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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百九話 張三姉妹、呼ばれるのことその七

「御見事です」
「俺の他にも歌える奴いるしな」
「そう。じゃあ貴方達にも期待させてもらうわね」
「是非共な。そうしてくれよ」
「大会があらためて楽しみになってきたわ」
 曹操は期待している笑みで述べる。しかしだ。
 その中でだ。ふとこうも思って言うのだった。
「けれど。気になるのは」
「気になるのは。何だよ」
「リョウよ。彼何か音楽は苦手だっていうけれど」
 曹操は既にそのことを聞いていた。
「どうなのかしら」
「ああ、あいつ音楽はわからないってな」
「やっぱりそうなのね」
「とりあえずあいつは今回はなしな」
 最初から数に入れるなというのだ。
「あとアンディもな。静寂がいいっていうしな」
「彼らしいわね」
「ただダックは別な」
「確かに。ダック殿は我等もわかる」
「あの御仁の舞は見事だ」
 曹仁も曹洪も彼のラップダンスは何度か見て知っている。彼は時間があるといつもその見事なダンスを披露しているからである。
「それもあるか」
「尚更いいな」
「俺達の世界の人間も多彩だからな」
 それでいいというのだ。
「俺も楽しみにしているからな」
「ええ、お互いに楽しみましょう」
 こうしてだった。曹操達も大会のことを期待していた。その中においてだ。
 怪物達はまだ都にいた。そして姿を現わすだけでだ。
 その都度大爆発を引き起こしていた。都ではいらぬ騒乱も起こっていた。
 その騒乱の中でだ。彼女達は話す。
「何か面白いことになってきたわね」
「そうね」
 こう話しているのだ。
「張三姉妹だけじゃなくて皆が歌うって」
「最高の催しよ」
「それじゃあ是非ね」
「あたし達もね」
 話があってはならない方向に向かう。
「参加させてもらいましょう」
「是非ね」
「そうだな。誰もが参加できる大会みたいだしな」
 そしてだ。華陀の器は無意味なまでに大きい。
「二人も参加するんだな」
「ええ、そうしたいと思ってるわ」
「実際にね」
「ああ、じゃあ参加するべきだ」
 華陀は彼女達のテロ、それも無差別のそれを容認した。
「俺はどうもその暇はないみたいだがな」
「ダーリンは都の人達の怪我や病を癒すのに忙しいからね」
「そちらに専念してなのね」
「ああ、俺はそちらだ」
 医師としてだ。治療に専念するというのだ。
「だから観にも行けないが」
「頑張ってね。それじゃあ」
「ダーリンの本分をまっとうしてね」
「是非ね」
「そうする。それにしても」
 ここでだ。華陀は言った。
「あちらの世界の医学は凄いな」
「特に未来のね」
「それがなのね」
「ああ、リーさんにも教えてもらったが」
 リー=パイロンである。
「かなりのものだな」
「ダーリンの針とどちらが凄いかしらね」
「果たして」
「俺のものよりも凄いな」
 華陀はこのことを素直に認めた。
「あれはな。俺もまだまだだ」
「そこでそう言うのが凄いのよ」
「ダーリンはね」
 二人はそんな華陀を褒めて言う。
「己を知りさらに学ぶ」
「だからこそ医者王なのね」
「俺はまだ登りはじめたばかりだ」
 ここで熱血にもなる。
 
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