X Dimensions SoldierS Re: Xros Rays
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第21話 『運命の戦乙女(デスティーノ・ヴァルキーリア)』と『女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)』と『紋章』
前書き
毎度言ってるかもしれませんが……小説と言うよりは、ストーリーを考えるのって本当に難しい( ̄◇ ̄;)
アニメやゲーム、小説に対してアンチしている人は自分でストーリーを考えて見た方が良い……その大変さがよ〜くわかって、アンチなんてする気になれなくなるので(−_−;)
愚痴はここまでにして、最新話をやっと投稿できました(^◇^;)
それでは最新話の閲覧よろしくお願いします^_^
大空の炎と謎の白銀色の炎、そして手の甲の模様の力により謎の空間へ転移したツナ・炎真・響・勇真の前に現れた運命の戦乙女(デスティーノ・ヴァルキーリア)の美女ーーイーラと沙耶。
そして、その内の1人ーー沙耶がツナの幼馴染で義姉であると言う衝撃の事実に炎真と響は驚くも、何とか落ち着きを取り戻す。
炎真「ツナ君にこんな綺麗な義姉さんがいるなんて思わなかったから、びっくりしちゃったよ」
ツナ「あはは……別に隠してた訳じゃなかったんだけど……」
響「あれ? ツナ君と沙耶さんの苗字って違うのに、何で義姉弟って言う関係なの? それに、さっき幼馴染って言ってたけど……」
沙耶「私の母とツナのお母さんーー奈々さんが親友の間柄でね、義姉弟になる前も一緒に遊ぶことが多かったの……だけど私が9歳の時に両親が他界して、母の親友である奈々さんが天涯孤独になった私を養子として引き取ってくれたことがきっかけで、私とツナは義姉弟になったのよ」
沙耶はツナと義姉弟になった経緯を、懐かしさと悲しさが入り混じった表情を浮かべながら語る。
炎真「そんなことが……」
響「ご、ごめんなさい! 私、無神経なこと聞いて……!」
沙耶「大丈夫よ、気にしないで。それで、私は5年間ツナと奈々さんと一緒に家族として一緒に暮らしてたの」
炎真「え? 5年間? じゃあ、どうして今はツナ君と離れて生活を?」
ツナ「沙耶姉は4年前並盛中を卒業した後、イタリアのハイスクールに留学したんだよ。イタリアでやりたいことができたからって。そのやりたいことが何なのかは教えてくれなかったけど……」
響「ほえ〜、外国の学校に留学するなんて凄いね!♪」
炎真「って言うか、沙耶さんって並盛中の卒業生だったんだね」
ツナ「うん。でも……イタリアに留学中の沙耶姉がどうして此処に? それにさっき運命の戦乙女(デスティーノ・ヴァルキーリア)って言う武装組織のメンバーだって言ってたし……」
沙耶「それは……」
イーラ「それについては私から説明させて貰うわ。順を追って話すと、経緯としては沙耶がまだ並盛町に滞在してた頃に私達の組織がスカウトし、彼女自身も私達の一員になることを承諾してくれたからなの」
イーラが代わりに沙耶が運命の戦乙女(デスティーノ・ヴァルキーリア)になった経緯について説明する。
ツナ「スカウト? どうして一般人だった沙耶姉を?」
イーラ「それは……その前に響さんと、綱吉君にそっくりな……響「勇真君です!」勇真君は少し外してくれるかしら? ここから先難しい話をするから、聞いてても混乱するだけだと思うから」
響「へ? あ、はい、わかりました。それじゃあ勇真君、少しの間お姉ちゃんと向かうに行こう?」
勇真「うん、わかった」
響と勇真はツナや炎真達から少し離れた場所へと移動した。
イーラ「話を戻すわね。沙耶をスカウトした理由だけど……彼女があるリングの『選ばれし乙女』の1人だからよ」
炎真「選ばれし乙女って、デジタルワールドを救う女の人達のことですよね? それにリングって……」
イーラ「確かにデジタルワールドの救世主とも言える存在と言うのは間違いではないわ……でも、選ばれし乙女はそれだけの存在じゃないの。『女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)』と言うリングに選ばれ、全ての次元世界を守る戦乙女達のことよ」
ツナ・炎真『で、女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)!?』
