イベリス
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第三十六話 恐ろしい強さその八
「本当に強いわね」
「特に巨人には」
「その阪神にどう勝つか」
「それが課題よね」
「あそこに相当変な監督来ない限り黄金時代終わりそうにないわね」
「若手どんどん出て来るしね」
「ピッチャーなんてびっくりする位よ」
阪神伝統の彼等がというのだ。
「先発中継ぎ抑え完璧じゃない」
「チーム防御率一点台ってないわよ」
「どれだけ凄いのよ」
「あの投手陣から点取るのだけで大変よ」
「そうよね」
「暫く阪神独走ね、ただ阪神がそうでも」
咲は首を少し傾げさせて言った。
「別に腹立たないのよね」
「阪神はそうよね」
「あのチームについてはね」
「勝ってもいいのよね」
「幾ら優勝しても」
「それでもね」
「あれが不思議ね、ファンの人達も」
彼等もというのだ。
「凄く幸せそうだしね」
「そうなのよね」
「阪神ファンって滅茶苦茶幸せそうよね」
「応援も熱狂的でね」
「熱いのよね」
「それ見てたらね」
ファン達もというのだ。
「余計に見ていていいのよね」
「何か巨人勝つと腹立つけれど」
「それでもよね」
「阪神が勝ってもね」
「自分達のチームにそうでもね」
「別に腹立たないのよね」
「そうなのよね」
「それが不思議なのよね」
実にとだ、彼はまた言ったのだった。
「阪神については」
「そうよね」
「あのチームはそうよね」
「不思議なチームよね」
「負けても腹立たないし」
「巨人に対するのと違って」
「阪神ならいいのよね」
咲もこう言った。
「別に」
「しかも勝ったら景気よくなるし」
「日本全体がね」
「それだけで違うのよね」
「優勝決まったらフィーバーになって」
「景気が上向きになるからね」
「だからね」
それでとだ、咲は言った。
「まあいいかなってね」
「思えるわよね」
「こと阪神については」
「不思議と腹立たないし、負けても」
「勝ったら日本の景気がよくなるし」
「それだったらね」
「いいわね、景気って大事だからね」
何といってもというのだ。
「不景気は嫌よ」
「それは絶対にね」
「お父さんやお母さんの仕事にも関わるし」
「減給とかね」
「最悪リストラもあるし」
「もうそれは勘弁」
「テレビとか新聞も暗くなるし」
むしろこうしたマスコミが布教を煽ると言われている。
「それじゃあね」
「不景気は絶対に嫌よ」
「それはね」
「本当にね、それを考えたら阪神が強いのはいいのかしら」
咲は西武のことから阪神について考えを及ぼした、それで部活で部長にその話をすると部長は言った。
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