| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オズのラゲドー氏

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九幕その七

「私もシベリアにはね」
「行ったことがないの」
「そうなの」
「ええ、それで日本に来て」
 そうしてというのです。
「オズの国に来られる様になっているの」
「それじゃあ君のロシアの森の知識は図鑑でのことかな」
 カエルマンが尋ねました。
「そうなのかな」
「シベリアについてはそうです」
 ナターシャも答えました。
「ただ、欧州の方の森には」
「行ったことがあるんだ」
「それで知っています」
「そうなんだね」
「おおよそ同じですが」
 それでもというのです。
「やっぱり欧州の方とシベリアの方では」
「違うんだね」
「そうなんです」
「ロシアは広いんです」
 恵梨香が言ってきました。
「世界一広い国です」
「もう広さならロシアです」
 カルロスもこう言います。
「ブラジルよりずっと広いんですよ」
「流石に広さじゃロシアには勝てないんですね」
 神宝も言うのでした。
「どの国も」
「あの広さはないですね」
 ジョージも言いました。
「本当に」
「一体どれだけ広いのかしら」
 クッキーはナターシャの国について思いました。
「ロシアは」
「オズの国よりは小さいわよ」
 トロットが答えました。
「流石にね」
「そうですか」
「ソ連だった頃でもね」
「ソ連といいますと」
「ロシアの前の国よ、その時でもね」
「オズの国よりは小さいですか」
「ええ、けれどね」 
 それでもというのです。
「外の世界では一番広い国なの」
「そうですか」
「ただ。寒い場所が殆どだね」
 キャプテンはこのことを言いました。
「あの国は」
「ですから困ることが多いんです」
 ナターシャは少し苦笑いで応えました。
「その寒さに」
「そうだね」
「だから皆いつも厚着で」
 服はそうでというのです。
「お家の窓は三重で扉もです」
「そうなんだ」
「それでお家の壁も厚くて」 
 それでというのです。
「皆暖房が大好きでウォッカも」
「飲むね」
「はい」
 こうキャプテンにお話しました。
「食べものも温かいものです」
「ううん、寒いというのは」
 前ノーム王はそう聞いて実感が湧かない感じでした。
「どんなものかな」
「オズの国は何処も暖かいですからね」
「程よくね」
「強いて言うなら冷凍庫の中ですね」
「ああ、ああした感じだね」
「あれ位かもっと冷えた状況が」
 それがというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