ツナと炎真はイーラの口から出た『女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)』と言う単語に驚きの表情を浮かべる。
ツナ「ちょ、ちょっと待ってください! 女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)って何なんですか!? まるで……!」
イーラ「ボンゴレリング、マーレリング、アルコバレーノのおしゃぶり……貴方達の知る7³(トゥリニセッテ)のリングみたいだって、言いたいのかしら?」
ツナ「なっ!?」
炎真「7³(トゥリニセッテ)を知ってるんですか!?」
イーラ「ええ。沙耶や貴方達の住む地球がその7³(トゥリニセッテ)の力によって生まれたことも、綱吉君の持つそのリングが7³(トゥリニセッテ)の内の1つである大空のボンゴレリングが、ボンゴレギアとして生まれ変わったものであると言うこともね」
ツナ「そ、そこまで……!」
炎真「も、もしかして、僕やツナ君の素性も……?」
沙耶「勿論知っているわ。ツナがボンゴレファミリーの次期ボス候補で、炎真君はシモンファミリーのボスだってこともね」
ツナ「沙耶姉……俺……」
沙耶「ツナ、それ以上言わなくて良いわ。でもね、これだけは忘れないで。貴方がどんな道に進もうと……貴方が何者になろうとも、私はずっとツナの味方だってことをね」
ツナ「うん……ありがとう、沙耶姉」
自身がマフィアのボス候補であることを知っていても、昔と変わらず接してくれる沙耶の優しさにツナは感謝するのだった。
ツナ「ところで俺達の知ってる7³(トゥリニセッテ)と、女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)ってどう違うんですか?」
イーラ「ボンゴレリング・マーレリング・アルコバレーノのおしゃぶりを総称した7³(トゥリニセッテ)ーー『地球の7³(オルベ・トゥリニセッテ)』が貴方達の地球を創造した礎であるのに対しに対し……女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)は死ぬ気の炎の女神ーー『デーア・フィアンマ』が自らの手で生み出した3種類のリングーー『ヴェルジネリング』・『コズモリング』・『デスティーノリング』を総称したもので、全ての次元世界を創造した礎であると言われていて、各次元間のバランスを補正して次元世界が死滅または崩壊しないように保つ役割を担っているの」
炎真「し、死ぬ気の炎の女神!?」
ツナ「め、女神なんて、本当にいるんですか!?」
イーラ「ええ、いるわよ♪」
沙耶「私達、実際会ってるしね♪」
ツナ・炎真『えええええっ!?』
死ぬ気の炎の女神ーー『デーア・フィアンマ』が本当に存在するのかと言うツナと炎真の疑問に、イーラと沙耶は実際会ったことがあるとあっさり肯定する。
沙耶「話を戻すわね。女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)のリングの精製度は、地球の7³(オルベ・トゥリニセッテ)のリングと同様全てAランク以上なんだけど……女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)のリングを装着するには『条件』があるの」
ツナ「条件?」
炎真「それは何なんですか?」
イーラ「それはね……装着する人間が『女性』であると言うことよ」
ツナ・炎真『………はい?』
女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)のリングを装着できる条件を聞き、ツナと炎真は思わず間の抜けた声をあげてしまった。
ツナ「え、ええと、それって……女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)のリングは女の人にしか装着できないってことですか……?」
イーラ「その通りよ。女性でリングと波動の属性さえ一致していれば誰にでも身に付けられるわ……ただし」
沙耶「女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)は地球の7³(オルベ・トゥリニセッテ)以上に所持者を選んでいて、各種類のリングの『条件』を満たせる『真の守護者』でないとリングに秘められた真の力は引き出せないの。例えば他のリングでAランクの出力の炎を灯せる人であっても、女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)のリングの条件を満たせないとB〜Cランク程度の炎しか灯せないの」
