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X Dimensions SoldierS Re: Xros Rays

作者:ラフェル
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  第19話 繋がる『勇気』と『友情』! 新たなアーマー体、クロスオーバードラモン

 
前書き
今回の話でブイモン単体の完全体枠である小説オリジナルデジモンーークロスオーバードラモンが登場します^_^

クロスオーバードラモンの設定は小説オリジナルデジモンの設定集を参照願います。

それでは、最新話の閲覧よろしくお願いします^_^ 

 
突如現れたデビモンの配下である魔人型デジモンーーダスクモンにより炎真・ギルモン・響・フレイモンが戦闘不能にされ、残ったツナとブイモンは劣勢に立たされていた。


ダスクモン「残るは貴様らだけだ。覚悟するがいい!」

ライドラモン「まだだ! こんなところでやられてたまるか!」

超ツナ「ああ! 皆の為にも、絶対に負けられない!」


ツナとライドラモンは諦めない意志を示しながら戦闘態勢に入る。


ダスクモン「フッ、良い面構えだ……行くぞ! ゴーストムーブ!!」


ダスクモンはゴーストムーブでツナとライドラモンの元に接近し、ブルートエヴォルツィオンを振るおうとするが……


超ツナ「そう何度も同じ手が通用すると思うな! 獅子戦吼!!」

ダスクモン「ぐっ!」


ダスクモンのゴーストムーブを見切っているツナが即座に反応し、獅子戦吼を放つ。

ダスクモンはブルートエヴォルツィオンで防御するが、あまりの衝撃で吹き飛ばされる。


ライドラモン「隙あり! ブルーサンダー!!」

超ツナ「Xカノン!!」


ツナとライドラモンは体勢を崩したダスクモンに向けて、それぞれ火炎弾と蒼雷弾を放つが……


ダスクモン「舐めるな! エアーオーベルング!!」


ダスクモンは体勢を崩した状態のままブルートエヴォルツィオンを振るい、ツナのXカノンとライドラモンのブルーサンダーを斬り裂くだけで無く、そのエネルギーをブルートエヴォルツィオンに吸収するのだった。


ライドラモン「俺達の技がダスクモンの剣に吸収された!?」

超ツナ「なるほど……さっきライドラモン達の技と炎真の大地の炎を吸収したのは、その腕の剣の仕業と言う訳か」

ダスクモン「ご明察。この妖刀ーーブルートエヴォルツィオンは相手のエネルギーを吸収して自分の物にする特性を持つ。俺相手にエネルギー系の攻撃をしないことをおすすめするぞ」


