ツバサ -DECADE CHRoNiCLE《ディケイドクロニクル》-
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第14話:歴戦のユウシ
前書き
仮面ライダーの伝説をよく知るものを助けた小狼達。
そこに襲い掛かるのはネオライダー、謎の怪物たちを引き連れて互角の戦いを繰り広げる。
そこへ駆けつけたのは伝説の仮面ライダー達だった……。
突如現れた、仮面ライダーギャレンと仮面ライダーレンゲル。
二人は怪人達……『トライアルシリーズ』へ、立ち向かっていく。
ギャレンは銀色の怪人……『トライアルE』に、レンゲルは紫色の怪人……『トライアルG』に迫り、攻撃を仕掛ける。
『ギャレ、ン…!!』
「お前の相手は、俺だ!」
『レン、ゲル…!』
「まさかまた戦うことになるとは…!!」
ギャレンは醒銃・ギャレンラウザーによる銃撃による射撃でトライアルEを牽制、レンゲルは醒杖・レンゲルラウザーを構えて突撃してトライアルGと攻撃を仕掛けていく。
ナイト達は物陰に隠れた虎太郎の元へ向かうと、彼らについて尋ねてみる。
「あの二人は一体?」
「橘咲也、仮面ライダーギャレン。上城睦月、仮面ライダーレンゲル……アンデットを封印するために戦った仮面ライダーだよ」
「ギャレンにレンゲル……あのライダーが」
クウガは戦うギャレン達を見ながら感慨深そうに呟いた。
かつて旅した世界の一つである剣の世界にもギャレンやレンゲルも存在していたが、変身者が他人を蹴落として自分を利益になることも厭わないという決して人が良くない性格をしていたため、あまりいいイメージがなかった。
それに対して、目の前で激闘を繰り広げている二人は仲間のために駆けつけて戦ってくれている。
それだけで二人のライダーの印象が変わった。
一方、ギャレンとトライアルE。
二人はギャレンラウザーとアームガンによる銃撃戦へと勃発していた。
「はっ!」
『ギッ!!』
トライアルEが繰り出す銃撃をギャレンラウザーによる狙撃によって的確に撃ち落としていく。
さらにはそれらを潜り抜けて、ギャレンの放った銃弾がトライアルEの身体へ届く。
『グォォォォ…!』
銃撃戦では不利だと判断したトライアルEは、距離を詰めて接近戦を仕掛けていく。
ギャレンもそれに応戦して、格闘戦を仕掛ける。
場面を入れ替わるように、ギャレン達の傍で戦うのはレンゲルとトライアルE。
それぞれの武器である戦杖でつばぜり合いをしながら、拮抗している状態に入った。
「はぁぁぁぁぁ!」
『グルアアアアア!!』
互いに振るう戦杖がぶつかり合って振るわれる。
強靭な脚力による距離を離したトライアルGは、右腕の棘爪・ベノムネイルを伸ばし、レンゲルを貫こうとする。
レンゲルは咄嗟に一枚のカードを腰のカードボックスから引き抜き、レンゲルラウザーに読み込ませる。
【Smog】
レンゲルの周囲から黒煙が放たれ、周囲を包み込む。
スモッグスキッドを発動される中、トライアルGは構わずベノムネイルを伸ばし貫こうとした。
だが煙幕の中にいるはずのレンゲルに直撃した手ごたえはなく、当の本人は真横へ回ってレンゲルラウザーで切りかかる。
「とりゃあ!!」
『グォォォ!?』
レンゲルの一撃が炸裂し、叩き飛ばされるトライアルG。
飛ばされた先にいたトライアルEと共に追い詰められていく。
ギャレンとレンゲルはそれぞれ決め手となるラウズカードを取り出そうとする。
「睦月、決めるぞ」
「はい!」
「―――そうはさせるか!クロックアップ!」
【CLOCK UP】
そこへ高速移動からの攻撃を仕掛け、ギャレンとレンゲルを吹っ飛ばす。
地面へ叩きつけられた二人が見やると、二体のトライアルシリーズの前にケタロスが現れる。
ギャレンは自分たちに仕掛けられた攻撃が一体何なのかすぐに理解できた。
「クロックアップ……BOARDとは別のライダーシステムが持つ超高速移動か……!」
「ご名答!だがお前達にはクロックアップは破れまい!」
「何を!!」
ケタロスの言葉に激昂したレンゲルは彼にレンゲルラウザーを振るうも、クロックアップによっていともたやすく避けられ、逆に反撃を食らった。
ギャレンに助け起こされてレンゲルは立て直すも、現状トライアルシリーズを引き連れたケタロスをどうやって打破するべきか……。
トライアルシリーズの共通した特徴として、倒したとしても数秒のうちにに復活するほどの驚異的な生命力だ。
強力な必殺技を以てして倒す方法しかないのだが、今回のクロックアップして攻撃を仕掛けてきたケタロスのように隙を復活する時間を生み出させてしまう。
