「お前には今すぐにでも宮廷シェフを辞めてもらい、肉じゃがをメインにした料理屋を経営して欲しいんだ……勿論“グランバニア王家認定料理人”の証明書(資格)は渡す」
「そ、そう言われましても……店を持つにも資金が……」

「解ってる。一方的に『店を出せ』とだけ言うつもりは無い……だが個人の店を出させる為に税金は使えない」
「で、ですよね」

「そう……だが、こんな時に頼りになる人物が居る!」
「た、頼りになる人物?」
サラボナ商会の方かな?

「おい、屈強なる兵士諸君!」
「「「はっ!」」」
え、彼等に金を出させるの?

「今すぐウルフ・アレフガルド宰相閣下をお呼びしろ。丁重に……失礼の無い様にだぞ(笑)」

ニックSIDE END



 
 

 
後書き
今回のテーマソング(ユカイツーカイ怪物くん)のリズムで読んでください。

タイトル「リュカさんの明るい家族計画」

♪パ~イ パイパイ パ~イ パイパイ♫
♪オッパイ大好き リュカ陛下は♫
♪グランバニアの王様だい♫
♪カワイコちゃんとか 好きすぎて♫
♪家族構成 トンデモな~い トンデモな~い♫
♪性欲集中 パ~コパコ ドビュン♫
♪たちまち 家族が 大増殖♫



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