ダスクモンは自身の武器であるブルートエヴォルツィオンの特性についてそう説明する。


ライドラモン「くっ! だったらスピードで撹乱して、死角から技を放つまでだ!」


ライドラモンはそう言って素早いスピードでダスクモンの周りを移動しながら、ダスクモンの死角から攻撃を仕掛けようとするが……


ダスクモン「悪くないスピードだが……その程度のスピードで俺の死角を突けると思うな! ゴーストムーブ!!」


ダスクモンはライドラモン以上のスピードで接近する。


ライドラモン「なっ!?」

ダスクモン「エアーオーベルング!!」


ダスクモンはライドラモンにブルートエヴォルツィオンを振るう。

対するライドラモンは……


ライドラモン→ブイモン「アーマーパージ!!」

ダスクモン「何っ!?」


咄嗟にアーマーをパージしてブイモンに退化することで、ダスクモンの斬撃を躱すと同時に……


ブイモン「ツナ!」

超ツナ「デジメンタルアップ!!」

ブイモン→フレイドラモン「ブイモン、アーマー進化!! 燃え上がる勇気! フレイドラモン!!」


即座にフレイドラモンへアーマー進化すると……


フレイドラモン「ファイアロケット!!」

ダスクモン「ぐあっ!?」


炎を纏った突進をダスクモンに食らわせる。

虚を突かれたダスクモンは大きくぶっ飛ばされ、近くの木に叩き付けられる。


フレイドラモン「よし、一矢報いてやったぜ!」

超ツナ「良いぞ、フレイドラモン!」

ダスクモン「ちっ、今のは油断した。まさか、あんな方法で俺のブルートエヴォルツィオンを躱すとは……中々やるな」

フレイドラモン「俺を甘く見るな! ツナには及ばないが、伊達にツナのパートナーデジモンをしてる訳じゃないんだ!」

ダスクモン「なるほどな……だが、俺の敵ではないことに変わり無い! ゴーストムーブ!! エアーオーベルング!!」


ダスクモンはゴーストムーブでフレイドラモンに接近し、ブルートエヴォルツィオンの斬撃を放つ。


フレイドラモン「二度もやられるか!」


フレイドラモンはダスクモンのブルートエボルツィオンによる斬撃を受け止めるのではなく、今度はダスクモンの腕をガントレットのクロー部分で掴む。


ダスクモン「ほう、流石に同じ手は通用しないと言うことか。中々やるな」

フレイドラモン「ぐ……うう……っ!」


ダスクモンが涼しい顔をしてフレイドラモンを評価する一方で、フレイドラモンは必死にブルートエボルツィオンの攻撃を押さえていて、ダスクモンからの評価を受け取る余裕が無かった。


ダスクモン「だが、俺のブルートエボルツィオンを押さえるのに必死で周りを見る余裕が無い様だな……隙だらけだ! デスゲーズ!!」


ダスクモンはフレイドラモンに向けて鎧の7箇所にある目玉からの赤い光線を至近距離で放つが……


フレイドラモン→ブイモン「アーマーパージ!!」


フレイドラモンは再びアーマーパージしてブイモンに退化することで回避する。

しかし……


ダスクモン「フンッ!」

ブイモン「うわあああっ!?」


ダスクモンに大きく蹴り飛ばされてしまうのだった。

ダスクモンに蹴り飛ばされたブイモンは近くの木に叩き付けられるかと思ったが……


超ツナ「ブイモン!」


ツナが先回りしてブイモンを受け止める。


ブイモン「つ、ツナ、ありがとう……」

超ツナ「気にするな。だがあのダスクモンって言うデジモン、手強いな……」

ブイモン「うん……でも」


悟空やバミューダの様な瞬間移動を持つ上、10年後の世界のメローネ基地で戦った霧の六弔花である剣士ーー『幻騎士』に匹敵する程の剣技、そして相手のエネルギーを吸収して自分の物にする特性を持つ妖刀ーーブルートエボルツィオンを持つダスクモンを、今まで戦って来たデジモン達より強く、手強い敵であることを改めて認識するツナ。

ツナ自身はまだダスクモンに対抗できているから良いものの、正直ブイモンが太刀打ちできる相手でないのは確かだ。

実際フレイドラモンのパワーも、ライドラモンスピードもダスクモンに通用していない。

それはブイモン自身も理解している……しかし。


ブイモン「それでも負ける訳にいかないんだ! 皆の為にも!」

超ツナ「ブイモン……ああ、そうだな。俺達は負けられないんだ! やるぞ、ブイモン!」

ブイモン「おう!」


倒された皆の為にも、絶対に負けられないと決意するツナとブイモン。

その時であった。


ドクンッ……!

