IS 転生白書 オリ主が奏でる新しいインフィニット・ストラトス
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放課後その2!
前書き
相川拓夢
16歳、黒髪で青い瞳。
織斑一夏との親密度がとても高く、現在色々調査中。
また、担任を口説いたとの報告もあり。
意外と守備範囲が広い?
「えーと、ここか俺の部屋は」
一夏と分かれて少し歩いた。
つっても、校舎と寮は50mくらいしか離れてない。
走れば5秒でつくわ。
まぁ、そんな道をのんびりゆったり歩いて来た。
本当は早く寮に行きたかったんだが、なんというか視線が気になってな。
寮のどこに部屋があるのかは、事前にマップを見て記憶しといた。
視線の主達をまくために、寮に入った瞬間全速力で走って撒いた。
たしか寮の中は走ったりするのは禁止、とまでは行かないが注意されるんだったか。
でもまぁ、千冬さんが寮長らしいから今は問題なかった。だってあの人、今頃職員室だもんな。
「おじゃま・・・ちがうか。ただいまー・・・」
自分家じゃないからつい。今日からここは俺の部屋なんだから、おじゃましますは可笑しいよな。
と、中に入って驚いた。
「こりゃ、俺の部屋なんて比べもんになんねぇわ」
それはそれは見事なものだった。
完璧に掃除されつくした室内は、広さ10畳は超えてる。まず目に入るのは大きな窓だ。ガラス張りながら、その大きさがはんぱじゃない!外の、つっても学内だけど、景色がよくみえる。
そしてベッド。見るからにふかふかのマットレスに掛け布団、しわ一つ無いシーツ。こりゃ気分がいい、さっそくダイブだ!
「う、うわぁ・・・。マジでなんだこりゃ?体が沈む?いや、だがこの安定感はなんだ・・・!?」
俺は、まだまだIS学園をなめていたようだ。
部屋に入って数分も経たないうちに圧倒された。それも窓とベッドの二つだけで!
「って、あれ?メール着てる・・・」
ベッドにだいぶした拍子にポッケから落ちたのか、ちょうど右手の近くに俺のケータイがあった。
タッチパネル式のモノで、他のより充電が長持ちするという長所がある。
その携帯の、メールランプなる部分が点滅していた。
「おー、七海からか!」
送り主は俺の妹、相川七海(あいかわ なつみ)からだ。
今年で中2だっけか?俺の二つ下の妹は、なかなかいい性格をしている。
だがまぁ、その年になって未だにべったりなところは心配なんだが・・・。
さてさて、内容は?
「なになに、件名・おにいちゃん。ただいまって言ってお兄ちゃんが居ないことに気が付いたよ、今日はお父さんもお母さんも仕事で出てるから私一人だし、ちょっと寂しかった。そう言えば、今日はいつ帰ってくるの?夕ご飯なにがいい?早めに返信ちょーだいね、愛しの妹より。か」
・・・・・・。
し、しまったァああああああああああああああああ!!!
急いで返信を打つ。
マズイまずいぞこれは!!
俺が今日から寮生活ってことを、あいつ知らないでいる!
母さん頼むぜ、なんで置手紙とかしてくれなかったの!?
おおおおおおお、一大事だ!!
「頼む頼む頼む、間に合ってくれぇ・・・・ッ」
俺の妹は出来たやつだ。
明るく友達が多く、勉強も頑張っていて運動も得意。顔もスタイルも悪くない。というか、兄バカと思われるかもしれないが、結構可愛い。・・・ちがう、俺はシスコンじゃないからな!?
おまけに料理の腕も一人前とくれば、言うところなし。と思うだろう?
だが、妹が唯一嫌うことがある。それは無断外泊。
これは俺に限ったことなんだが、とにかく厳しい。
一度、弾の家に泊まることになったんだが、夜も遅いからって七海には伝えてなかったんだ。
もう寝たと思っていたからなそのときは。
んで、オールしてから家で寝なおそうと8時に家に帰った。
気だるさ交じりで玄関のドアを開けると、なんと妹が正座して俺のことを待ち構えていた。
『あ、お兄ちゃんお帰り。・・・遅かったね、今日は勉強みてくれる約束だったのに』
正直、その台詞を聞いた俺は死を覚悟した。
なんせ妹の顔にはふっかいクマがあって、おまけに顔色も悪かった。それなの満面の笑顔。
夜中がばがばジュース飲んで、トイレ行き忘れていたからか、ちょっとちびったかもしれない怖さだ。
『ほら、お兄ちゃん。お部屋いこ?あのね、分からないところ纏めておいたの・・・』
『な、なぁ・・・七海?お、お兄ちゃんちょっと、眠たいなぁ~って思ってるんだけど・・・』
『・・・え、なあに?聞こえなかったよぉ。でもまさか、一晩玄関で妹待たせて置いたのにもかかわらず、自分だけ布団で寝ようとするなんて・・・。そんな事、お兄ちゃんするわけないよね。聞き違いだったのかな?そうだよね、きっとそう。そうに違いないんだよぉ・・・あはっ』
あぁ、駄目だ俺死んだ。
本当に心のそこから、俺が死を覚悟したのはそのときだ。
目からハイライトが消えるのって、本当に起こるもんなんだなって、そのとき初めて知ったよ。
「頼む頼む頼むぅぅうぅ・・・」
だから祈るしかない。
妹がこの返信を見て、ちゃんと理解してくれることを。
あの状態にならないことを・・・。
ぷるるるる、ぷるるるる・・・・・・。
───き、きたぁッ!!
