IS 転生白書 オリ主が奏でる新しいインフィニット・ストラトス
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初食堂!
前書き
相川拓夢
16歳、黒髪で青い瞳。
今年中学二年になる、二歳下の妹が居る。
素直で出来のいい子だが、若干のメンヘラ性質あり。
兄として、何故か妹に逆らえない悲しい性なのだ。
「ふっふっふ・・・」
朝、天気は晴れ。
まだすこし肌寒いが、それも今は気にならないくらい体が温まっていた。
昨日、妹の恐怖に疲れた俺は直ぐに寝ることにした。
個室ってことだから同居人は当然無くて、直ぐに部屋の鍵をかけてベッドにダイブ。
思ったより体は疲れていたみたいで、直ぐに夢の世界へ旅立った。
まぁ、その夢でも妹が出て来たんだけどな・・・・・。
叫びながら目覚めたのは早朝4時。
普段から5時前には目を覚まして、ロードワークをこなしていたからその習慣で早起きが日課だ。
おきて直ぐにジャージに着替える。靴はトレーニングシューズ。スパイクがついている物ではなく、ゴム製で軽い奴だ。
「さ、流石にやりすぎたか・・・?」
いつもは大体10キロほど走っているんだけど、今日は初めてのコースってことで感覚が分からない。
そもそも学内を走り回るのは気が引けたので、グランドのトラックフィールドを使わせてもらっているんだが。・・・ここ、一周なんメートルだっけか?既に6週くらいしてるんだが。
頭から滝のように汗が流れる。
俺のロードワークってのはダッシュ&ジョグの繰り返しで、一定距離を進んだらその場でシャドーをやるっていう内容。
ボクシングの試合は体力勝負。四回戦の俺は、一ラウンド三分を四ラウンドやるから、実質試合時間は十二分。
時間だけ聞くと、なんだ、そんなもんかって思うかもしれない。てか、俺も最初はそう思っていた。
だけど実際試合をやるとなると大変だ。体感時間はまるで違う。
ジム主宰の合宿に参加したときは酷かった。
プロボクサーで、10回戦の竹さん。日本ランキング一位で今年の冬にタイトル戦を控えている彼とのスパーリングは地獄だ。
試合と時間は同じ、でもヘッドギアありでグローブは16オンスにもかかわらず、俺は一セットでゲロった。
内容自体は悪くなかったって言われたし、自分でもそこまでパンチを貰わなかったからダメージは少なかったんだ。でも、プレッシャーが凄い。
正方形のリングの中がまるで動物を閉じ込めている檻のように感じたのはあれが初めてだ。
大きなプレッシャーを受けると、そのぶん体力の消耗も激しい。
事実、俺は他の人より試合数が少なかった。会長の計らいで、減らされていたみたいだ。
だから帰ってきてから俺はトレーニングを増やした。
両足にアンクル、鉄の板を仕込むタイプ、をつけて走る。
最初は一枚。徐々に数を増やしていって、今では片足5キロ、両足合計で10キロの錘をつけていることになる。
「ふぅ~・・・、朝からいい汗掻いたなぁ」
顔を振ると汗が飛び散る。
これ、近くに女子が居たら絶対出来ないわ。多分視線で殺される。
「ふん、朝から走っているとは感心だな」
「お、織斑先生・・・。いつからそこに?」
「つい先ほどだ。お前が集中していたようだから、声はかけなかったがな」
タオルをおいた場所。グラウンドの外れにあるベンチに戻ると、織斑先生が座っていた。
その手にはスポーツ飲料水が・・・て
「く、くれるんですか?」
「ああ、受け取れ。真面目な学生に差し入れだ」
「ありがとうございます!」
常温に置かれていた為かちょっとぬるいが、うまい!