超ツナ「っ!」


ツナは何かが鼓動するような感覚を感じた。

その直後にツナのデジヴァイスから眩い光が放たれる。


ダスクモン「ぐっ! この光は……!?」

ツナ「俺のデジヴァイスが輝いて……もしかして、進化か!?」

ブイモン「感じるよ、ツナ……俺の中に新しい力が目覚めるのを!」


ブイモンの体も輝き出し、自身の体内から新しい力が目覚めようとしているのを感じていた。

そして、ブイモンは……


ブイモン→エクスブイモン「ブイモン、進化ーー!! エクスブイモン!!」


ブイモンの面影を残し、高い攻撃力と背中の白い翼による飛行能力を得た成熟期の幻竜型デジモンーー『エクスブイモン』へと進化を遂げた。


超ツナ「ブイモンが、通常の進化を……!」


純粋な古代種故に通常の進化は無理だと思われたブイモンが成熟期に進化できたことに、ツナは子供の成長を喜ぶ親のような顔をしていた。


ダスクモン「この土壇場で新たな進化を得るとはな……だが、その力がこの俺に通用するかな?」

エクスブイモン「俺の力が通用しないかどうか、今確かめてみろ! エクスレイザー!!」


エクスブイモンはダスクモンに向けて胸のX字の模様からエネルギー波を放射する。


ダスクモン「ぬんっ!」


ダスクモンはエクスブイモンのエクスレイザーを二振りのブルートエボルツィオンを交差させて防御するが、僅かに後退する。


ダスクモン「ほう、大したパワーだ。流石は純粋な古代種と言ったところか……しかし、ただパワーが上がっただけでは俺には勝てんぞ?」

エクスブイモン「ちっ! 舐めるな!」

超ツナ「待て、エクスブイモン!」


エクスブイモンはツナの静止の声を聞かずに背中の白い翼で飛翔すると、猛スピードでダスクモンに向かって行くと……


エクスブイモン「おりゃああっ!!」


ダスクモンに向かって拳撃を繰り出す。


ダスクモン「フンッ」


しかしダスクモンはその攻撃を容易く躱し、エクスブイモンの拳は地面に直撃し、その地面を叩き割った。


ダスクモン「どんな強力な攻撃でも、当たらなければどうと言うことは無い」

エクスブイモン「くそっ!」


エクスブイモンは拳や蹴りでの攻撃を次々に繰り出して行くが、全てダスクモンに当たるどころか掠りさえもしなかった。


ダスクモン「気付いていない様だから教えてやる。貴様は進化してパワーが増した分攻撃スピードが落ちている上、小回りが効いていない。そんな奴の攻撃が俺のようなサイズの相手に当たると思うのか?」

エクスブイモン「くっ!」

ダスクモン「これなら先程のフレイドラモンやライドラモンに進化していた時の方がまだマシだな」


ダスクモンの失望したかのようなその指摘に、エクスブイモンは苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべる。

エクスブイモンはフレイドラモン以上のパワーと、フレイドラモンとライドラモンの2体のアーマー体には無い飛行能力があるが、その反面体が大きいことにより小回りが効かず、格闘戦能力はフレイドラモン、スピードはライドラモンと2体のアーマー体よりそれぞれ劣っているのだ。