炎真「な、なるほど……と言うことは、沙耶さんは女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)の真の守護者なんですか?」
沙耶「ええ、そうよ。因みにイーラも女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)の守護者なの」
イーラ「私と沙耶は死ぬ気の炎の女神ーーデーア・フィアンマの『運命』の象徴であるデスティーノリングに選ばれたの」
イーラと沙耶は自身の右手の中指にある六角形の石と十字架のような刻印が特徴的なリングーー『デスティーノリング』をツナと炎真に見せる。
ツナ「これが女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)の内の1つ、デスティーノリング……確かにこのリングからボンゴレリングに似た力を感じる……」
イーラ「流石は地球の7³(オルベ・トゥリニセッテ)の一角である大空のボンゴレリングに選ばれし者ね。一目見ただけでこのリングの力を感じられるなんて♪」
ツナ「あはは……2人のリングの石の色から見て、イーラさんと沙耶姉の死ぬ気の炎の属性はそれぞれ嵐と雨ってことかな?」
沙耶「ええ、その通りよ♪」
ツナ2人が身につけているデスティーノリングの石の色……赤と青の石からそれぞれイーラが嵐、沙耶が雨であることを言い当てた。
炎真「イーラさんと沙耶さん以外に女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)のリング所持者はいるんですか?」
イーラ「今のところ私達2人と、別行動中の仲間を含めて『3人』しかいないわ」
ツナ「た、たったの3人なんですか……?」
イーラ「ええ。だからこそ、私達は……」
沙耶「まだ所持者が決まっていない大空・晴・雲・雷のデスティーノリング、そしてヴェルジネリングとコズモリングの守護者……適合する人を探してるの」
イーラと沙耶はそう言いながら小型のケースを取り出し、その中身であるリングを見せる。
そこにはイーラと沙耶のと同じデスティーノリングが4個……そして、赤子を抱き締める聖母の絵が刻まれた石と石と同じ色をした天使の羽のような装飾が特徴的なリングーー『ヴェルジネリング』が『8個』と、星形の装飾と宇宙空間を思わせる色をした石が特徴的なリングーー『コズモリング』が『8個』……計20個のリングが納められていた。
まずデスティーノリングに関しては大空・晴・雲・雷の4つがあり、晴・雲・雷の3つのデスティーノリングに関しては石の色がそれぞれ黄・紫・緑であること以外イーラの嵐のデスティーノリングと沙耶の雨のデスティーノリングと同じ形をしており、大空のデスティーノリングに関しては他の属性のデスティーノリングと同じ六角形の石が埋め込まれているが、中央の橙色の石の周りを赤・青・黄・紫・緑・藍の石で囲んでいる等細部に違いがあった。
ケース内に霧属性を表す藍色の石のデスティーノリングが無いのを見ると、霧のデスティーノリングは別行動中であるイーラと沙耶の仲間が所持しているのだろう。
そしてヴェルジネリングとコズモリングは大空の7属性ーー大空・嵐・雨・晴・雲・雷・霧を表す橙・赤・青・黄・紫・緑・藍のリングと、正体不明の属性である白銀色のリングがあり、嵐・雨・晴・雲・雷・霧の6属性のリングに関しては石の色が違うこと以外同じ形をしているが、大空属性のリングと白銀色のリングは他の属性のリングと細部に違いがあった。
ヴェルジネリングの場合は天使の羽の装飾が6枚になっていて、大空のヴェルジネリングに至っては羽の色が橙・赤・青・黄・紫・緑・藍の6色になっていた。
コズモリングの場合は2枚の星形の装飾がそれぞれ上下非対称の形で重なっていて、何処か刺々しい印象があった。
ツナ「これが所持者が決まっていない女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)の全てのリング……あれ? この白銀色のリングは何ですか?」
イーラ「これは『夜天の炎』のリングよ」
ツナ「夜天の炎?」
