| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百十五話 渡河その七

「脚気の心配はないけれどな」
「脚気な、あれはな」
「東の浮島じゃ気をつけないとな」
 英雄達がいるあちらではというのだ、東の浮島では主食は米でありとりわけ白米が人気があるのだ。
「なるけれどな」
「白米やとな」
 美奈代もこのことを言った。
「どうしてもな」
「ああ、だからあっちじゃな」
「英雄の兄さん達も気をつけてるな」
「脚気も怖いからな」
「動けん様になって最悪死ぬからな」
「だからな」
 それ故になのだ。
「あっちはそれを気をつけていて」
「こっちは壊血病や」
「これも怖いからな」 
 この病気もというのだ。
「だからな」
「そうしたもんも食べさせるな」
「将兵にな」
「ザワークラフトそれに柑橘類な」
「そうしてやってるさ、野菜と果物をだよ」
 兎角というのだ。
「食わないとな」
「あかんわ」
「ああ、それじゃあな」
「これからもな」
「攻めていくぜ」
 補給や食事のことも考えつつだ、こう言ってだった。
 久志はブリュッセルからパリに向けて進軍を開始させた、すると王国軍はまさに搔き集めた戦力をだった。
 パリの北東に布陣させて帝国軍を待ち受けた、その数は。
「十万か」
「もう傭兵でも引退した騎士でも誰でも集めてきたわ」
 清音が答えた。
「そして国王も近衛軍を率いて」
「出て来たか」
「ええ、もう完全にね」
「最後の決戦だな」
「それを挑みに来たわ」
「そうきたか」
 久志はここまで聞いて述べた。
「敵さんも必死だな」
「ええ、それで私達は」
「ああ、その敵軍とな」
「これから戦うわね」
「十万に対して四十万」 
 久志は自軍の規模の話もした。
「その数を使ってな」
「戦うわね」
「そうするな、近衛軍も」
 その彼等もというのだ、王が率いる。
「倒すぜ」
「王国の精鋭も」
 王を守る軍である、精鋭揃いであることは当然だ。
「そうするわね」
「ああ、必ずな」
「それではね、あと連合王国の中で動きがあったわ」
 清音はもう一つの敵国の話もした。
「あの国は四つの国からなっているでしょ」
「その四つの国の王様を一人が兼ねてるな」
「ええ、だから連合王国よ」
「基本四国だな」
「その四国の中で」
「それぞれの国でか」
「もう帝国に勝てないと思って」
 そう判断してというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