現状、ギャレンとレンゲルだけでは対抗できる手段はない。
ケタロスが攻撃を仕掛けようと動く瞬間、電子音声がその場に流れる。
【NASTY-VENT】
「二人とも、耳をふさいで!」
二人の叫ぶ言葉と同時にやってきたのは、蝙蝠型の巨大モンスターのダークウィング。
ギャレンとレンゲルが一時的に聴覚機能を遮断すると、ダークウイングが発する超音波『ソニックブレイカー』が放たれる。
ソニックブレイカーを食らったケタロスとトライアルシリーズ達は超音波の苦痛に耐えきれずその場に蹲る。
一体何事かと思ってみれば、虎太郎を助けていたライダー……ナイト、サガ、クウガが二人の元に駆け寄ってくる。
「大丈夫ですか!」
「君たちは一体……」
「とある成り行きで白井虎太郎さんに話を聞きに来た者です」
ギャレンの問いかけにナイトが答えた。
見慣れないライダーに対して訝しんだレンゲルは訊ねる。
「あんた達、ネオライダーじゃないのか」
「んーどっちかというとオレ達、ネオライダーに狙われている立場になっちゃってるからなー」
「ネオライダーに……?」
サガはレンゲルの問いに、仮面の下で笑みを向けながらそう答えた。
そこにドラゴンロッドを構えるクウガがギャレンとレンゲルに手を差し伸べながら言い放つ。
「一緒に戦わせてください。大切な人を守りたい気持ちは同じなんですから」
「……分かった、その言葉を信じよう」
「ええ、共に戦おう」
差し伸べられた手を取り、ギャレンとレンゲルは立ち上がり、ナイト達と共に並び立つ。
五人のライダーが揃った……その光景を見て少し退くもケタロスはゼクトクナイガンの刃を向ける。
「はん、数で押し切るつもりか?無駄だ!トライアルのタフさとクロックアップがあるかぎりお前達は不利だ!!」
『『グォォォ!!』』
ケタロスの合図と共に、襲い掛かっていくトライアルEとトライアルG。
ナイト達五人のライダーは、それぞれ戦う敵へと散りながら向かっていく。
トライアルEにはギャレンとナイト。
トライアルGにはレンゲルとサガ。
そしてケタロスにはクウガ。
ドラゴンロッドを構えたクウガが、ケタロスへと飛び掛かる。
「お前の相手はお前だ!!」
「返り討ちにしてやる!」
クウガとケタロス、両者の武器がぶつかり合う。
今、ナイト達の反撃が始まる。
―――――
トライアルEと戦うギャレンとナイト。
アームガンによる銃撃を避けながら、ギャレンはナイトへとらトライアルシリーズの倒し方を教える。
「いいか!トライアルシリーズを倒すには強力な攻撃を浴びせる必要がある!」
「強力な攻撃を…?」
「ああ!そうでなければ、アイツらは再び復活をする!」
『ヤラセル、カ!』
両者の必殺技を発動させまいとトライアルEはアームガンの射撃速度を速め、素早い連射をお見舞いする。
ナイトは直撃する直前、一枚のカードを読み込ませる。
【SWORD-VENT】
「やらせない!」
ナイトはダークウイングの尾を模した大型のランス・ウイングランサーを手にすると、その大きさを生かして連射された弾を防ぐ。
その間、ギャレンは左腕につけた箱型のアイテム・ラウズアブソーバーから二枚のカードを取り出す。
一枚のカードである"アブゾーブサーペント"をラウズアブソーバーにセットする。
【Absorb Queen】
続いて二枚目のカード"フュージョンピーコック"をラウズアブソーバーにスラッシュして読み込ませる。
【Fusion Jack】
二つのカードを読み込ませた後、孔雀の紋章が浮かび上がってギャレンの姿は大きく変わる。
仮面と胸部のアーマーは黄金色に変わり、背中にはマント状の"オリハルコンウイング"が出現する。
強化形態『ギャレン・ジャックフォーム』に変わると、オリハルコンウイングを展開して上空へ飛びあがり、金色の刃"ディアマンテエッジ"を取り付けたギャレンラウザーを連射しながら突貫していく。
「うぉおおおおお!!」
『ナッ!?』
ギャレンが繰り出したトライアルEは銃撃を受け、さらにディアマンテエッジによつ刺突が炸裂。
大ダメージを負った所へ、さらなる一撃を叩き込むべくギャレンは3枚のカードを取り出し、ギャレンラウザーに読み込ませる。
【Bullet】
【Rapid】
【Fire】
【Burning Shot】
ギャレンは上空へ再び舞い上がると、銃口を向けて構える。
そして引き金を引き、火炎弾を連射していく。
ギャレンの放った『バーニングショット』はトライアルEへと襲い掛かる。
何発のも火炎弾を食らい、その手を上空にいるギャレンへ手を伸ばすトライアルE。
『グォォォォ!マダダ、マダオレハ!』
「―――今だ!」
「はい!」