炎真「聞いたことが無い属性の炎ですけど、どんな炎なんですか?」
イーラ「夜天の炎……性質的に大空の炎と似ていて、大空の炎とは光と影のような関係の死ぬ気の炎なの。炎の色は白銀色で、『融合』と『覚醒』の二つの性質を持つわ」
沙耶「夜天の炎は単体では他の属性の炎と比べて火力が弱いけど、他の属性の炎やその他のエネルギーと融合して使うことによって、その力を限界以上まで引き出して強大な力を発揮するの」
イーラ「特に大空の炎と霧の炎とは相性が良くて、霧の炎と融合することで精度の高い幻覚は勿論幻覚を実体化させることが可能よ。そして大空の炎と融合することによって浄化の炎となり、負のエネルギーに囚われた者達を浄化し、その者の心の荒ぶりを抑えて鎮める力を発揮するわ」
イーラと沙耶は白銀色のリングが灯せる死ぬ気の炎ーー『夜天の炎』についてそう説明する。
炎真「そんな属性の炎があったなんて……大地の7属性や夜の炎みたいな亜種かな?」
ツナ「そうかもね……あれ?」
イーラ「? どうしたの?」
ツナ「今気付いたんですけど……夜天属性のリングって、ヴェルジネリング・コズモリング・デスティーノリングに1つずつあるんですか?」
イーラ「ええ、そうよ。今ケースに入っている夜天のヴェルジネリングと夜天のコズモリング、そして別行動中の仲間が所持している夜天のデスティーノリングの3つがあるわ」
ツナ「その3つも女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)のリングなんですよね?」
イーラ「その通りだけど、それがどうかした?」
ツナ「ええと、7³(トゥリニセッテ)って3種類で7個ずつのリングーー全部で21個のリングをまとめて言うものだと思うんですけど……女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)って3種類で8個ずつのリングーー全部で24個のリングがあるから、7³(トゥリニセッテ)って言わないんじゃないかと思って……」
炎真「あ、確かに……」
7³(トゥリニセッテ)は3種類で各7個のリングーー計21個のリングを総称して言う筈なのに、3種類で各8個のリングーー24個のリングがある女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)は7³(トゥリニセッテ)とは言わないのでは無いかと、ツナと炎真は疑問を抱く。
イーラ「そうね、確かに貴方達の疑問は最もだわ。でも、さっき言った通り夜天の炎は大空の炎の影とも言える炎……そして」
沙耶「夜天の炎が単体で弱いのと同じように、夜天属性のリングも他の大空の7属性のリングより力が弱いことから、夜天のリングの所持者は決まって他の属性のリングと兼任で選ばれるの」
イーラ「別行動中の私達の仲間が夜天と霧の2つのデスティーノリングの所持者になっている様にね。それは夜天のヴェルジネリングと夜天のコズモリングも同様よ」
ツナ「ええと、つまり……夜天のリングは他の属性のリングとワンセットになって、守護者も各リング7人ずつになるから女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)も7³(トゥリニセッテ)であることに変わりないってことですか?」
イーラ「正解♪ 夜天属性のリングは大空の7属性のリングをサポートするオプションパーツのようなものだと思ってくれて良いわ」
炎真「ええと、夜天属性のリングが他のリングとワンセットとなると……リングの所持者として探さないといけないのは……あと18人?」
沙耶「その通りよ。私達がここに来たのは、この空間ーー『デジタルダンジョン』に転移した貴方達を始まりの町に戻す為、そして……まだ所持者が決まっていない女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)のリングを貴方達に預ける為よ」
ツナ「えっ!? そんな大事なリングを俺達に!?」
炎真「あ、預けちゃって大丈夫なんですか!?」
イーラ「大丈夫も何も貴方達は女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)の守護者を守り、助ける勇者として選ばれた存在よ? 貴方達に預けて問題ないと思うけど? それに……」