ダスクモンのような人間サイズかつ素早い相手は、エクスブイモンにとって相性が悪い。


ダスクモン「興が逸れた……さっさと貴様を倒して、貴様のパートナーとの戦闘を楽しむことにしよう」

エクスブイモン「っ!」


ダスクモンは既にエクスブイモンに眼中が無く、ツナとの戦闘にしか興味が無かった。

そんなダスクモンに、エクスブイモンは怒りをこみ上げる。


エクスブイモン「……馬鹿にするのも大概にしろ! そう簡単にやられてたまるか!」

ダスクモン「諦めろ、貴様では俺には勝てん。それを教えてやろう」

エクスブイモン「やってみろ! エクスレイザー!!」


エクスブイモンは接近戦では分が悪いと判断し、ダスクモンから距離を取る為空へ移動すると同時にエクスレイザーを放つ。


ダスクモン「無駄だ! エアーオーベルング!!」


ダスクモンはブルートエボルツィオンでエクスレイザーを斬り裂き、そのエネルギーを吸収して自身の力へと変える。


エクスブイモン「なっ!?」

ダスクモン「デスゲーズ!!」


ダスクモンはエクスブイモンに向けて光線を放つ。


エクスブイモン「くっ!」


エクスブイモンはダスクモンの攻撃を回避するが……


ダスクモン「ゴーストムーブ!!」

エクスブイモン「っ! しまった!」

ダスクモン「散れ! ブルート……!!」


ゴーストムーブでエクスブイモンの回避先へと先回りしたダスクモンがブルートエボルツィオンによる剣舞を繰り出そうとした……その時。


超ツナ「俺のパートナーはやらせない! Xレオバズーカ!!」

ダスクモン「がはあっ!?」


猛スピードで駆け付けたツナの炎を纏った獅子の闘気により阻止され、ダスクモンは大きく吹き飛んで地面に叩きつけられた。


超ツナ「大丈夫か、エクスブイモン?」

エクスブイモン「ありがとう、ツナ……でも、俺ではダスクモンには……」


ダスクモンに自信を打ち砕かれたエクスブイモンは、自身ではダスクモンに勝てないと口にしようとするが……


超ツナ「諦めるのか?」

エクスブイモン「え?」

超ツナ「確かにエクスブイモンの力がダスクモンに通用しないのは確かだ……だからと言って、はいそうですかと諦めてしまうのか? 皆の為にも絶対に負けないと言ったのはお前だぞ、エクスブイモン」

エクスブイモン「っ!」

超ツナ「これは俺の友達の受け売りだが……自分が言った言葉は何があってもまっすぐに、決して曲げるな。もしここで戦うことを諦めてしまったら、お前は一生後悔することになるぞ」


ツナはJフェスティバルの時に出会った忍者の友達ーー『うずまきナルト』の『まっすぐ自分の言葉は曲げない』と言う彼の忍道とも言える言葉を、受け売りの形でエクスブイモンに伝える。

かつて落ちこぼれの忍者であったナルトは里の長である『火影』になると言う夢を周りから馬鹿にされても諦めず、自身の忍道を決して曲げずに努力して来た結果、今では自身の里は勿論世界さえも救い、周りから認められる最強の忍者へと成長した。

周りからダメツナと呼ばれるツナはそんなナルトに親近感と尊敬の念を抱き、彼のように自分の意志……自分が望んでいることを絶対に曲げず、まっすぐに貫き通せる人間でありたいと思っている。

因みにナルトだけで無く、自分の意志を曲げずに貫き通す意志が強い、並盛中の風紀委員長にして雲の守護者ーー『雲雀恭弥』にも、ツナは彼のことを怖いと思いつつも、内心尊敬の念を抱いていたりしているのは秘密である。

だからこそ諦めそうになっているエクスブイモンを後悔させない為、かつて敵対した(今もそうかもしれないが)霧の守護者ーー『六道骸』との戦いの時に……初めてリングに死ぬ気の炎を灯した時に、リボーンがツナ自身の本当の気持ちを引き出した様に、ツナはエクスブイモンが望んでいることを聞き出そうとしていた。


超ツナ「エクスブイモン、もう一度聞くぞ。お前は諦めるのか? それともダスクモンに勝ちたいのか? お前の今思っている本当の気持ちを教えてくれ」


ツナのその問いにエクスブイモンは……


エクスブイモン「……たい」

超ツナ「ん?」

エクスブイモン「俺は……ダスクモンに勝ちたい! 勝てないからと言って、このまま諦めるなんてできない!」

超ツナ「エクスブイモン……」


ダスクモンに勝ちたい、諦めたくないと言う本心を吐き出す。

それを聞いたツナは嬉しそうに微笑むと……


超ツナ「なら、俺と力を合わせよう」

エクスブイモン「え……?」

超ツナ「お前自身の成長の為に、デジモン同士の戦いには極力介入しないつもりだった……でも、それは俺の性に合わないみたいだ。お前が戦っているのを黙って見ているなんて、俺にはできないからな」

エクスブイモン「ツナ……」

超ツナ「誰かの戦いを黙って見届けられない俺は師匠とか家庭教師とか人を導く立場が向いてないって、自分でも本当に思う……でも、それで良いんだ。だって、それが俺ーー沢田綱吉って言う人間なのだから……」