なんだっけ?たしかスポーツの後の飲料水はぬるい方が体が驚かないし吸収率がいいんだっけか。今日は用意し忘れていたから助かる。
「お前はいつもやっているのか?」
「なんですか?」
「トレーニングの事だ」
「あぁ。・・・ええ、そうです。これでもプロボクサーですからね」
「ほう・・・」
「といっても、まだ四回戦で公式試合もしたこと無いですけど」
試合できなかったのはISを動かせることが分かったからだ。
それまで組んでいた予定を全部キャンセルさせられた。
会長も皆も、しょうがない事だと言ってくれたけど。俺としては悔しいし申し訳ない気持ちだ。
「お前はここにくるより、ボクシングをやっていたかったのか?」
唐突にそんなことを聞かれた。
「そう、ですね・・・。まぁ、ボクシングを途中で遮られたのは悔しいです。それに、すこし腹も立ってます。・・・でも、悪いことでも無かったですから、後悔とかはしないつもりです」
「ふっ、やせ我慢するな。だがそういうことなら、協力してやる」
「ほ、本当ですか?!」
「あぁ。ただし、ISの事に関してだけだがな。それ以外のことは私に聞くな」
仮にも教師がそれでいいのかって一瞬思ったけど、改めて考える。
これって凄いチャンスなんじゃないのかと。
「私もいつでも時間があるわけではない。だが、すこし早起きするくらいはしてもいいだろう」
「あ、ありがとうございます!」
「ふん、礼などいらん。私はただ、出遅れているお前を標準レベルにまで戻すだけだ。補習だと思え」
「はい!ご指導、よろしくおねがいします!」
頭を下げる。
本当にこの人には頭が上がらない。
確かに俺のISに関しての知識や経験は大きく出遅れている。なにせ勉強を始めたのがつい最近だ。
何年もしている人に追いつくには、織斑先生の指導は願っても無いことだった。
「では私は戻るぞ。お前も、風邪引かん内に戻っておけ」
「はい!」
くるりとターンして、寮の方へ戻っていく千冬さんの後姿はとても格好良かった・・・・。
「ここの飯美味すぎだろ!!」
俺の声は食堂に響いた。
そして起こるクスクス笑い。
しまった・・・、あまりの美味さについ。
「嬉しいこと言ってくれるじゃないか。これ、おまけだよ!」
「あ、ありがとうオバちゃん!」
ずんずんと歩いてきて、俺の白米の上にから揚げをおいてくれた恰幅のいい女性はオバちゃん。 名前は知らないけど、そう呼んでくれって、朝食を貰ったときに言われたんだ。
ちなみに食堂の料理人さんでもある。というかそれが仕事だ。
でもこの人、どっかで見たことあるような気がするんだよなぁ・・・。
俺の朝食のメニューは和風だ。
白米に味噌汁、焼き鮭とレタスの千切り、あとから揚げ。
因みにご飯は丼で、鮭は大きいのを二枚貰った。
これ運んでテーブルにつくまで、まるで化け物を見ているかの様な目で見られたのは、ついさっきの事だ。
まぁ俺は人より朝ごはんが多めだからな。しょうがない。
「お、拓夢~!」
から揚げを食べて、口の中に広がる濃厚なうまみに感動していると、一夏がやってきた。その後ろから箒も来ている。
「二人ともおはよう。なんで一緒なんだ?」
「おう、おはよう拓夢!それが聞いてくれよ、箒が俺のルームメイトだったんだ」
「な、なんだ一夏その言い方は!そんなに私と同室なのが嫌なのか!?」
「はぁ?なに言ってるんだ箒。昨日も言ったけど、俺は箒が同室でよかったと思ってるぞ?」
「そ、そうか。なら、いい!」
「・・・変な奴だなぁ」
「変な奴とはなんだ!」
「ストップ止まれお前ら!!」
席に着くなり言い争いになった。
なんだこれ、痴話喧嘩かと思ってそのまま見ていたら一向に止まる気配が無い。
俺は朝食は静かに食べたいんだ、ちょっと黙れ!
「わ、わりい拓夢。お前朝は煩いのだめだったもんな」
「そうなのか。すなまない、拓夢」
「あー、分かってくれたらいい。んじゃ食べよーぜ?」
全く、朝は静かにだ。
余りの美味さに叫んだことは、内緒にしておこうと思った俺だった・・・・・・。
後書き
朝の一こまでした。
拓夢はライセンスを取ったはいいけど、ISを動かせたせいで試合には出られなくなったということです。それさえなければ、高校とボクサーを両立していた感じですね。
元々、中学でもアマチュアの試合には出ていました。成績は優秀です。
前世の事もありますが、拓夢は負けず嫌いな面がありますから、必死にトレーニングをしています。
日中は授業やらで無理ですが、放課後や早朝に筋トレやランニングなどをするために、荷物の中にはあらかじめ器具を入れていたのです。
そういえば、ランキング3位になってました。
この作品を読んでくださりありがとうございます。
そして、評価をしてくださったり、お気に入りに登録してくださった皆さん、本当にありがとうございます。それを励みに、頑張って更新していきたいとおもいます!
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