沙耶「私達が持っているよりも、貴方達に預けた方がリングの守護者が見つかるような気がするの。ツナにはヴェルジネリングとデスティーノリングを、炎真君にはコズモリングの守護者をそれぞれ渡しておくわね♪」
イーラと沙耶はツナにヴェルジネリングとデスティーノリング、炎真にコズモリングとそれぞれのリングが入ったケースを渡す。
ツナ「ええと……渡されちゃった以上、責任持って預かるけど……」
炎真「僕達にこれらのリングの守護者を見つけられるのかな……?」
イーラ「大丈夫よ。女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)の意志が真の守護者を導いてくれるから」
ツナ・炎真『え? それって、どう言う……』
イーラの言葉にツナと炎真が疑問符を浮かべていると……
沙耶「あら? 大空のデスティーノリングが光ってるわね」
ツナ・炎真『えっ!?』
沙耶のその言葉にツナと炎真がリングの入っているケースを見ると、大空のデスティーノリングが橙色の光を放っていた。
そして、大空のデスティーノリングは光ったままケースから浮くと……
響「えええっ!?」
ツナ「なっ!? 大空のデスティーノリングが!」
炎真「響さんに向かって行く!?」
勇真と一緒にツナ達から離れた場所にいた響に向かって行き……
響「うわあああっ!?」
ツナ・炎真『響さん!!』
勇真「響お姉ちゃん!!」
大空のデスティーノリングは響に衝突した。
しかし……
響「………あ、あれ? 何ともない……?」
響の身には何も起きていなかった……いや、ある部分だけに変化があった。
勇真「響お姉ちゃん、指に何か着いてるよ?」
響「へ? 指?」
勇真にそう言われ、響が自身の指を見ると……右手の中指に大空のデスティーノリングが装着されていた。
響「ええええっ!? な、何、この指輪!?」
ツナ「ひ、響さんが、大空のデスティーノリングの守護者……?」
沙耶「どうやらその様ね。思わぬ収穫だわ♪」
ツナ「もしかして、ああやってリングが自身の所持者に相応しい人を決めるの?」
沙耶「ええ、その通りよ♪ だけど……」
イーラ「彼女は現段階で大空のデスティーノリングに『選ばれただけ』に過ぎない……真の守護者であるかどうかはこれから試されるわ」
イーラと沙耶は響が大空のデスティーノリングに選ばれただけに過ぎず、まだ真の守護者では無いと説明する。
ツナ「ええと、今の響さんは大空のデスティーノリングの守護者として適正があるから選ばれたってこと?」
沙耶「その通りよ」
炎真「じゃあ、響さんが大空のデスティーノリングの真の守護者になるにはどうすれば良いんですか?」
イーラ「女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)の真の守護者になる為の条件は2つ……1つはリングに死ぬ気の炎を灯せること。そして、2つ目はパートナーデジモンを究極体へ進化させることよ」
ツナ・炎真『究極体?』
沙耶「デジモンの進化の最高位、それが究極体よ。女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)のリングにはパートナーデジモンの完全体以上への進化を促す役割があるの。そして、その進化には純度の高い死ぬ気の炎を灯す必要があるわ」
ツナ「なるほど……ん? と言うことは、沙耶姉達にもパートナーデジモンがいるの?」
沙耶「ええ、そうよ。今は別行動中だから、機会があったら紹介してあげる♪」
イーラ「さてと……そろそろ貴方達を始まりの町に戻すけど、今の内に聞いておきたいことはある? 答えられる範囲でなら答えてあげるわよ」
イーラがツナと炎真に質問を促すと……
ツナ「それなら俺や炎真、響さんの手に付いてる模様について何か知りませんか?」
ツナは自身の手の甲に刻まれている模様を見せながら質問する。
イーラ「それは『紋章』ね」
ツナ・炎真『紋章?』
イーラ「私も詳しくは知らないけど、対象者の心が示す、最もすばらしい個性を元に作られたアイテムらしいわ。綱吉君の左手にある金色の紋章は『奇跡の紋章』、右手にある翡翠色の輪郭がある蒼色の紋章は『未来の紋章』よ」
ツナ「奇跡の紋章と、未来の紋章……」
ツナは左手の『奇跡の紋章』と右手の『未来の紋章』を見ながら、その名を口にする。
炎真「僕と響さんの紋章の名前もわかりますか?」
イーラ「ええ。一緒に見てあげるから、響ちゃんと勇真君をこっちに呼んでくれるかしら?」
ツナ「わかりました」
ツナは離れた場所にいた響と勇真を呼びに行く。