苦笑しながらある意味開き直りとも言える言葉を呟くツナ。

だが、それは誰かが傷付くのを黙って見ていられない、誰よりも優しき心を持つツナと言う人間の本質が表れていた。

ツナはエクスブイモンに手を差し伸べると……


超ツナ「エクスブイモン、改めて頼みたい……俺をパートナーとしてお前と一緒に戦わせてくれないか?」


パートナーとして一緒に戦ってくれるかを問いかける。

それに対し、エクスブイモンは……


エクスブイモン「……フッ、そんなことを聞くまでも無いし、逆に俺の方から頼みたいぐらいだ」

超ツナ「! エクスブイモン……」

エクスブイモン「ツナ、俺と一緒に戦ってくれ! ダスクモンに勝つ為に……そして、皆を守る為に!」

超ツナ「ああ!」


ツナの手に触れながらそう答え、ツナもエクスブイモンの頼みに力強く答える。

互いの力量の差から微妙にちぐはぐであったツナとエクスブイモンの心が重なり合った……その時、ツナのデジヴァイスから先程より眩い光が放たれ、ツナの両手にある模様からも輝きが放たれる。


超ツナ「これは……っ!」


自身のデジヴァイスと両手の模様のその輝きを見た瞬間、ツナの脳裏にあるイメージが浮かび上がる。

それは……勇気のデジメンタル、友情のデジメンタル、スナイモンのデジゲノム、エクスブイモン、そしてツナ……この5つのピースを組み合わせることで誕生する新たなデジモンのイメージであった。

そのイメージを見たツナは……


超ツナ「……エクスブイモン。試してみたいことがあるんだが、協力してくれるか?」

エクスブイモン「勿論だ。と言うか、そんなの聞くまでも無いだろ? 俺達はパートナーなんだから」

超ツナ「フッ、そうだな……行くぞ!」


輝くデジヴァイスを上に掲げると……


《挿入歌:Break up! / X-treme Fight》
※お好きな方を脳内BGMとして再生してください。

超ツナ「ダブルデジメンタルアップ!!」


ブイモンをアーマー進化させる時に言うデジメンタルアップとは違う、『ダブルデジメンタルアップ』と言う新たな言葉を口にする。

ツナのその言葉によって、デジヴァイスから勇気のデジメンタルと友情のデジメンタルが現れ、それぞれ炎と雷に変わるとエクスブイモンを包み込んだ。

さらにツナのデジヴァイスにインストールされているスナイモンのデジゲノムが作動し、光となってエクスブイモンに照射されると同時に……


超ツナ「ユニゾンリンク!!」


新たに解放されたデジヴァイスの機能ーー『ユニゾンリンクシステム』により、ツナはエクスブイモンと融合する。

そして、エクスブイモンは……


エクスブイモン→クロスオーバードラモン「エクスブイモン、ダブルアーマー進化ーー!! 繋がる勇気と友情! クロスオーバードラモン!!」


勇気と友情の2つのデジメンタルと、スナイモンのデジゲノム、そしてパートナーであるツナとの融合によって誕生した、完全体相当の戦闘力を持つ前代未聞のアーマー体である竜人型デジモンーー『クロスオーバードラモン』へと進化を遂げた。

