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X Dimensions SoldierS Re: Xros Rays

作者:ラフェル
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  第20話 決戦前の休息……目覚める勇真と謎の戦乙女達

 
前書き
数週間ぶりに最新話を投稿できました(^◇^;)

今回は今まで眠っていた勇真がついに目を覚ますのと、新たにオリキャラ2名が登場します^_^

それでは、最新話よろしくお願いします^_^ 

 
ツナ「ん……うーん……ん?」

ブイモン「あれ?」

炎真「ここは……?」

ギルモン「何処……?」

響「ここは……始まりの町……?」

フレイモン「俺達、いつの間に始まりの町に移動したんだ……?」


ダスクモンとの戦闘から数時間後、駆け付けたマリアや奏、未来達によって始まりの町の救護施設に運ばれたツナ・炎真・響達が目を覚ますと……


マリア「ツナ!」

奏「炎真!」

未来「響! 良かった……」


周りにはマリアや奏、未来を始めとした仲間達がおり、全員安堵したような表情を浮かべていた。


ツナ「皆……」

クリス「ったく、心配させやがって……」

翼「だが、3人とも意識が戻って何よりだ 」

響「すみません、ご心配をおかけして……」

なのは「大丈夫だよ。でも、一体何があったの? 3人とも傷だらけの状態で倒れてたなんて……」

炎真「実は……」


ツナ・炎真・響の3人は先程のデビモンの部下であるダスクモンとの戦闘で、炎真と響はダスクモンに敗れて戦闘不能になり、ツナはブイモンの新たな進化であるクロスオーバードラモンで何とかダスクモン相手に善戦したものの最終的に相討ちになり、3人ともパートナーデジモン共々大きなダメージにより気を失ってしまったことを話す。


フェイト「そんなことが……ツナとブイモンが融合しても倒しきれなかったなんて……」

調「炎真と響さんが倒されるなんて……」

はやて「しかも、キャロルを倒したイグナイトモジュールでも歯が立たないなんてなぁ……」

アンジュ「そのダスクモンって言うデジモン、とんでも無いわね……」


話を聞いたツナ・炎真・響以外の面々は、ダスクモンの強さに戦慄していた。

そんな中……


レオモン「ダスクモン……まさか、奴が君達の前に現れるとはな……それだけデビモンも君達を脅威と見ているのだな」


レオモンが救護施設へとやって来た。


ツナ「? 貴方は?」

レオモン「そうか、君達には自己紹介がまだだったな。私はレオモン、デビモンに対抗するレジスタンスのリーダーだ。よろしく頼む」

ツナ「沢田綱吉です。ツナって呼んでください」

ブイモン「俺はブイモン、ツナのパートナーデジモンだ」

炎真「古里炎真です」

ギルモン「僕はギルモン、炎真のパートナーデジモンだよ。よろしくね♪」


レオモンの自己紹介に対して、ツナ・炎真・ブイモン・ギルモンも自己紹介で返すのだった。


響「ところでレオモン、ダスクモンのことを知ってるの?」

レオモン「ああ……響達に余計な恐怖を与えない方が良いと思い、隠していたのだが……前に私達レジスタンスがデビモンに敗れたと言う話をしたのを覚えているか?」

フレイモン「そりゃあ、覚えてるけど……まさか!」

レオモン「……私達レジスタンスは確かにデビモンに負けた……だが、ほとんどのメンバーがデビモンの懐刀であるダスクモンに倒されている」

『っ!?』


レオモンの言葉にツナ達は驚きの表情を浮かべる。


セレナ「それじゃあ、レオモンやアンドロモンも……」

レオモン「ああ、全く歯が立たなかった。奴の強さは私達とは次元が違い過ぎる……」

ガブモン「レオモンがそこまで言うなんて……」

フレイモン「でも、そう言いたくなるのもわかるぜ。あんな化物を相手にできる奴なんて、そんなにいないと思う」

響「うん……」


響とフレイモンはダスクモンの成熟期の領域を超えた異常な強さをその身を持って思い知らされたので、レオモンの言葉も理解できるのだった。


レオモン「兎に角、今日のところはゆっくり休んでくれ。ソーサリモン達によれば、ツナ・炎真・ブイモン・ギルモン・フレイモンの5人は今晩安静にしていれば完治できるとのことだ。響も明日にはある程度回復するが、戦闘できる程ではないから無理はしないようにな」