何も聞かされていない響は自身の指に装着された大空のデスティーノリングに大層驚いていたが、ツナが説明したことで落ち着きを取り戻す。
そして、炎真と響はイーラに自分達の右手にある紋章を見せた。
イーラ「炎真君の右手にある朱色の紋章は『可能性の紋章』、響ちゃんの右手にある橙色の輪郭がある黄色の紋章は『絆の紋章』よ」
炎真「可能性の紋章……」
響「絆の紋章……」
炎真と響もまたそれぞれの右手にある『可能性の紋章』と『絆の紋章』を見ながら、その名を口にする。
勇真「ねえねえ、お姉さん」
イーラ「ん? どうしたの?」
勇真「僕の手にあるこれは何て名前なの?」
イーラ「え?」
勇真は自身の右手の甲を見ながら、イーラに質問する。
そこには竜の頭に似た模様に8枚の翼が付いた青色の輪郭をした白銀色の紋章が刻まれていた。
イーラ「これは『自由の紋章』ね」
勇真「これ、自由の紋章って言うの?」
イーラ「ええ、そうよ。それにしても驚いたわ、勇真君にも紋章があったなんて」
響「でも、勇真君が寝てた時には無かったですよ?」
ツナ「たぶんだけど……さっき勇真の体内を浄化した時、俺達の紋章が輝いたでしょ? それに共鳴して現れたんじゃないかな?」
炎真「なるほど、有り得ない話じゃないかも」
イーラ「そうね、紋章は私達には想像できない未知の力を秘めてるから、綱吉君の仮説は合ってると思うわ」
勇真の『自由の紋章』が現れた理由に対してのツナの仮説に、炎真とイーラが肯定する。
ツナ「でも、何で俺達だけに紋章が?」
イーラ「流石に理由まではわからないけど、貴方達には紋章を身に付けるだけの共通の理由があると思うの」
沙耶「そして、その紋章はいつか貴方達の大きな助けになってくれる筈よ」
ツナ「そうだと良いけどね……わかった、大事にするよ」
イーラ「さて、他に質問は無いかしら?」
イーラは他に質問が無いか、ツナ達に促す。
炎真「あ、それなら……デジタルワールドじゃない、僕達が元いた世界に帰る方法は無いですか?」
炎真が元の世界に帰る方法について質問する。
イーラ「まず、綱吉君と炎真君、そして沙耶が住んでいた世界ーー『7³(トゥリニセッテ)の世界』と呼ばれる世界に帰る方法だけど……多くの次元世界の間の時空に歪みが発生していていて、現在7³(トゥリニセッテ)の世界に行く方法が無いのよ‥…」
炎真「そ、そんな! それじゃあ、僕達は元の世界に帰れないってことですか!?」
イーラ「あくまで今はね。時空間の歪みの元となっているものを断てば、帰れるようになる筈よ」
炎真「そ、そうですか……」
ツナ「とりあえず、永遠に帰れない訳じゃないってわかれば一安心です」
沙耶「必ず私達運命の戦乙女(デスティーノ・ヴァルキーリア)が原因を突き止めるから、帰ることを諦めちゃダメよ」
ツナ「ありがとう、沙耶姉。まあ前にもこう言うことを経験してるし、リボーン達も俺達のことを探してくれていると思うから、何とかなるって信じてるよ」
沙耶「ふふふ、そうね。逞しくなったわね、ツナ♪」
ツナ「あ、いや、そんなことは……あはは///」
炎真(そうか、ツナ君は前に10年後の世界に行った経験があるから……いや、それだけじゃない。リボーン達を信じてるから冷静でいられるんだ。やっぱりツナ君は凄いなぁ……僕も頑張らなきゃ)
元の世界に帰る希望を捨てていないツナに、沙耶は義弟の成長に嬉しそうな笑みを浮かべ、炎真は親友を尊敬しつつ自身も頑張ろうと内心鼓舞していた。
響「あ、あの! 私達の世界も、もしかして帰る方法が無いって感じですか……?」
イーラ「響ちゃん達の世界ーー『新暦世界』と呼ばれる世界に帰る方法なら大丈夫よ。ムゲンマウンテンの山頂にあるゲートを使えば帰れる筈よ」
響「本当ですか!?」
炎真「あ、でも、ムゲンマウンテンってことは……」
沙耶「そうね。そこを住処としている暗黒デジモンーーデビモンに占拠されているから、今のままじゃ使用できないわね」
ツナ「どう転んでもデビモン、そしてダスクモンとの戦いは避けられないってことか……」
ツナ達は響やなのは達の住む世界ーー新暦世界に帰るにはデビモンとダスクモンを倒さないといけないことを改めて認識する。
響「元々レオモン達と一緒にデビモンと戦うつもりだったから、私達のやることに変わりは無いよ」
炎真「そうですね。ダスクモンに借りを返さないといけないし」
ツナ「そうだね。ファイル島のデジモン達や響さん達を元の世界に帰す為にも頑張ろう」
