東方絆日録 ~ Bonds of Permanent.
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招かれし者(松上敏久)
れっつ!雪合戦♪
笑いに笑ったのち、敏久は3人に聞いた。
敏久「さて、何して遊ぼうか?」
だらず(チルノ)「もちろん弾幕ごっこに決まってるでしょ!」
「だらず」とはチルノの新たな愛称である(詳しくは前の回を参照のこと)。
彼女はやる気満々のようで今にも弾幕を放たんとしていた。
敏久「ちょい待ち、俺は弾幕が撃てないんだよ!」
ルーミア「そーなのかー」
大妖精「まあ当然ですよね…」
だらず「なんだ、つまんないのー」
だらずが面白くなさそうな顔をしている。
敏久「だが、こういう遊びは得意だぜ!」
敏久は雪を固めて雪玉を作り、だらずに投げた。
雪玉は油断していただらずにクリーンヒット。「ぷぎゅっ!」とかわいい声をあげて倒れ込むもすぐに起き上がった。
だらず「うう…。こんなの卑怯よ!最強のあたいじゃなかったらピチューンしてたわ!」
敏久「戦場に来た時点ですでに戦争は始まってんだよ…まあ、サイキョー(笑)のお前に言っても分からんかw」
だらず「きぃーっ!今に“参りました”って言わせてやるんだからあ‼︎」
敏久「ようし、その意気その意気!…そんじゃあ雪合戦、スタートだ!」
こうして、大妖精とルーミアも巻き込んでの雪合戦が幕を開けた。
ー
ーー
ーーー
雪合戦が始まって2時間ほどが経った。
初めは個人戦で「戦場」の範囲も霧の湖から半径1km以内と広大なものだったが敵を探すのに(特に敏久が)苦労したため、途中で敏久&ルーミアとだらず&大妖精の2チームに分かれた。
さらに雪合戦の公式ルール(縦10m×横20mの長方形を描いてその両端に本陣を置き、雪の盾や壁を挟んで攻防をする)に則って行なうように変更した。そして今に至る。
なかなか激しい攻防戦となり、両チームとも疲れが見え始めていた。
~~~~
こちらは敏久&ルーミアチーム。
敏久「あいつらもしぶといなあ。いつ白旗をあげることやら…」
ルーミア「あと少しだから頑張ろう!」
~~~~
一方のだらず&大妖精チーム。
だらず「埼京線のあたいがあんな人間ごときに負けるわけないじゃない!ねえ、大ちゃん?」
大妖精「そうだといいね。(チルノちゃん、すっかり舞い上がってるよ…)」
~~~~
この雪合戦は「どちらかのチームの大将が雪玉に3回当たったら負け」というルールである。敏久とだらずがそれぞれのチームの大将だ。ちなみに両者ともまだ被弾していない。
敏久が向こうの様子を見ようと本陣側の盾から顔を覗かせたとき、大妖精が投げた雪玉が敏久の顔に当たった。
敏久「うおー、冷てえ!」
ルーミア「大丈夫⁉︎」
敏久「ああ、おかげで目が覚めたぜ…」
~~~~
一方、こちらはだらずチーム。
だらず「大ちゃんやるじゃない。流石はあたいの僧侶ね!この調子で敵を潰すわよ‼︎」
大妖精「うん。チルノちゃんは多分“伴侶”と言いたいんだろうけど、伴侶も僧侶も“部下”という意味じゃないよ…」
~~~~
一発被弾した敏久とルーミアは次々と雪玉を相手陣地に投げるが、だらずと大妖精が盾の陰に隠れたまま出てこないため一向に命中しない。
その間にも時たまだらずチームからの攻撃が敏久やルーミアを襲う。掠りはするものの何とか避ける。ちなみに掠ることはグレイズといい、グレイズは特例で認められていた。
敏久「おいチルノ、ずっと隠れているのは卑怯だぞー?」
敏久が何とかだらずを誘いだそうと試みるも出てくる気配はない。
そのとき、だらずが盾から上半身だけ身を乗り出した。
だらず「ずっと隠れてなんかいないわよ!」
言うが早いか雪玉を2つ、全力で投げてきた。敏久は1つは避けたがもう1つは避けられず被弾。敏久が避けた雪玉は敏久の後ろにいたルーミアに当たった。
2人が被弾する直前にルーミアが投げた雪玉もだらずに当たったが、結果として敏久チームが劣勢に立つことになった。
敏久「マジかよ!雪合戦得意なのに…」
ルーミア「うーん…。そうだ!こうしたらどうかな?」
ルーミアが敏久にゴニョゴニョと何か囁く。
敏久「面白いな…。よし、それでいこう!」
~~~~
敏久たちが被弾して3分経過した。あれ以来、敏久チームからの攻撃はぴたりと止んだ。
だらず「敏久もルーミアも、あたいたちに恐れをなして攻撃してこなくなったわ。何たってあたいは“サイキョーやき”ね!」
大妖精「罠かもしれないよ?(チルノちゃんさっきから間違いまくり…)」
だらず「違うわ、今のは“最強だから”を豊前(ぶぜん=現在の福岡県東部)の訛りで言った“最強やき”と西京焼き(魚の白味噌焼き)をかけたのよ!」
大妖精(心の声を読まれた…!もしやチルノちゃん、スタンド持ち⁉︎)
ーーーそのとき、敏久の声が聞こえた。
敏久「チルノの|⑨(マルキュー)!クルクルパー!」
ルーミア「バーカバーカ!」
だらずは我を忘れて立ち上がり抗議する。敏久たちはその瞬間を見逃さなかった。
だらず「だからあたいびゃっ!」
当然だらずに避ける術はなくあえなく命中。
すかさずルーミアがとどめを刺した。
ルーミア「チェックメイトなのだー!」
だらず「しまったーーー」
\ピチューン♪/
ーーーこうして3時間も続いた雪合戦は激戦の末、敏久チームの逆転勝利に終わったのだった。
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