「も、もしもし!!?」
着信音が響いて一秒も満たないうちに、俺は通話ボタンをタッチ。
聞こえてきたのは・・・・
『もう、お兄ちゃん?今日から寮に泊まるんならそう言ってよ!』
いたって普通のときの妹の声だった。
よ、よかったぁ・・・。
「ご、ごめんごめん。でも、本当にいきなり決まったことでさ。実は俺もさっき知ったばっかなんだよ」
『ん~、ならしょうがないか。許してあげる。・・・その代わり、一つお願いを聞いて欲しいなぁ』
お願い?聞きますとも!
またあの状態になられるくらいならば何でも叶えちゃうぜ!
「なんだ?俺に出来ることならきいたるよ」
『本当?やったぁ!じ、じゃあ・・・お兄ちゃんの部屋で寝ていいかな?』
「俺の部屋?なんでまたそんな」
『いいでしょ?ね、お願い!』
なんだ?なんだこの胸騒ぎは?
・・・いや、気のせいか。ちょっとビビリすぎてるだけだ、別に俺の部屋で寝るくらい大丈夫だろう。
「しょーがねぇな、オッケーだ。ただし、今日一日だけな?」
『勿論だよ!ありがとうお兄ちゃん!!』
なんだか凄く嬉しそうな七海のこえ。語尾にハートでも付きそうなテンションだ。
だがしかし、その声を聞くたびに感じるこの悪寒はなんだ・・・?
まて、そもそもなんでアイツは態々俺に確認をとったんだ・・・いつも勝手に入ってるくせに。
俺の部屋、俺の部屋・・・・・・・・・俺の、部屋?
まさか
「な、なぁ七海。ちょっと聞きたいんだけど、俺の部屋って“どっち”のことを言ってるんだ?」
まさかまさかまさか・・・
『どうしたのお兄ちゃん、そんなに声が震えて?どっちかなんて、決まってるでしょ?勿論・・・おにいちゃんが今居る部屋だよ」
がしっ!!俺の左手が何かにつかまれた。しかも、今、声が近くから聞こえて来たような・・・
「お兄ちゃん、来ちゃった・・・。あは」
「あ、あぁ・・・、ぎゃアああああアアアアアアあああああああああああああああああッ!!?」
ガンッ!頭に強い衝撃が!!何だこの痛みは・・・って。
「あれ?・・・なんで俺、床に寝てんだ?」
急いで立ち上がってベッドの上を見る。
・・・・・。
妹の姿は無かった。
「な、なんだよ夢落ちかよ・・・。超こわかった」
どうやら、妹にメールしてから返信を待つ間寝てしまったようだ。
うっかりしてたなぁ。
「そ、それにしたってあれは無いよなぁ。いくら七海でもIS学園に無断で入れるわけ無いもんなぁ・・・」
その割には、妙にリアルな夢だった。
もう二度とみたくない。
「って、返信着てるじゃん」
どれどれ?
「Re:お兄ちゃん。今日、一緒にゲームする約束してたよね?約束、守れないのかな?そんなお兄ちゃんには、お仕置きが必要だよね。だから勉強机の三段目の引き出しの、二重底に隠してある本は燃やしておくからね。愛しの妹より。はーと」
・・・・・・・・・。
「は、はーと・・・じゃねえだろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
結果。
俺の秘蔵のエロ本が灰になった。
なんというか、IS学園に来て一番不幸な出来事だった・・・・・・。
後書き
いやぁ、七海ちゃんの想いには恐れ入りますね。
実は七海ちゃん、お兄さんである拓夢のことが大好きなんですね。だから変な行動に走ってしまうんです。若干のメンヘラってやつです。
そして灰となった拓夢秘蔵の一冊。ご愁傷様です。
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