さらにツナと融合した影響からか、クロスオーバードラモンはエクスブイモンの時よりも体のサイズを可能な限り圧縮し、ダスクモンより少し大きいくらいのサイズとなった。


ダスクモン「2つのデジメンタルを使っただけで無く、人間とデジモンが融合して進化しただと……!?」

炎真「ツナ君とブイモンが……!」

響「す、凄い……!」


クロスオーバードラモンの誕生にダスクモンは勿論、意識を取り戻した炎真や響達も驚いていた。


クロスオーバードラモン「感じる……勇気と友情の2つのデジメンタルの力、そして俺と融合しているツナの温かくて強い力を……!」

超ツナ『俺もお前の力を感じるよ……さあ行くぞ、クロスオーバードラモン!』

クロスオーバードラモン「おう!」


クロスオーバードラモンは右腕から電撃の刃を展開し、ライドラモンやエクスブイモンの時とは比べ物にならない程のスピードでダスクモンに向かって行く。


ダスクモン「(速い!)フッ、面白い……受けて立つぞ、クロスオーバードラモン! ゴーストムーブ!!」


ダスクモンも両腕のブルートエボルツィオンを構えながら、ゴーストムーブで移動する。

互いに目にも止まらぬ速さで向かって行くクロスオーバードラモンとダスクモンは……


クロスオーバードラモン「ライトニングブレード!!」

ダスクモン「エアーオーベルング!!」


それぞれ右腕からの電撃の刃と、二振りのブルートエボルツィオンによる斬撃をぶつけ、激しい鍔迫り合いを展開する。


クロスオーバードラモン「うおおおおっ!!」

ダスクモン「ぐっ!(こいつ、先程とは比べ物にならない程のパワーだ! 一瞬でも気を抜けば押し飛ばされる!)」


ダスクモンはフレイドラモンやエクスブイモンの時とは比べ物にならないクロスオーバードラモンのパワーに内心舌を巻いており、二振りのブルートエボルツィオンで受け止めるのがやっとであった。

ならばとダスクモンは至近距離からのデスゲーズをクロスオーバードラモンに向けて放とうとするが……


超ツナ『させるか!』

クロスオーバードラモン「ナックルファイア!!」

ダスクモン「があっ!?」


ツナの超直感によりダスクモンの攻撃を察知したクロスオーバードラモンは、炎を纏った左腕による拳撃でそれを阻止し、クロスオーバードラモンの炎の拳撃を受けたダスクモンは大きく殴り飛ばされる。

さらに追撃とばかりに……


クロスオーバードラモン「デスペラードファイア!! サンダー!!」


クロスオーバードラモンは腰にある生体砲……左の生体砲から炎のエネルギー波ーー『デスペラードファイア』を、右の生体砲から雷のエネルギー波ーー『デスペラードサンダー』を放つ。