響「何で私だけーー!?」

未来「フレイモン達はデジモンだから、回復が早いのも何となく頷けるけど……」

クリス「ツナと炎真がデジモンと同じ回復力だってのはデタラメだよな……」

ツナ「あ、あはは……」

炎真「と、兎に角、治療の手配してくれてありがとうございました」

レオモン「気にしないでくれ。では、私はデビモン討伐の再出撃に向けての準備があるので失礼する」


レオモンはそう言って、救護施設から退出した。


フェルト「何か嫌な話を聞いちゃいましたね……」

アインス「そうだね……」

ギンガ「デビモンやダスクモンのことは後で考えるとして、今は休むことに専念しましょう」

なのは「そうだね。それじゃあ皆でご飯にしようか♪」

ブイモン「きゃっほ〜い!♪」

ギルモン「僕、お腹ペコペコ〜♪」

フレイモン「よっしゃあ! メシ食って疲労回復だ!♪」

パートナーデジモン達『おお〜!♪』

クリス「ったく、厄介な敵が待ち構えてんのに呑気に飯食って大丈夫かよ……」

マリア「まあ良いじゃない、腹が減っては戦はできないって言うんだから♪」

アニュー「ふふふ、そうですね♪ ツナ君達はご飯食べられるかしら?」

ツナ「はい、大丈夫です♪」

炎真「食欲はあるし、お腹も空いてるんで何か食べたいです♪」

はやて「そっか。ほんなら、急いで料理の準備をするから待っててな♪」


それから暫くして、ツナや炎真達は救護施設の食堂へと移動し、アニューとはやて、調、未来の4人が作った料理を食べ始める。

全員が改めて自己紹介したり、交流を深める為に談笑したりしながら食事を進める中……


クリス「(ハグハグッ、ガツガツッ!)」

ツナ(クリスさん、また口の周りが汚れているなあ……拭いてあげよう♪)

ふきふき♪

クリス「うひゃあっ!?///」

ツナ「〜♪」


クリスがお約束とばかりに口の周りを汚していたので、ツナがハンカチで拭いてやっていた……しかも、鼻歌を歌いながら(笑)


クリス「つ、ツナ、お前! そ、それはやめろって言っただろ!?///」

ツナ「あはは、すみません。前にも言いましたけど、居候のランボにいつもこうしてるので、ついやっちゃいました♪」

クリス「お前、絶対悪いって思ってないよな!? こっちは5歳児と同じ扱いされて、地味にショックなんだよ!///」

『ぶふぅっ!www』

マリア・アインス・フェイト・フェルト・アニュー・アンジュ『あはは……』


ツナに5歳児(ランボ)と同じ扱いをされているクリスに殆どの面々が吹き出し、既にその光景を見ているマリア・アインス・フェイト・フェルト・アニュー・アンジュの6人は苦笑していた。


響「ご、5歳児と同じ扱いって……www」

切歌「や、やばいのデス、お腹が……ぷくくwww」

調「き、切ちゃん、笑い過ぎ……www」

未来「ひ、響も笑い過ぎだよ……www」

翼「た、立花に暁、あまり雪音を揶揄ってやるな……ふふふwww」

クリス「〜〜〜〜〜っ!! 笑ってんじゃねえ〜〜〜〜〜っ!!!///」

げ・ん・こ・つ!×2

響・切歌『あいた〜〜っ!! 』


クリスは響と切歌の頭にげんこつを落とした(笑)


切歌「な、何であたし達だけにげんこつデスか!?」

響「って言うか、私一応怪我人なんだけど!?」

クリス「うるせえ、馬鹿コンビ!! お前ら2人の笑い方が1番腹立つんだよ!!///」

響・切歌『り、理不尽だ/デス! 』

マリア「はいはい、クリスを揶揄うのはその辺にして、ちゃんとご飯食べなさい」

『はーい♪』

クリス「ううう……///」

ツナ「何か、クリスさんに悪いことした気がする……」

炎真「ま、まあ、お節介はほどほどにね……」


クリスを中心としたコメディがあったものの食事が終わり、一同は今後の行動について話し始める。


はやて「さてと、今後のことについてやけど、全員揃ったことやし、後は元の世界に帰る方法を探すだけや……せやけど、デビモンに支配されつつあるこのファイル島を放って置く訳にいかんのも確かや」