ギャレンの合図と共にナイトがウイングランサーを逆手に構え、そして勢いよく投げる。
投げられたウイングランサーはトライアルEの胴体に突き刺さり、絶叫を上げる。
さらにナイトはトライアルEへ向かって走り出し、そのまま地面を蹴って上空へ舞い上がる。
「はぁぁぁぁぁぁ!」
ナイトは飛び蹴りをトライアルEに突き刺さったウイングランサー目掛けて叩き込む。
"ライダーキック"というべきナイトが放ったその一撃は、トライアルEの胴体へ大きな穴を作り出した。
トライアルEは数歩後ずさると、そのまま地面へ倒れてゆき、体は眩く閃光と共に消えていった。
―――――
場面は変わり、トライアルGと戦うレンゲルとサガ。
トライアルGの振るう戦杖を避けながら、ジャコーダービュートによる中距離からの一撃を叩き込むサガ。
そこへレンゲルがラウズカードの一枚・スタッブビーで強化した突きを叩き込んだ。
【Stub】
「はぁぁぁ!!」
レンゲルの一撃は炸裂し、トライアルEは軽く吹っ飛ばされる。
今さっき出会ったばっかりながらも彼のその活躍ぶりにサガは褒める。
「うーんやるねぇ!」
「それほどでもないですよ」
「さて、と。どうするんだい?橘さんだっけ?彼の言う通りならこの怪物倒すには強い一撃を叩き込まなければいけないと思うけど」
「問題ありません。初対面にこういうのもなんですが、オレ成長してますから」
サガの懸念にレンゲルは右腕につけていた箱型アイテムを指し示す。
それはギャレンがつけていたものと同じラウズアブソーバーだった。
彼は二枚のカードを取り出すと、ギャレンと同じように読み込ませる。
【Absorb Queen】
【Fusion Jack】
「一緒に戦ってくれ」
ラウズカードに封印した"誰か"に言い聞かせながら、レンゲルの姿は変わっていく。
像のような分厚い装甲に覆われた上半身、両肩には銀色の象牙"オリハルコンタスク"が出現し、手も象の足を模した巨大な手甲に覆われる。
『レンゲル・ジャックフォーム』へと変わり、重い足取りでトライアルEへと近づいていく。
『ナンダ……ソレハ……』
「これが、"俺達"の力だ!!」
レンゲルはその手に持った鉄球を振り回し、トライアルEへ叩きつける。
戦杖へ防ごうとするも強烈な一撃により叩き折られてしまい、そのままお見舞いされる。
さらに追撃と言わんばかりの光のエフェクトを纏ったオリハルコンタスクによるタックルが炸裂。
そして最後はディアマンテエッジがついたレンゲルラウザーによる斬撃が襲い掛かった。
『ガァァァ!!?』
「これで最後だ!」
【Rush】
【Blizzard】
【Poison】
【Blizzard Venom】
レンゲルは冷気の纏ったレンゲルラウザーをトライアルGへ突き刺す。
さらには毒を流し込み、致命的なほどまで弱らせていく。
通常形態より強化されたジャックフォームによる『ブリザードベノム』が決まって弱らせていく。
だが、これだけで倒すには決め手が足りない……そこへサガが動き出す。
「んじゃ、オレも動きますかっと」
『WAKE-UP』
サガは白い笛型アイテム・フエッスルを取り出すと、それをサガークベルトの口部分に読み込ませる。
サガークの言葉と共にフエッスルを吹くと周囲の空は夜に変わり、夜空には闇に沈む新月が浮かび上がる。
サガークベルトから供給された魔皇力をジャコーダービュートへ受け取り、そのままトライアルGへ刀身を伸ばして突き刺す。
「―――ハァ!」
『ギャッ!!』
刺し貫かれたトライアルGへサガは魔皇力を直接送り込む。
『スネーキングデスブレイク』を叩き込まれ、体はボロボロへなっていく。
やがて二人のライダーの必殺技を受けたトライアルGの体は耐えきれなくなり、眩い閃光と共に消えていった。
後書き
どうも地水です。
満を持して登場したレジェンドライダー・ギャレンとレンゲル。
小狼達やネオライダーとは異なる、仮面ライダー剣の本人達ってのは逆に珍しいですね。
後々明かしていく予定ですが、とある法則があります。
小狼達との共同戦線……騙される事に定評がある橘さんにしては英断な選択←
イヤホント、伊坂だったり所長だったりと色々騙されているんですよあの人。
本邦初公開レンゲル・ジャックフォーム!ジャックフォームに関してはS.I.Cにて設定と姿だけは登場してます。
別サイトでライダー小説やっていた時にレンゲル・ジャックフォームは出したことあるんで初めてな感じはしなかったです
次回、VSケタロス戦に決着……?
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