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オズのラゲドー氏

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第十幕その四

「おいらは猫だから元々魚が好きだしな」
「それでなのね」
「お寿司だって好きさ」
「そうなのね」
「実はわし等はそのお寿司を食べに行くんだよ」
 前ノーム王がチェシャ猫に笑って言いました。
「これからね」
「へえ、そうなのかい」
「そうなんだよ」
「それはいいな、じゃあな」
「今からだね」
「楽しんでくるといいさ、そしてな」 
 チェシャ猫は前ノーム王にその笑顔でこうも言いました。
「ハンプティダンプティみたいな身体になればいいさ」
「卵みたいにかい?」
「丸々としたらな」
「ははは、そういえばお寿司には卵焼きもあるね」
 卵と聞いて前ノーム王は笑って応えました。
「そうだったね」
「あれも美味いよな」
「全く以て」
「あんた以前は卵嫌いだったが」
「今は好きだよ」
「食えてだな」
「そうなったのだよ」
 笑っての言葉でした。
「わしも」
「それは何よりだな」
「それでお寿司をたらふく食べてだね」
 前ノーム王はチェシャ猫にあらためて言いました。
「わしは丸々となればいいんだね」
「そこまで食えばいいさ」
「そうさせてもらおうか」
「おいらもお寿司を食うとな」
「その時もというのです。
「お腹がパンパンになるぜ」
「たらふく食べてだね」
「大好物だからな」
 それ故にというのです。
「そうなるぜ、全く以てお寿司は最高だぜ」
「お前さんもそう思うんだね」
「ああ、ああしたものをずっと知らなくてな」
 こうも言うチェシャ猫でした。
「残念だぜ」
「それはわしも同感だよ」
「そうか、じゃあ今からだな」
「イッソスの国まで行ってね」
「わかった、じゃあ楽しんで来いよ」
「そうさせてもらうよ」
「是非な、あとな」
「あと?」
「いや、アリスはイギリスの娘だろ」
 ここでこのことを言うのでした。
「イギリスのお寿司っていうのもオズの国にあるけれどな」
「そうなのか」
「お寿司といえば日本だけれどな」
「その通りだよ」
 キャプテンが答えました。
「お寿司といえば日本のお料理だよ」
「日本のお料理の代表の一つだね」
 カエルマンも言います。
「お寿司は」
「そうですね」
 クッキーもこう言います。
「まさに日本ですね」
「というかお寿司イコール日本でしょ」 
 ビリーナは言い切りました。
「もうね」
「それがイギリスにも入ってね」
 チェシャ猫は皆に言いました。
「それでイギリスで作られたお寿司がオズの国にもあるんだよ」
「ああ、アメリカにはイギリス文化がかなり入っているしね」 
 そのアメリカ人のジョージの言葉です。
「そもそもイギリスから独立した国だし」
「同じ英語を喋ってるしね」
 中国人の神宝も言います。 
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