翼「同感だな。メラモンやもんざえモンのように何の罪も無いデジモン達が黒い歯車で苦しめられているのを見過ごすなど、防人としてできぬ話だ」

マリア「ええ、そうね。私達もレオモン達レジスタンスと一緒にデビモンを倒す為に動くべきだわ」

フェイト「うん、私もマリアの意見に賛成。きっとデビモンを倒すことが私達の世界に帰ることに繋がるんだと思う」

なのは「そうだね。だけど、問題は……」

ギンガ「強敵であるダスクモンをどうするかですね……」

奏「あたしら全員でかかって倒せる相手だと良いんだけどな」

クリス「実際ダスクモンと戦ったお前ら的にはどう思う?」

響「うーん……私がこう言うのもなんだけど、そんな単純な話じゃないと思う」

炎真「そうですね、ダスクモンは瞬間移動のような技を持っていて素早い上、並大抵の攻撃を受けても平然としているし……」

ツナ「高い戦闘力と知性もある上、相手のエネルギーを吸収する妖刀も持ってる……闇雲に数で攻めて勝てる相手じゃないのは確かです」

セレナ「ツナさん達がそこまで言うなんて……」

アニュー「本当にダスクモンは手強いのね……」

切歌「でも、どうするデスか? その厄介なダスクモンを何とかしない限り、デビモンには辿り着けないデスよ?」


一同がダスクモンの対策に頭を悩ませていると……


ツナ「それなら俺とブイモンがダスクモンを抑えるので、皆はその間にデビモンを倒すと言う作戦はどうですか?」


ツナがそう提案して来た。


アンジュ「確かに、ダスクモンと引き分けたツナとブイモンがダスクモンの足止めをしてくれれば、私達はデビモンを倒すことに集中できるけど……」

フェルト「それだとツナ君とブイモンの負担が大きくなるよ?」

ツナ「大丈夫です。それに今のところダスクモンと互角に渡り合えるのはクロスオーバードラモンだけですし……」

ブイモン「ああ! 今度こそダスクモンと決着をつけてやるぜ!」


ツナの言う通り、引き分けとは言えダスクモンと互角に勝負できるのは、ツナとブイモンが融合進化したクロスオーバードラモンだけであるのは確かなので、他の面々は何も言えずにいたが……


炎真「ツナ君、援護する分には一緒に戦っても良いよね?」

ツナ「炎真?」

炎真「ガラじゃないことを言うようだけど、ダスクモンに負けたままでいるのは何か悔しいんだ……だから、ダスクモンにリベンジする為にも一緒に戦わせて欲しいんだ」

ギルモン「ギルモンもダスクモンともう一度戦いたい!」


真剣な表情を浮かべる炎真とギルモンが負けた悔しさから、ダスクモンにリベンジしたいと言って来たのだ。

そんな2人にツナは……


ツナ「炎真、ギルモン……わかった。でも、無理だけはしないようにね」

炎真「ありがとう、ツナ君♪」

ブイモン「一緒にダスクモンを倒そうぜ、ギルモン!♪」

ギルモン「うん! 頑張ろう、ブイモン♪」


2人の想いを無下にする訳にもいかないので、苦笑しながら了承するのだった。


ツナ「そう言う訳で俺とブイモン、そして炎真とギルモンの4人でダスクモンの相手をします。皆さんはデビモンをお願いします」

マリア「わかったわ。デビモンは私達に任せて」

はやて「2人とも無理だけはしないようにな」

ツナ・炎真『はい!』


こうしてダスクモンの相手はツナ・ブイモン・炎真・ギルモンが務めることになり、それ以外のメンバーはデビモンの討伐に当たることになった。


響「私もダスクモンにリベンジしたいけど、今の状態で無理に戦ってもツナ君や炎真君の足手纏いにしかならないよね……」

フレイモン「まあ俺は戦えるけど、ダスクモンが戦えない響を狙わないって言う確証は無いし、ダスクモン相手に響を守りながら戦うのはキツいからな……悔しいけどダスクモンの相手はツナと炎真達に任せて、俺達はデビモンの討伐に専念するとしよう」