ツナ達……特に炎真と響がデビモンとダスクモンとの決戦に気合いを入れるのだった。
イーラ「さてと、質問タイムはそろそろ終わりにして、あなた達をデジタルワールドの始まりの町に戻すわね」
響「はい!♪」
炎真「よろしくお願いします♪」
イーラがツナ達を始まりの町へ戻そうとする中……
ツナ「沙耶姉……」
沙耶「ごめんね、ツナ……私はイーラ達とやらなきゃいけないことがあるから一緒には行けないわ……本当に、ごめんなさい」
ツナ「謝らなくて良いよ……沙耶姉がやりたいことを邪魔する気は無いし、こうやってまた会えただけでも十分嬉しいんだ。それに……また会えるんだよね?」
沙耶「ツナ……ええ、勿論よ。いつか一緒に戦える日が来るわ。だから、その時まで元気でいるのよ?」
ツナ「うん、わかってる……沙耶姉も大変だと思うけど、無理はしないでね」
沙耶「ええ、約束するわ……それじゃあ元気でね、ツナ」
ツナ「うん……またね、沙耶姉」
ツナと沙耶は互いに抱き合いながら、再会の約束を交わした。
その後、ツナ達はイーラが開いたゲートに向かって行く途中……
イーラ「あ、そうだわ。これをあなた達の仲間であるフェルトに渡してくれるかしら?」
ツナ「これは?」
イーラ「あなた達に必要なものを纏めた記憶媒体よ。これから先の戦いの役に立つ筈だから、遠慮せずに使って♪」
ツナ「わかりました。ありがたく頂戴します♪」
ツナはイーラから渡されたUSBメモリの形をした記憶媒体をポケットに入れる。
ツナ「それじゃあ、俺達は行きますね♪」
炎真「色々と教えてくれてありがとうございました♪」
イーラ「気にしないで。あなた達の武運を祈ってるわ♪」
沙耶「いつか一緒に戦える日が来たら、また会いましょう♪」
響「はい! イーラさんも沙耶さんもお元気で!♪」
勇真「バイバ〜イ♪」
別れの挨拶を済ませて、炎真、響、勇真の順にゲートへ入って行き、最後に残ったツナもゲートに入ろうとしたタイミングで……
イーラ「綱吉君///」
沙耶「ツナ///」
ツナ「何ですか……(チュッ♪)え?///」
イーラと沙耶に両頬へのキスをされるのだった。
ツナ「んなーーーー!? い、いきなり何を!?///」
イーラ「ふふふ、驚かせてごめんね♪///」
沙耶「ツナの無事を祈って、御守り代わりにこうしたかったの♪///」
ツナ「だ、だからって……///」
御守り代わりとばかりにキスをして来たイーラと沙耶に、ツナはただ赤面するばかりであった。
ツナ「と、兎に角、ありがたく頂戴しとくよ……それじゃあ、今度こそ行くね///」
沙耶「ええ。行ってらっしゃい、ツナ♪///」
イーラ「また会いましょう♪///」
ツナ「はい。行って来ます///」
ツナはイーラと沙耶に挨拶を済ませ、ゲートに入って行った。
そして、ゲートはツナが入ったと同時にその場から消えるのだった。
残されたイーラと沙耶は……
沙耶「もうイーラってば、貴女までツナにキスするなんて……///」
イーラ「あら、綱吉君を『異性』として見てるのは貴女だけじゃないのは知ってるでしょ? 抜け駆けなんてさせないわよ♪///」
沙耶「はいはい、わかりました……さてと、私達も自分達のやるべきことへ戻りましょうか」
イーラ「ええ、そうね。行きましょう」
恋する乙女の表情から一変して真剣な表情になり、自身の為すべきことへ戻る為にゲートを開いて、この空間ーー『デジタルダンジョン』を後にするのだった。
イーラと沙耶達ーー運命の戦乙女(デスティーノ・ヴァルキーリア)はまだ謎の多い組織だが、彼女達がツナ達と一緒に戦うことになることだけは確かで、それもそう遠くない未来に訪れるだろう。
その時が来るまで、ツナ達も運命の戦乙女(デスティーノ・ヴァルキーリア)も各々の戦いに臨むのだった……
To Be Continue……
後書き
女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)のヴェルジネリングとコズモリングはデビモン&ダスクモン戦が終わった後、ツナ達にファイル島内を探させようと思ったのですが、それに話数をかけるのもどうかと思ったので、イーラや沙耶達から受け取る形にしました(^◇^;)
次回こそはデビモン&ダスクモンとの決戦に入りたいと思います。
次回も応援よろしくお願いします^_^
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