ダスクモン「舐めるな! エアーオーベルングストーム!!」


ダスクモンは無理矢理体勢を立て直し、ブルートエボルツィオンでの回転斬りによる竜巻で迫り来るエネルギー波を斬り裂き、掻き消した。


クロスオーバードラモン「ちっ! やはり一筋縄じゃいかないか!」

ダスクモン「当然だ、こちらとてそう簡単にやられる訳にはいかないからな。何より……漸く面白くなって来たこの戦いを、早く終わらせるには惜しいからな!」

クロスオーバードラモン「上等だ! お前に見せてやる、俺とツナの力を!」

超ツナ『覚悟しろ、ダスクモン!』


クロスオーバードラモンは再び高速移動でダスクモンに向かって行く。


ダスクモン「行くぞ、クロスオーバードラモン! ゴーストムーブ!!」


ダスクモンもゴーストムーブでの瞬間移動でクロスオーバードラモンに向かって行く。


クロスオーバードラモン「うおおおおおっ!! ライトニングブレード!!」

ダスクモン「はああああああっ!! エアーオーベルング!!」


クロスオーバードラモンとダスクモンは目に止まらぬ速さで移動しながら、それぞれ電撃の刃とブルートエボルツィオンでの斬撃の応酬を繰り広げつつ……


クロスオーバードラモン「デスペラードファイア!! サンダー!!」

ダスクモン「デスゲーズ!!」


互いの飛び道具であるエネルギー波と破壊光線をぶつけ合い、相殺して行く。

クロスオーバードラモンとダスクモンが繰り広げるハイレベルな戦いに……


フレイモン「す、凄え……」

響「ふ、2人とも速過ぎて、目で追えないよ……」

炎真「な、何て戦いなんだ……」

ギルモン「僕もあんな風に強くなれるかな……?」


痛む体を木に寄り掛からせながら高次元の戦いを見ていた炎真や響達はただ唖然とするばかりであった。

そして、クロスオーバードラモンとダスクモンの戦闘はさらに激化して行く。


クロスオーバードラモン「フレイムエスグリーマー!!」

ダスクモン「がああっ!?」


クロスオーバードラモンの左腕から展開した炎のスパイクによる刺突がダスクモンの右肩を貫く。

ダスクモンは右肩から感じる激痛と火傷に呻きながらも……


ダスクモン「デスゲーズ!!」

クロスオーバードラモン「ぐああっ!?」


至近距離でクロスオーバードラモンに破壊光線を浴びせ、炎のスパイクから脱出すると……


ダスクモン「ブルートストライク!!」

クロスオーバードラモン「うああああああっ!!!」


左腕のブルートエボルツィオンでの剣舞で追撃し、クロスオーバードラモンにさらなるダメージを与える。

だが、クロスオーバードラモンもただでやられる程甘くは無い。


クロスオーバードラモン「くっ……そこだ!」

ダスクモン「っ!?」


クロスオーバードラモンはタイミングを見計らってダスクモンの左腕を右手で掴むと……


クロスオーバードラモン「ブルーサンダー!!」

ダスクモン「ぐああああああっ!?」


右手から蒼い雷撃を放ち、ダスクモンを感電させると同時に……


超ツナ『獅子戦吼!!』

ダスクモン「がはあっ!?」


融合しているツナがクロスオーバードラモンの体を借りて、ダスクモンに獅子戦吼を放ち、吹き飛ばす。

だが、それで終わりではなかった。


超ツナ『Xレオドライブ!!』

ダスクモン「があああああああっ!?」


ツナはオーガモン戦でも見せた獅子戦吼の連続攻撃をダスクモンに浴びせる。

そして、フィニッシュの獅子戦吼をダスクモンに向けて放とうとするが……


ダスクモン「おおおおおっ!! エアーオーベルングストーム!!」

超ツナ・クロスオーバードラモン『ぐああっ!?』


ダスクモンが回転斬りで発生した竜巻によって吹き飛ばされたことによって阻止された。

互いに一旦距離を取ったクロスオーバードラモンとダスクモンは……


クロスオーバードラモン・ダスクモン『はあ、はあ、はあ……!』


息が荒く、互いに満身創痍の状態であった。

クロスオーバードラモンはダスクモンと互角に渡り合える程のパワーとスピード、そして格闘戦能力と火力を得て、さらには融合しているツナのサポートがあるとは言え、さっき進化したばかりなのでダスクモンの攻撃を全て躱し切れずにダメージが蓄積し、身体中に多数の傷が目立っていた。

対するダスクモンも、相手のエネルギーを吸収できるブルートエボルツィオンがあるとは言え、ツナとクロスオーバードラモンの高い格闘戦能力による肉弾戦でのダメージは勿論、ブルートエボルツィオンの吸収できるエネルギー量の限界を超えたクロスオーバードラモンのエネルギー波によりダメージが蓄積し、身体に纏う鎧には傷や火傷の跡が目立っている上、先程クロスオーバードラモンの炎のスパイクで貫かれた右肩から大量の血が流れていた。

互いにボロボロで限界が近いクロスオーバードラモンとダスクモンは……


クロスオーバードラモン・ダスクモン『(次の一撃で決める!)』


次の一撃で決着を付けることを決める。

クロスオーバードラモンは左右の生体砲を、ダスクモンは二振りのブルートエボルツィオンをそれぞれ構えると……


ダスクモン「これで終わりだ! エアーオーベルングストーム!!」

クロスオーバードラモン「これで決める! デスペラードファイア!! サンダー!!」


クロスオーバードラモンは左右の生体砲からの最大出力の炎と雷のエネルギー波を、ダスクモンは最大速度で振るったブルートエボルツィオンでの回転斬りによる巨大な竜巻を放ち、中央で激しく激突する。


超ツナ・クロスオーバードラモン『はああああああああっ!!!』

ダスクモン「おおおおおおおおおおっ!!!」


咆哮と共に放たれる技のぶつけ合いの余波は周囲の木々を吹き飛ばして行く。


炎真・響・ギルモン・フレイモン『うわああああああっ!!!』


炎真と響達も吹き飛ばされそうになるが、必死に木にしがみ付く。

一方、クロスオーバードラモンはツナの大空の炎やデジヴァイスの聖なる力によって強化され、対するダスクモンも暗黒の力を解放し、2体の技のぶつけ合いはさらに激化する。

そして……両者の間で巨大な爆発が発生した。


超ツナ・クロスオーバードラモン『うわああああああああああっ!!!』

ダスクモン「ぐあああああああああああっ!!!」


その爆発によりクロスオーバードラモンとダスクモンは互いに吹き飛ばされ、地面へと叩きつけられた。

クロスオーバードラモンはブイモンへ退化すると同時にツナとの融合が解除され、ツナもハイパー化が解けてブイモンと一緒に地面に倒れていた。

一方のダスクモンは何とか立ち上がるも、両腰のブルートエボルツィオンが砕け、鎧の7つの目玉も先程の爆発のダメージで使い物にならなくなり、これ以上の戦闘続行は不可能であった。