響「そうだね、レオモン達の為にも今の自分達にできることを精一杯やらないとね」

未来「うん、その方が良いと思う」

ストラビモン「ああ、そうだな」


炎真とギルモンと同じくダスクモンに敗れた響とフレイモンはリベンジできないことを悔しく思いつつも、デビモンを倒すと言う今の自分達にできることに専念するのだった。

因みに、デビモンとダスクモンとの決戦について話し合うツナや炎真達の会話を……


ルナマリア「ダスクモン……(何だろう、皆が言ってるそのデジモンのことが凄く気になる……)」


ルナマリアが食堂の入口付近に隠れて聞いていた……
















夕飯を食べ終わった後一同はレオモンの元へ向かい、先程話し合った内容を伝える。


レオモン「話はわかった。正直君達の手を借りたいと思っていたからな。協力を申し出てくれて助かる」

ツナ「いえ、気にしないでください。ところで、レジスタンスはいつ頃デビモンの討伐に向かう予定ですか? 俺達もそれに合わせて向かおうかなって思うんですけど……」

レオモン「明日ムゲンマウンテンへ向かう予定だ。先程偵察班から嫌な話を聞いたのでな」

炎真「嫌な情報?」

レオモン「……何でも無数の黒い歯車がムゲンマウンテンの頂上に向かって集まっているとのことだ」

『っ!』


レオモンの口から発せられた言葉に一同は目を見開く。


響「な、何で黒い歯車がムゲンマウンテンに……!?」

未来「! もしかして……!」

レオモン「ああ、恐らくデビモンの仕業だろうな。奴はファイル島内全ての黒い歯車を集め、何かをしようとしている……出来ればしっかり準備をしてから奴らとの決戦に臨みたかったのだが、どうやら悠長にしている暇は無いようだ……私達は何かを企んでいるデビモンを一刻でも早く倒さねばならない」


レオモンは十分な準備ができていない状況の中、ファイル島内全ての黒い歯車を集めて何かを企んでいるデビモンを一刻でも早く倒すべく、明日再攻撃を仕掛ける決意をするのだった。


