オズのラゲドー氏
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第九幕その八
「ロシアなんです」
「それは大変だね」
「はい、ですから」
それでというのです。
「ロシアの寒さは」
「暮らすには辛いね」
「そうなんです」
「よくわかったよ」
前ノーム王もでした。
「冷凍庫ならね」
「ですからもうお外は何もかもが凍ります」
「冷凍庫みたいにだね」
「そうです、この森とは違って」
雪に覆われていますが決して寒くも冷えてもいません、快適に過ごせて動ける場所です。それで皆快適とも思っています。
「物凄く寒くて油断すると」
「大変なことになるね」
「そうなんです」
「そういうことだね」
「それがロシア、シベリアの森です」
そうだというのです。
「本来の」
「冷凍庫の中みたいに冷えている」
「そうした場所ということで」
「わかったよ、では今は」
「はい、先にですね」
「進んでいこう」
こう言ってでした。
前ノーム王は一行の先頭に立って森の中を進んでいきました。
そうしてこの日はロシアの森を進んでいき次の日もそうして結果として三日かけたうえでなのでした。
森を出るとでした。
今度は氷河の世界に出ました、前ノーム王は一面の銀世界に目を丸くしました。
「いや、これはまた」
「どうしたの?」
「凄い世界だね」
トロットに言うのでした。
「こちらも」
「貴方は氷河は見たことがないの」
「見たことはあるけれど」
それでもというのです。
「しかし久し振りに見たから」
「驚いているの」
「そうなんだ、じゃあ今度は」
「この氷河を」
「進んでいこう」
「そうね、ただね」
ここでこうも言ったトロットでした。
「今日はここで休みましょう」
「ああ、もう夜だね」
「夕暮れも深くなっていて」
そうしてというのです。
「あと少しで夜になるから」
「もうここでなんだ」
「休みましょう」
こうしようというのです。
「晩ご飯を食べてね」
「わかったわ」
「それじゃあね」
こうしてでした。
一行は氷河に入ったところで休みました、そしてまた日の出と共に先に進んでいきますがここでなのでした。
前ノーム王は目の前にレミングの大群を見て笑顔になりました。
「うん、こうした場所だとね」
「レミングがいるよ」
「そうだね」
「彼等は氷河に群れを成していて」
「暮らしているね」
「そうだよ」
「氷河には氷河の生きものがいる」
カエルマンに応えてこうも言いました。
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