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イベリス

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第二十三話 愛と二人でその八

「ベランダでなの」
「それうちもよ、ただモコちゃんにはね」
「人間以上によくないわよね」
「ええ」
 愛もその通りだと答えた。
「やっぱりね」
「犬はデリケートだしね」
「お酒も少しで危ないのよ」
「それじゃあ煙草もね」
「煙草は煙もよくないから」
 有害だというのだ。
「だからね」
「犬には天敵ね」
「その一つだから」
 それでというのだ。
「注意していて正解よ」
「それじゃあこれからも」
「注意してね、それとね」
「それと?」
「室内で犬とか猫を飼っていてね」
 それでというのだ。
「煙草吸う人いたら」
「よくないわよね」
「煙が一番よくないから」
 それが一番毒だというのだ。
「煙草はね」
「だからよね」
「そう、よくないから」
「犬や猫を飼っていたら」
「煙草は絶対によくないわ」 
 室内飼いではというのだ。
「どうしてもね」
「そうね、じゃあ私これからも」
「煙草は吸わないわね」
「元々吸わないし」
 それにというのだ。
「興味もないし身体に悪いのもわかってるし」
「それじゃあね」
「ええ」
 愛に対して頷いて応えた。
「これからもね」
「吸わないってことで」
「そうしていくわ」
「結局それが一番なのよね」
「煙草については」
「昔は吸うことが恰好いいってイメージだったらしいのよ」
 咲にこのことも話した。
「映画俳優の人が吸ったりCMが流れていて」
「それでなの」
「恰好いいってィメージがあってね」
「吸う人多かったの」
「葉巻だってね」
 こちらもというのだ。
「そうなのよ」
「葉巻もなの」
「パイプだってね」
「吸ってる姿が恰好いいってイメージがあって」
「それでね」
「吸う人多かったの」
「それで癖になって」
 吸うことがというのだ。
「ヘビースモーカーの人も出たのよ」
「本当に好きになって」
「昔はね、今もヘビースモーカーの人いるけれど」
「昔はもっと多かったの」
「漫画家さんや小説家さんなんてね」
 こうした職業の人達はというのだ。
「ヘビースモーカーの人多かったのよ」
「吸いながら書いて描いていたの」
「そうだったのよ」
「煙草の火で原稿燃えない?」
「そんな話漫画であるわね」
 実際にというのだ。
「あと軍人さんもね」
「あっ、軍人さんは多いわね。そういえば」
 ここで咲はふと思い出して愛に話した。 
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