はやて「確かにそうやな……わかった、私達も明日のデビモンとの決戦に参加させて貰うよ」

レオモン「すまない……明日は過酷な戦いになる。先程も言ったが、今日のところはしっかり休んで、明日に備えてくれ」

マリア「ええ、そうさせて貰うわ」

セレナ「おやすみなさい、レオモン」

レオモン「ああ、おやすみ」


ツナや炎真達は明日の決戦に備えるべく、救護施設の寝室へ向かうのだった……
















ハックモン「そうか、明日デビモンを倒す為にムゲンマウンテンへ向かうのか……」

響「うん。ハックモンにも一応言った方が良いと思ったんだ」


寝室へ向かう途中、響が勇真の見舞いに行きたいと言い出したので、一同は現在勇真とハックモンのいる病室に来ていた。

因みに響・未来・セレナ以外の面々はハックモンへの自己紹介は既に済ませていた。


ハックモン「出来れば俺も一緒に戦いたいが、勇真を放っては置けないしな……」

未来「気にしないで。ハックモンは今まで通り勇真君を守ってあげて」

ハックモン「すまない……明日のデビモンとの決戦、皆の無事を祈ってるよ」

セレナ「ありがとうございます♪」


未だに眠り続けるパートナーの勇真を放って戦いには行けないハックモンは始まりの町にて、明日のデビモンの決戦に向かうツナや炎真達の無事を祈ることを誓うのだった。

一方で……


ツナ「この子が、勇真……」

勇真「すー……すー……」

炎真「驚いたよ、髪の色を除けばツナ君にそっくりだ……ツナ君って、弟いたりする?」

ツナ「ううん、いないよ……(もしかして、この子……)」


ツナは銀髪を除けば自身にそっくりな容姿をしている勇真を見て驚いており、勇真の正体についてある答えを導き出していた。

それはフェイト・フェルト・アニューも同じで……


アニュー「フェイトさん、もしかしてこの子……」

フェルト「私達が旅の途中で見つけた研究施設で研究されていた……」

フェイト「うん、たぶん合成複製体(キメラクローン)だと思う……」


勇真が旅の途中で見つけた研究施設にて研究されていた合成複製体(キメラクローン)であると推測していた。


調「合成複製体(キメラクローン)……?」

切歌「な、何デスか、それ……?」

クリス「ええと、詳しくは知らねえけど合成複製体(キメラクローン)ってのは……」

アンジュ「複数の遺伝子を使って生み出す特殊なクローン……だったかしら?」

はやて「それって、この勇真って子が人工的に生み出された存在ってことか!?」

なのは「! フェイトちゃん、もしかしてこの勇真って子……!」

マリア「ツナの遺伝子を使って生み出されたクローンなの……?」

『え!?』

フェイト「……ちゃんと調べないとわからないけど、ここまでそっくりだとその可能性は高いと思う」

炎真「ツナ君のクローン……」

ツナ「………」


勇真がツナの遺伝子を使って生み出されたクローンである可能性が高いことに炎真を始めとした殆どの面々が驚いており、ツナに至っては複雑そうな表情を浮かべていた。


ギンガ「響さん、この子とは何処で出会ったの?」

響「ええと、研究施設みたいな場所です。そこで勇真君、そしてセレナちゃんやガブモン、ハックモンと出会ったんです」

セレナ「はい、その通りです。勇真君は最初カプセルみたいなものに入れられていたんですけど、立花さんが勇真君をカプセルから力づくで出して助けたんです。その際、勇真君が入ってたカプセルは派手に壊れちゃいましたけど……」

マリア・アインス・アンジュ・クリス『壊れたカプセル……まさか』


セレナの説明の中にある『壊れたカプセル』と言う単語を聞いたマリア・アインス・アンジュ・クリスの4人はあることに気付き、響に視線を向ける。


響「へ?」

マリア「あの派手に壊れたカプセル、やっぱり貴女の仕業だったのね……」

アインス「君らしいと言うか、何と言うか……」

アンジュ「ほんと、響って期待を裏切らない娘よね……」

響「え、ええと、呆れられているような気がするんですけど、気の所為でしょうか……?」

クリス「気の所為じゃねえ、本当に呆れてるんだよこの馬鹿」

響「何でーー!?」


予想通りの脳筋っぷりを発揮した響に周囲は呆れたり、苦笑したりしていて、響は周囲が何故そう反応しているのかわからず絶叫するのだった(笑)

そんな響を他所に、医者であるアニューは勇真の容体を確認する。


響「どうですか、アニューさん?」

アニュー「そうね……ソーサリモンの応急処置が良いおかげで命の危険が無いのは確かよ。ただ、この子の体内に大量に投与された麻酔や睡眠薬を除染するとなると、今所持している薬品や医療機器、ここの設備ではできないわ」

未来「やっぱり、勇真君が起きるのを待つしかないんでしょうか?」

アニュー「残念だけど、こればかりはそれしかないわね。せめて中和剤だけでも投与できたら良いんだけど……」

ツナ「中和……そうだ、俺の炎なら!」

ボオオッ!!


