オズのラゲドー氏
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第十幕その五
「やっぱりイギリスの影響は強いね」
「だから今もだね」
ブラジル人のカルロスの言葉はといいますと。
「イギリス文化がアメリカの中にあるんだね」
「それでイギリスのお寿司もアメリカに入ったのね」
日本人の恵梨香はこう考えました。
「そういうことね」
「オズの国はアメリカが反映されるから」
ロシア人のナターシャの言葉はといいますと。
「それでオズの国にイギリスのお寿司があるのね」
「まあああしたお寿司もあるってことでな」
チェシャ猫は笑ってこう言いました。
「あんた達も目にした時は楽しみにしておけよ」
「お寿司といっても色々なのよね」
ナターシャはチェシャ猫に返しました。
「お国によってね」
「日本の料理でもだな」
「オズの国はアメリカが反映されるけれど」
ナターシャはまたこう言いました。
「アメリカのお寿司もあるけれど」
「あれな、日本のお寿司と違うよな」
「そうなのよね」
「ちなみにおいらは日本のお寿司が好きだぜ」
チェシャ猫自身はそうだというのです。
「お寿司の中でもな」
「そうなの」
「ああ、だからな」
それでというのです。
「今度食う時は楽しみだぜ」
「そうなのね」
「それであんた達はどんなお寿司が好きだい?」
「やっぱり日本のお寿司かしら」
ナターシャは少し考えてから答えました、そして皆もそれぞれ考えてから答えました。そうしてでした。
チェシャ猫は皆にあらためて言いました。
「よくわかったよ、お寿司好きでもね」
「色々と好みがあるわね」
トロットが応えました。
「そうね」
「ああ、ネタの話もするとな」
「尚更よね」
「おいらはカツオが好きだけれどな」
「カツオなの」
「ああ、どのネタも好きだけれどな」
それでもというのです。
「一番はどれかっていうとね」
「カツオなのね」
「そうなんだよ」
舌なめずりをしつつ答えました。
「他のも好きだけれどな」
「特にカツオね、ただね」
「ただ?どうしたんだよ」
「いえ、カツオが好きなんて」
トロットは笑ってこのことについて言うのでした。
「貴方もうイギリスから離れているわね」
「イギリス人カツオ食わないからな」
「食べられることも知らないわね」
「絶対にな」
トロットに笑って応えました。
「あっちの人達は」
「そうよね」
「蛸や烏賊食えることも知らなくてな」
「カツオもね」
「お寿司の他のネタもな」
「大抵のものがね」
「イギリスじゃ食わねえな」
お寿司のネタはというのです。
「鮪もハマチもな」
「そうよね」
「それが日本だとな」
この国ならというのです。
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