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東方絆日録 ~ Bonds of Permanent.

作者:福岡市民
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共存編
  早苗:小旅行①

神奈子「ねえ、萃香は今から予定はあるの?」


神奈子が尋ねると萃香は首を横に振った。


神奈子「それなら、にっしー(西村早苗)と観光でもしておいでよ。幻想郷をまだそこまで知らないだろうしさ」

(東)「そうですね。早苗さん、この機会にいっぺん外に出て見聞を広めてくるといいですよ!」


かくして、二人は幻想郷巡り(小さな旅)をすることになった。



ーー
ーーー


魔法の森の外れにある荒物屋・香霖堂(こうりんどう)
二人はその前にいた。


萃香「早苗、ここの店主は変わり者だから注意しておいたほうがいいよ」

(西)「“変わり者”ねえ…」


やや緊張気味の(西)が店の引き戸を開けた先にはなんと、真っ赤な(ふんどし)一丁で鏡の前に立つ男の姿が!


褌男「ふむ、やはり褌一丁だと筋肉がより引き締まって見えるな…(ブツブツ)」

(西)「・・・。」(←怯えている)

褌男「おや、いらっしゃい可愛いお嬢さん。僕の褌に触れてみませんか?幸せになれるよ」ニッコリ


そう言って男は微笑んだ。


萃香「そぉい!」


チーン!(←蹴りが決まった音)


褌男「ぐはあっ…!」バタッ


その直後、萃香の強烈な前蹴りが男の「大事なところ」に決まった。
あまりの痛みに耐えかねた男はそのまま失神してしまった。



ーー
ーーー


霖之助「先ほどはお見苦しいモノをお見せしてしまい、大変申し訳ございませんでしたぁ!」


30分後、褌男改め香霖堂店主・森近(もりちか)霖之助(りんのすけ)が二人に土下座する姿があった。
もちろん服は着ている。


萃香「私は見慣れてるからいいんだけど早苗がドン引きしてたからさ。ある程度は気をつけないといけないよ?」

(西)「霖之助さんってそんな趣味があるんですね…」(←引き気味)

霖之助「いやいや、僕はただ褌が好きなだけ…そう、褌マニアなんだ!きちんと常識は(わきま)えているつもりだから変な勘違いはしないでくれたまえ」

(西)「ソーナンデスカー」

霖之助「ちなみに今のはかつて外界の“佐川急便のトラック”の飛脚が穿いていた褌で、お尻の部分を触ると幸せになれるそうだ」

(西)「ソーデスカー」


(西)は相当引いているようで相槌も棒読みである。

『この話題は辞めよう。』
霖之助はそう思った。


霖之助「ところで、君が外界から来た早苗さんかな?」

(西)「はい、私が西村早苗です。よろしくお願いします」

霖之助「こちらこそ。そういや、さっきも“外界から来た”って男の子が訪ねてきたなあ」

(西)「ああ、敏くんですね。私も彼と同じ学校に通っとったとですよ」

霖之助「そうなんだね。もしよければ外の世界のこと、いろいろ教えてもらっていいかな?」

(西)「はい、喜んで!」




ーーー(西)は自分が知りうる限りの情報を霖之助に話して聞かせた。 
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