あることを思い付いたツナは大空のリングVer.Xに大空の炎を灯す。


アニュー「つ、ツナ君!? 何をする気なの!?」

ツナ「俺の大空の炎をこの子の体内に流し込めば中和……上手く行けば除染できるかもしれません」

フェイト「? どう言うこと?」

炎真「そうか、ツナ君の大空の炎の特性は『調和』! 調和とは矛盾や綻びのない状態……つまりこの子の体内にある麻酔や睡眠薬を無力化して浄化する訳だね」

ツナ「うん、そう言うこと。前に修行の時に毒蛇に噛まれたことがあって、この炎を体内に流し込んで毒を中和したことがあるんだ」

セレナ「す、凄い……」

マリア「も、もう何でもありね……」

ツナ「そう言う訳だから、この子……勇真の体内の浄化を試したいんだけど良いかな、ハックモン?」

ハックモン「え? あ、ああ、よくわからないけど、勇真が良くなるなら是非頼む!」

ツナ「わかった。じゃあ、早速……ん?」


大空の炎で勇真の体内の浄化を試そうとするツナはある気配を感じた。


炎真「? どうしたの、ツナ君?」

ツナ「あ、いや、ハックモンの近くにあるリュックから不思議な力を感じるなぁって思って……」

ハックモン「俺のリュックからか? 特に変なものは入って無いけどな……え!?」


ツナにそう言われてリュックの中を確認していたハックモンは驚きの声を上げる。


響「どうしたの、ハックモン?」

ハックモン「そ、それが……勇真と出会った時に拾った指輪が急に光り出してるんだ!」

炎真「指輪?」

ツナ「その指輪、見せてくれる?」

ハックモン「あ、ああ、こいつなんだけど……」


ハックモンはリュックから光り輝くリングを取り出し、ツナと炎真に見せる。


ツナ・炎真『(! これは!)』


ハックモンが取り出したリングを見たツナと炎真は驚きの表情を浮かべる。

何故ならそのリングは中央に空色と白銀色の2つの宝石が埋め込まれている点を除けば、ツナの大空のリングVer.Xの前の姿である原型(オリジナル)の大空のボンゴレリングに似た形をしているのだから。

しかもそのリングはツナの大空のリングVer.Xから灯されている大空の炎に共鳴しているのかのように光り輝いており、その輝きを見たツナはあることを直感する。


ツナ「ハックモン、そのリング貸してくれる?」

ハックモン「え? あ、ああ、良いけど……ほら」

ツナ「ありがとう。このリングを……これで良し」


ハックモンからリングを受け取ったツナは、それを勇真の右手の中指に装着させる。


ツナ「後は……ん?」


ツナは不意に自身の両手の甲を見ると、左手の甲にある金色の模様と、右手の手の甲にある蒼色の模様が徐々に輝き出しているのがわかる。


ツナ「(もしかして……)炎真、響さん、確か2人の手の甲にも変わった模様があったよね?」

炎真「え? 確かにあるけど、それがどうしたの……って、僕の手の甲の模様も光ってる……!?」

響「私の手の甲の模様もだよ! 何で光ってるの!?」


炎真の右手の手の甲にある朱色の模様も、響の右手の手の甲にある黄色の模様も輝き出していた。


炎真「もしかして、ツナ君の手の甲の模様も?」

ツナ「うん。何で手の甲の模様が光り出したかはわからないけど、もしかしたらこの手の甲の模様が勇真の体内の浄化に役立つかもしれないんだ。だから、2人の力も借りたいんだけど……」

響「勇真君の体内が良くなるなら、喜んで協力するよ!♪」

炎真「僕も♪ それで僕と響さんは何をすれば良いかな?」

ツナ「そうだなぁ……それなら模様がある右手で勇真の手を握ってくれるかな?」

炎真・響『こう?』


炎真と響はツナの言われた通りに、それぞれ手の甲に模様が刻まれている右手で、勇真の右手を握り締める。


ツナ「うん、それでOKだよ♪ 次は俺が……」


ツナはそう言って両手で勇真の右手を握り締めると……ツナ・炎真・響の3人それぞれの手の甲にある計4つの模様が共鳴しているのか、先程よりも強く輝き出す。


翼「立花達3人の手の甲の模様が……!?」

奏「一体、何が起きてるんだ!?」

マリア「! あれを見て!」


模様から放たれる光の眩さで直視しにくい中、マリアはあるものを指差す。

それは……


ボオオッ!!

