オズの木挽きの馬
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第十一幕その八
「お話がはじまらなかったですね、ボームさんの紹介してくれたお話では」
「僕がオズの国に来たのはドロシーと会ってだったしね」
モジャボロは自分のことのお話をしました。
「それでだったからね」
「そうでしたよね」
「カンサスからオズの国まで」
「ドロシーさんと一緒に来られましたね」
「そして弟さんもでしたね」
「オズの国に来られましたね」
「そうなったからね」
モジャボロは五人に笑顔でお話しました。
「本当にドロシー達はオズの国の代表と言っていいよ」
「オズマ姫と並んでね」
弟さんもにこにことして言います。
「ドロシー王女達はオズの国の代表だよ」
「ええ、だからドロシーさんはオズマ姫の一番のお友達ですね」
恵梨香は弟さんにも応えました。
「そうした意味でも」
「そうなるね」
「やっぱりそうですね」
「ドロシ王女ーがオズの国に来てからオズの国のことが皆に知られたしね」
このこともあってというのです。
「もう何といってもね」
「オズの国ではですね」
「ドロシー王女達は特別だよ」
「そうですね」
「まあドロシーがいないとね」
ガラスの猫も言うことでした。
「オズの国は寂しいわね」
「貴女もそう思うのね」
「ええ、オズマとね」
「かかしさんに樵さんね」
「この人達がいないと」
どうしてもというのです。
「私にしてもね」
「オズの国は寂しいのね」
「オズマが急にいなくなった時なんか」
「大騒ぎだったわね」
「桃にされていたってわかるまで」
その時までというのです。
「本当にね」
「大騒ぎでね」
「皆で探したし」
「ドロシーさんもいないと」
「そうなるわよ」
大騒ぎになるというのです。
「絶対にね」
「やっぱりそうよね」
「本当にそこまでの人よ」
ドロシーはというのです。
「あの人達はね」
「そうよね」
「そのドロシー王女達が待っているなら」
それならとです、今言ったのは木挽きの馬でした。
「牧場までね」
「急いでかしら」
「戻ろうね、ただね」
「焦らないのね」
「焦ることはオズの国では不要だね」
「ええ、それはね」
恵梨香も答えます。
「その通りよ」
「だからね」
「焦らないのね」
「そうして戻ろうね」
「それじゃあね」
「帰り道は自然と足が進むし」
黄金の羊も言ってきました。
「焦らなくてもね」
「自然に速く進めるわね」
「そう、だからね」
「このまま歩いていけばいいわね」
「今のペースでね、それとね」
黄金の羊はこうも言いました。
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