| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オズのラゲドー氏

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九幕その九

「そしてね」
「他の生きもの達もいるよ」
「そうだね」
「あそこを見て」
 ビリーナは遠くを見て皆に言いました。
「白熊がいるわ」
「ホッキョクグマだね」
 前ノーム王はビリーナに応えました。
「あの熊は」
「そうよね」
「こうした場所だとね」
「熊も白くなるのね」
「もう一面白いからね」 
 だからだというのです。
「それで熊もだよ」
「毛が白くなるのね」
「うん、そしてね」 
 ビリーナにさらにお話します。
「他の生きもの達もだよ」
「白いのね」
「そうした生きものが多いよ」
「そうなのね、あんたもよく知ってるわね」
「知っているというか」 
 前ノーム王はすぐに答えました。
「旅をしていてね」
「見てきたからなのね」
「知ったんだ」
「そうなのね」
「よく知っているんじゃなくて」 
 こうビリーナにお話します。
「知ったんだよ」
「旅をしていって」
「そして本も読んで」
 そうもしてというのです。
「そちらでもだよ」
「知識を得たのね」
「そうなんだ」
「それだけなのね」
「それにわしよりも」
 さらに言う前ノーム王でした。
「オズの国では博識な人は多いよ」
「あら、謙虚ね」
「謙虚というか事実をね」
 それをというのです。
「言っているだけだよ」
「そうなの」
「ムシノスケ教授もそうでここにいるカエルマン氏も」
「ははは、私もだよ」
 カエルマンは前ノーム王の今の言葉に笑って応えました。
「まだまだ知らないよ」
「貴方もなんだね」
「そうだよ、この世界はとても広いし次々と色々なものが出て来るから」
 だからだというのです。
「本当にね」
「知っていることはなんだ」
「この世のほんの少しのことだよ」
「そうなんだね」
「この世の全てを知っているなんて」
 カエルマンはこうも言いました。
「神様位だよ」
「オズの国の神々だね」
「ここにおられるね」
「そうだね、わしにしても」
 レミング達が自分達の傍を群れで駆けているのを見つつ言います、その様子はまるで運動会で追いかけっこをしているみたいです。
「オズの国のことは」
「まだまだだね」
「知らないよ」
 そうだというのです。
「本当にね」
「そうなんだね」
「オズマ姫はどうかしら」
 ここでポリクロームが言ってきました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