響「! 勇真君が身に付けている指輪からも炎が!」


模様の力でツナの大空のリングVer.Xとの共鳴が強くなったのか、勇真の右手にあるリングから橙色の炎と白銀色の炎が灯されていた。


炎真「やっぱり、このリングは死ぬ気の炎を灯す為のものだったんだ! 1つはツナ君と同じ大空の炎だけど……」

ツナ「この白銀色の炎は一体……!?(この炎、何処か大空の炎に似ていて、まるで『夜の空』を思わせるかのような感じがする……!)」


勇真のリングから灯される橙色の炎ーー大空の炎と一緒に灯される白銀色の炎に対して、ツナは超直感によりそう感じるのだった。

そして、ツナと勇真のリングから放出される大空の炎と白銀色の炎は……勇真の全身を包み込み始める。


ハックモン「ゆ、勇真!?」

ツナ「大丈夫、この炎は勇真の体を燃やしている訳じゃない! 体内の不純物を浄化してるんだ!」

ハックモン「ほ、本当か?」

セレナ「落ち着いて、ハックモン。ここはツナさん達に任せましょう」

ハックモン「あ、ああ……」


全身が炎で包まれた勇真を見て心配の声を上げるハックモンにツナがそう説明し、セレナが落ち着かせるのだった。

ツナ・炎真・響以外の面々は勇真の浄化を3人に任せるしか無く、ただ見守るしか無かった。

勇真の全身を包み込み死ぬ気の炎が強く灯されて行くのと同時に、ツナ・炎真・響の3人の手の甲の模様から放たれる光もさらに輝き出し……


ツナ・炎真・響『えっ!? うわあああああああっ!!?』


ツナ・炎真・響、そして勇真の4人は光に包み込まれるのだった……
















?「……お兄ちゃん、大丈夫? 起きて、起きて」

ツナ「ん……んん……一体、何が……って、あ!」

?→勇真「あ、良かった、起きた♪」


謎の光を意識を失っていたツナが目を覚ますと、そこには先程まで眠っていた筈の自身と瓜二つの容姿をした銀髪と真紅の瞳をした少年ーー勇真が起きており、ツナが目を覚めたことに笑顔を浮かべていた。


ツナ「勇真! 良かった、目が覚めたんだね……」

勇真「勇真? それが僕の名前なの?」

ツナ「うん、そうだよ。響さん……君を助けてくれた人達が、名前の無い君に付けてくれた名前だよ♪」

勇真「そうなんだ……勇真……えへへ、僕の名前……♪///」


勇真は年相応の愛らしい笑顔を浮かべながら、嬉しそうに自身の名前を噛み締めていた。


ツナ(良かった……勇真は俺達と変わらない、普通の『人間』なんだ♪)


勇真の笑顔を見たツナは、合成複製体(キメラクローン)として人工的に生み出された勇真が自分達と変わらない普通の人間であることを実感し、優しい笑みを浮かべる中……


炎真・響『ん……んん……あ、あれ? 僕/私達は、一体……?』

ツナ「あ! 炎真に、響さん!」


どうやら炎真と響も意識を失って倒れていた様で、2人も目を覚ますのだった。


ツナ「2人とも大丈夫?」

炎真「うん、何とか……って、え!?」

響「ゆ、勇真君!?」

勇真「お兄ちゃん達、目が覚めて良かった♪」


炎真と響も勇真が起きていることに驚きの声を上げる。

特に響は……


響「う……うう……勇真くーーーん!!」

ギュッ!

勇真「ふえっ!?///」

ツナ・炎真『ひ、響さん!?』


勇真が目を覚ましたことが嬉しいのか、泣きながら勇真を強く抱き締める。


響「うう、ぐすっ……勇真君、良かった……目が覚めて、良かったよ〜……うわあああああん!!」

勇真「お、お姉ちゃん、大丈夫? 何で泣いてるの? 何処か痛いの? ねえってば///」

ツナ「くすっ……大丈夫だよ、響さんは勇真が目が覚めたことに嬉しくて泣いてるだけだから♪」

炎真「ふふふ、暫くそのままにしてあげてくれるかな?♪」

勇真「う、うん、わかった……///」


それから少しして、響が漸く泣き止んだ。


響「ご、こめんね、勇真君。いきなり泣き出して、びっくりしたよね?///」

勇真「うん、びっくりしちゃった……でも、お姉ちゃんが元気になって良かった♪」

響「そ、それは私の台詞だよ〜!///」

ツナ・炎真『あはは……』


本来なら自分が言うべき台詞を勇真に言われたことに響は恥ずかしくなり、ツナと炎真はそんな響に苦笑するのだった。


ツナ「そう言えば、まだ名前教えて無かったね。俺は沢田綱吉、皆からはツナって呼ばれてるんだ。勇真もそう呼んで良いよ♪」

炎真「僕は古里炎真。僕のことも炎真って呼んで良いよ♪」

響「私は立花響! 響って呼んで良いからね、勇真君♪」

勇真「うん! ツナお兄ちゃんに炎真お兄ちゃん、響お姉ちゃん!♪」

炎真・響『(可愛いなぁ〜……///)』

ツナ(何だろう、可愛い弟ができたようなこの気持ちは……?///)


純真無垢な勇真の笑顔を見て、炎真と響は勿論、勇真のオリジナルであるツナでさえも勇真を可愛いと思うのだった(笑)

