恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百九話 張三姉妹、呼ばれるのことその八
「この医者坂という果てしない坂をな」
「ここで未完になるのよ」
「そこ重要だから」
「ああ、永遠の未完だ」
華陀も乗る。実に乗りがいい。
「だからこそ俺は登るんだ」
「じゃああたし達もね」
「一緒に登るわ」
「ダーリンと同じ坂を」
「何処までも」
「悪いな」
ここでも器の大きい華陀だった。
「なら俺達もだ」
「ええ、歌いましょう」
「芸術をね」
こうしてだ。彼等も参加すると言うのである。しかしだ。
今は誰もこのことを知らない。それでだった。
関羽はだ。困った顔で張飛に話していた。
「ううむ、困った」
「何が困ったのだ?」
「義姉上に言われたのだが」
「お姉ちゃんも歌うのだ?」
「そうだ、そう言われた」
劉備にだ。言われてはだった。
「出るがだ」
「それでもなのだ?」
「私が歌っていいのだろうか」
こう言ってだ。関羽は難しい顔をしているのだ。
そしてだ。彼女はこんなことも言った。
「しかしだ」
「しかしなのだ?」
「私なぞよりもだ」
こう言ってだ。出す名前は。
「やはり袁術殿や郭嘉殿の方が」
「それと張勲なのだ」
「あの方々の方が凄い」
やはり歌といえば彼女達だった。
「しかし私なぞはだ」
「お姉ちゃんも歌は上手いのだ」
「そうか?私は」
「大丈夫なのだ。お姉ちゃんはいけるのだ」
「そうだといいのだが」
「自信を持つのだ。お姉ちゃんは歌もいけるのだ」
張飛はこう言って次姉に太鼓判を押す。
「何の心配もいらないのだ」
「そうだといいのだが」
「ついでに言うと鈴々も歌うのだ」
「そうだ、御主と義姉上と私でだ」
「三人で歌うのだ」
この組み合わせがもう決まっているのだ。
「だから頑張るのだ」
「そうだな。ではそうしよう」
「後は朱里と雛里も二人で歌うのだ」
彼女達はそうなっているのだ。
「ただ朱里は他にもなのだ」
「確か翠ともだったな」
「あと孫権と三人なのだ」
「妙に弱い顔触れだな」
その三人の顔触れについて関羽はこうも言った。
「何かな」
「弱いのだ?」
「受けというのか?」
関羽はまた言う。
「そうした感じだが」
「ううん、よくわからない話なのだ」
「ついでに言えば私もだ」
関羽もだというのだ。
「御主、姉上と共にだ」
「他の組み合わせもあるのだ?」
「そうだ、星に曹操殿に」
そしてだ。もう一人は。
「恋とだ」
「何か妙に攻撃的な顔触れに思えるのだ」
「そうだな。しかし私はだ」
関羽自身はどうかというとだ。
「その中に入っていいのだろうか」
「少なくともね」
キングがひょっこり出て来てその関羽に話す。
「関羽はその中ではましね」
「ましなのか」
「ええ、ましよ」
こう言うのである。
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