ツナ「う……ぐ……」

ブイモン「く、くそっ……体が、動かない……」

ダスクモン「はあ、はあ、はあ……どうやらお互い、これ以上の戦闘は無理の様だな……仕方ない、勝負の決着は次回に持ち越すとしよう……」


ダスクモンはそう言って、その場から去ろうとしたところで……


ダスクモン「……そう言えば、貴様達の名をまだ聞いて無かったな。名は何と言う?」

ツナ「……沢田綱吉」

ブイモン「……ブイモン」


ダスクモンはツナとブイモンの名前を尋ね、2人も律儀に名乗るのだった。


ダスクモン「沢田綱吉にブイモンか……貴様達がデビモン様を倒す気があるのなら、万全の状態に回復してからムゲンマウンテンへ来い……俺はムゲンマウンテンにて貴様達を待つ。勝負の決着はそこで付けさせて貰う……」


ダスクモンはその言葉をツナとブイモンに残して立ち去るのだった。


ブイモン「ダスクモン……めちゃくちゃ強かったね……」

ツナ「うん……ごめん、ブイモン……融合して一緒に戦えたのに、勝たせてあげられなくて……」

ブイモン「ううん……ツナのおかげで新しい進化ができた上に、ダスクモン相手に引き分けまで持ち込めたんだ……まずは生き残れたことを、喜ぼうよ……」

ツナ「そうだね……だけど、次こそはダスクモンに勝とう……」

ブイモン「うん、絶対に勝とう……俺達2人の力で……」


ツナとブイモンはダスクモンとの再戦では絶対に勝つことを誓うのだった。

そこへ……


炎真「ツナ君、ブイモン……」

響「2人とも、大丈夫……?」


炎真と響達が傷付いた体を引き摺りながら、ツナとブイモンに近づく。


ツナ「炎真、それに響さん達も……皆こそ大丈夫なの……?」

炎真「あはは……あんまり、大丈夫じゃないかな……」

響「私も……へいき、へっちゃらじゃないかな……身体中が、凄く痛い……」

フレイモン「お、俺も……」

ギルモン「ぼ、僕も……」

ツナ「そっか……俺も、ブイモンも……体が、まったく動かない……」

ブイモン「まずいよ、ツナ……こんなところを、野生のデジモンやデビモンの手下に、襲われたら……」

ツナ「そ、そうは言っても……」

炎真「い、意識が飛びそう……」

響「わ、私、もう無理……」

ツナ・炎真・響・ブイモン・ギルモン・フレイモン『(ガクッ)……』


ツナ・炎真・響達は揃って意識を失い、その場に倒れ込むのだった。

それから暫くして、彼らは心配で駆け付けたマリアや奏、未来達によって救助され、始まりの町の救護施設に大急ぎで運び込まれるのだった。

最恐の敵ーーダスクモンにより炎真・ギルモン・響・フレイモンは敗北し、ツナとブイモンは新たな進化ーークロスオーバードラモンにより相討ちとなった。

果たして、次の戦いでツナ達はダスクモンに勝てるのだろうか?

デビモン、そしてダスクモンとの決戦は刻一刻と迫りつつあった……


To Be Continue…… 
 

 
後書き
クロスオーバードラモン VS ダスクモンの一回目の戦闘は引き分けに終わりました。

ツナが融合してるのに何で引き分けに終わったのか疑問に思う方がいらっしゃると思いますが、残念ながら完全体相当のクロスオーバードラモンではツナの力や技の全てを使うことができませんし、対するダスクモンもデジフロで究極体相当のベオウルフモンと互角以上に戦ってましたので、この結果が妥当かと思います。

次回も応援よろしくお願いします^_^ 
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