兎に角気持ちを切り替えて辺りを見回すと、意識を失う前までいた病室では無く、時折壁や床らしきものが明滅する以外何もなく、とんでもない広さを持つ緑と黒を基調とした空間であった。

そこは同じ景色が永遠に続き、まだ数分も立っていないのに、それを見ているだけで気が狂いそうであった。


響「な、何、ここ!? さっきまで私達病室にいたのに……!?」

ツナ「もしかして、この模様の力でまた別の場所に転移しちゃったんじゃ……!」

炎真「だとしたら、ヤバイよ! 明日のデビモンやダスクモンとの決戦を控えてるのに、僕達だけ別の場所にいるのは……!」

勇真「?」


状況がわかっていない勇真は兎も角、ツナ・炎真・響の3人は明日のデビモンやダスクモンとの決戦を控えている今、何とかして戻る手段を探そうと焦っていると……


?「安心して、私達があなた達をちゃんと元いた場所に返してあげるから」

ツナ・炎真・響・勇真『っ!?』


後ろの方から突如女性の声が聞こえ、ツナ達が振り向くと……1人は目にサングラスをかけ、長いピンクの髪をポニテールにし、90cm以上はある豊満な胸が目立つ、腰に二挺の真紅の拳銃を収納したホルスターを着用している女性、もう1人は顔に仮面をかけ、真っ直ぐで長い黒髪に、100cmは超えているであろう豊満な胸が目立つ、腰に鞘に収めた日本刀を携える女性……お揃いの黒い衣服を身に纏っている2人の女性がいた。


炎真「だ、誰ですか、貴女達は!?」

響「ど、どちら様ですか!?」

勇真「??」

ツナ(あれ? 俺、あの人達と何処かで会ったことがあるような気が……)


炎真と響が突然現れた2人の女性に少し警戒し、勇真が首を傾げる中、ツナは目の前の2人に何処かで会ったことがあるような感覚を感じていた。


?→イーラ「驚かせてごめんなさいね。私はイーラ・ディストルツォーネ、『運命の戦乙女(デスティーノ・ヴァルキーリア)』と言う私設武装のメンバーなの。そして、こっちが……」


ピンクの髪の女性ーー『イーラ・ディストルツォーネ』がツナ達に自己紹介をし、隣にいる黒髪の女性を紹介しようとしたところ……


?「大きくなったわね、ツナ。 私が旅立ってから4年くらい経つかしら?♪」

炎真・響『え!?』

ツナ「! こ、この声、まさか……!」


黒髪の女性がツナを知っているような発言をしたことに炎真と響が驚き、一方のツナはその女性の声に聞き覚えがあるのかまさかと言う表情を浮かべる中、黒髪の女性は顔にかけていた仮面を外し、海のように美しく青い瞳と端正な素顔を晒す。

そして……


?→沙耶「久しぶりね、ツナ。 私よ、海鳴沙耶……貴方の『沙耶姉』よ♪」

ツナ「んなーーー!? さささ、沙耶姉ーー!?///」


黒髪の女性ーー『海鳴沙耶』を視認したツナはさらに驚きの声を上げていた。


響「つ、ツナ君、この凄い綺麗でスタイル抜群な美女と知り合いなの!?」

ツナ「し、知り合いも何も……///」

沙耶「初めまして、ツナの『お義姉ちゃん』の海鳴沙耶です。いつも『義弟』のツナがお世話になってます♪」

炎真「あ、いえ、こちらこそツナ君には……義弟!? って言うか、お義姉ちゃん!?」

ツナ「沙耶姉はその……俺の幼馴染で、数年くらい一緒に暮らしたことがある義姉さんなんだ……///」

炎真・響『ええええええええっ!!?』

勇真「???」

沙耶「ふふふ、よろしくね♪」

イーラ「はあ〜……予想通りのリアクションね」


突如ツナ・炎真・響・勇真の4人の目の前に現れた、『運命の戦乙女(デスティーノ・ヴァルキーリア)』と呼ばれる私設武装組織のメンバーである2人の女性ーーイーラと、ツナの幼馴染にして義姉である沙耶。

2人の目的や如何に、そしてツナ達4人は仲間達の元へ戻れるのだろうか……?


To Be Continue…… 
 

 
後書き
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