恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百九話 張三姉妹、呼ばれるのことその九
「所謂サドね」
「確かそれは」
「そう、好きな相手を責めて喜ぶ人を言うのよ」
それがサドだとだ。キングは関羽に話す。
「逆に責められて喜ぶのは」
「何というのだ?」
「マゾというのよ」
キングは真顔で張飛にも答える。
「馬超達はマゾね」
「それは何となくわかるな」
関羽はキングの説明に納得した顔で頷いて述べた。
「翠に朱里もな」
「確かに。あの二人はそっちなのだ」
「孫権殿もな」
「孫権ちゃんはしっかりした娘だけれど」
キングは腕を組み微笑んで話す。
「それでも結構ね」
「うむ、真面目が昂じてな」
「何処かそうしたところがあるのだ」
「可愛い娘ね」
キングは微笑んでだ。孫権についてこう言った。
「性格が」
「可愛いのか」
「そうなのだ」
「ええ、そうよ」
まさにそうだというのである。
「ああした娘は私も嫌いではないわ」
「そういえばキング殿はその話だとだ」
「サドになるのだ」
「私はそちらなのね」
「優しいがそれでもな」
「シャルロットや舞もそうなのだ」
この二人もそうだというのだ。
「それにマリー殿もな」
「そちらになるのだ」
「今気付いたが貴殿等の声は似ているな」
「あとナコルルもなのだ」
彼女達の声からだ。そう言われていく。
「ううむ、声には何かあるのか」
「サドやマゾにもなのだ」
「私は最初男で通していたしね」
キングは笑ってこんなことも言った。
「結構女の子にももてたし」
「そうなのか。おなごにか」
「もてたのだ」
「男と思われていた時も」
そしてだった。さらに。
「今もね」
「今もか」
「女の子にもてもてなのだ」
「そうなのよ。シャルロットもそうみたいだけれど」
そしてだ。キングはこの話を出した。
「宝塚みたいと言われるわ」
「宝塚?ああ、貴殿等の世界のか」
「女だけでやるお芝居なのだ」
「ええ、それにね」
見られ言われるというのだ。
「背も高いこともあって」
「そうなのだ。おまけに胸も大きいのだ」
キングはスタイルもいい。
「羨ましいのだ」
「胸の話もするのね」
「鈴々は大きなおっぱいが欲しいのだ」
彼女にとっては実に切実な願いである。
「だからなのだ。羨ましいのだ」
「胸、ね。そういえば」
ここでキングは彼女達の名前を出していく。
「馬超も趙雲も立派な胸ね」
「何をどうしたらああした胸になるのだ」
「黄忠さんに厳顔さんも」
「あれはもう反則なのだ」
憮然としながら言っていく張飛だった。
「あんな胸が欲しくて仕方ないのだ」
「劉備さんなんかも」
彼女の名前も出した。
「かなり立派よね」
こう言ってだ。さらにだ。
関羽も見る。当然胸をだ。そのうえでの言葉だった。
「関羽の胸はかなり」
「肩が凝って仕方がないのだ」
そうだとだ。関羽は困った顔で答える。
「義姉上達もそうだというが」
「胸が大きいと肩が凝るのだ?」
「そうだ、凝る」
こう言うのである。
「私の悩みの一つだ」
「どんな悩みなのだ」
そう言ってもだ。張飛は。
憮然とした顔になる。それで言うのだった。
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