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イベリス

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第二十三話 愛と二人でその九

「あるアニメでドイツ軍イメージした軍隊出ていて」
「ドイツ軍ね」
「一次大戦と二次大戦合わせた様な」
 そうしたというのだ。
「ドイツ軍のイメージで」
「それで煙草出てたの」
「将軍の人達の作戦会議でね」
 その場面でというのだ。
「皆ワイン飲んで煙草をね」
「吸ってたのね」
「ワイン出てたのに驚いたわ」
 愛はこのことは真顔で言った。
「お酒飲みながら作戦会議って」
「あっちじゃ普通よ」
「お酒飲みながら作戦会議も?」
「ドイツって朝食欲ない時ビールに生卵入れて飲むから」
「それが朝ご飯で」
「イタリアでもフランスでもイギリスでもね」
 即ち欧州各国でというのだ。
「朝からお酒飲むからね」
「作戦会議でワイン飲んでいてもなの」
「普通よ、それでそこでもね」
「煙草吸ってたのね」
「皆ね、そうしてね」
 ワインを飲み今の話の主役である煙草を吸いながらというのだ。
「作戦会議していたのよ」
「そうなのね、まあ兎に角軍人さんはね」
「特になの」
「煙草を吸う人が多かったの」
「そうなのね」
「今も自衛官の人で吸う人結構おられるわよ」
 この職業の人達もというのだ。
「兵隊さんはね」
「煙草と縁が深いのね」
「そうなの、ただね」
「ただ?」
「ドイツで思い出したけれどヒトラーは吸わなかったのよ」
 ナチス=ドイツの総統であったこの人物はというのだ。
「煙草は大嫌いだったのよ」
「そういえば何処かの本でヒトラーは禁欲的って書いてあったわ」
 咲もこのことを思い出した、多くの創作ものでもヒトラーはよく出てくる。よくも悪くもよく知られた人物である。
「かなりね」
「そう、それで煙草を吸わなくて」
 そしてというのだ。
「お酒も飲まないで菜食主義だったのよ」
「何かお肉をガツガツってイメージあるけれど」
「それがね」 
 ヒトラーという人物はというのだ。
「菜食主義で甘いものが好きだったのよ」
「お菓子とか?」
「紅茶が好きでね」
「お酒は飲まないで」
「作戦会議でもね」
 この場所でもというのだ。
「自分はお酒も煙草もだから」
「凄く目立ちそうね」 
 咲は自分が見たアニメのその作戦会議の場面を思い出しつつ述べた、その場面ではワインと煙草が極めて印象的だったからだ。
「それって」
「だから今も言われてるのよ」
「煙草もお酒も口にしないで」
「菜食主義者だったってね、女性にも清潔だったのよ」
 咲にこのことも話した。
「これがね」
「権力使ってやりたい放題とかは」
「なかったのよ」
 それがヒトラーの一面だった、また蓄財はしていてもそれは全て政治的活動の為に使っていた様である。
「少なくとも私利私欲の為にはね」
「権力を使わなかったの」
「確かに独裁者で色々なことしたけれど」 
 それでもというのだ。 
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