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フォース・オブ・イマジナリー

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Turn:28 ヴァンガード地区大会

 
前書き
目前へと迫ったヴァンガード地区大会
チーム名も決まり練習にも熱の入るヤイバたち
そして訪れた地区大会当日
そこで思わぬ人物と出会うこととなった 

 
「ヴァラーギフト?」
ヤイバたちのチーム名を聞いたミライは首を傾げた
「ええ、矢代が考えてくれたんです」
「えへへ」
「ヴァラーって勇気とか勇敢なとかって意味だっけ?」
「ええ、あとはこうして2つの単語の頭文字をとると………」
メモに2つの単語を掻いたヒトミは単語の一番最初の二文字を丸で囲んで書き写した
「ほら、こうなるんですよ」
VG。ヴァンガードを略す時にたまに使われる言葉だ
「そんな意図があったのか」
「やるじゃん矢代」
「えへへ」

Turn:28 ヴァンガード地区大会

「ブラスター・ブレードでトレイリングローズにアタック」
ブラスター・ブレードが剣を振り上げトレイリングローズへと向かっていくが
「ガード」
ダンガン・マロンが勢いよくぶつかってきて阻まれる
「うっ、ターンエンド」
「それじゃ、私のターンね」
少ない手札を見つめミライの攻撃に備えるヤイバだったが
「トレイリングローズのスキルでプラントトークンのパワーを+5000、プラントトークンのブーストしたシルヴィアでアタック」
「うっ、ノーガード」
ミライの攻撃でヤイバのダメージゾーンに6枚目のカードが置かれる
「まいりました」
「ふふっ、でも悪くはなかったわよ、それじゃあ私はそろそろ仕事に戻るわね」
そういって戻っていくミライを見送るヤイバ
「んー、ソウルの管理を何とかしないとなぁ………アカネとぽーんがる増やすか?でもデッキの枠が………」
ミツキとファイトしているシュンもコユキとファイトしているヒトミもまだ終わりそうにない
「よかったら僕が相手しようか?」
「お、当麻?いいのか、お前テスト前だろ?」
「仕上げ前の息抜き位させてくれよ、僕だって力になりたいんだ」
そういってスグルがテーブルに立つ
ヤイバもテーブルに立ってデッキを置く
「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」

「とうとう明日は地区大会か………」
「なんでお袋が、それ俺のセリフだろ」
自宅のリビングでデッキを眺めていたヤイバがチカゲの言葉にため息をこぼしているとチャイムが鳴る
「お、来たな」
それに気づいたヤイバが立ち上がり玄関へと向かう

「お、お、お、お、お、邪魔します」
「硬くなりすぎだ」
大きな紙袋を持ったシュンと震えた様子のヒトミがそこにいた
ヒトミも何か箱を持っているようだが
「硬くならなくていいから、さ、上がってくれ、というか、それ何?」
「招いてもらった手前手ぶらというわけにもいかないからな、どら焼きだ」
「私も………ケーキを」
「気を使わなくてよかったのに………」

「いらっしゃいヒトミちゃん、そっちの子は初めてよね」
「暁シュンです、今日はお招きいただきありがとうございます」
「ご丁寧にどうも、ヤイバの母の宮導チカゲです」
「ドラゴンエンパイア支部の職員さんなんだよ」
ヒトミが付け加えるとシュンも納得したように声を漏らす

食後にヒトミとチカゲがファイトをしている
「バイコーンのブースト、アーティラリーマンでヘキサゴナル・メイガスを攻撃」
「うぅ………ノーガード」
ファイトはチカゲの勝利で決まったようだ
「でも今の、ヒトミちゃんが完全ガード持ってたら危なかったなぁ、それに、まだ何か切り札隠してるでしょ」
「えっ?そうなのか?」
「一応………でもまだ引けたことないんだぁ………それに………」
カードを片付ける準備をしながら山札の上のカードを確認するヒトミ
「あっ………」
それを見てすぐさま山札に戻すとデッキをまとめてシャッフルする
「………あれ?あぁ!ロゼンジも一緒に混ぜちゃった」

地区大会の会場へとやってきたヤイバたち
たくさんのファイターたちで会場内はにぎわっていた
「すっげぇ、これみんな参加者なんだな」
「ああ、緊張してきた」
「ふっ………」
これだけのファイターが一堂に集う大会に参加するということで武者震いするのを感じるヤイバ

組み合わせ表を見るため移動していたヤイバたち
「どんな相手とファイト出来るんだろうな」
「どんな相手でも負けるつもりはないさ」
「ううっ、まだ緊張が………あれ?」
緊張が解けないまま歩いていたヒトミだったがふと目の前にある何かに気づいて足を止める
「どうした?」
「いや、あそこ………組み合わせ表のところにいるのって………」
ヒトミに言われヤイバもそちらを見てみると見覚えのある姿がそこにはあった
「ルカ!」
名前を呼ばれたルカもこちらに気づき近づいてくる
「お兄ちゃん………」
「同じブロックだったんだな」
「誰だ?」
「離れて暮らしている宮導君の妹さん」
「妹………ずいぶん雰囲気が違うんだな」
「えっ?」
シュンに言われて二人の様子を見るヒトミ
ヤイバは楽しげだがルカはどこか遠くを見ているような………
「本当だ………私全然気づかなかった」
「ま、離れて暮らしている分色々あるんだろう、詮索するだけ野暮だ」

ルカと別れると改めて対戦表を確認する
「えっと………あった、Bブロック」
「ルカちゃんのチームはどこだろう」
「あっ、聞くの忘れてた」
「まあ、お互い勝ち進めばそのうち当たるだろう」
「また会ったわね」
ふと声をかけられてヤイバたちが振り返るとレイラ達チーム男前のメンバーが揃っていた
ユウダイも一緒だ
「チーム男前………」
「レイラさんたちも組み合わせ表を見に?」
「ええ、えっと………」
「あそこだな、俺たちとはベスト8で当たる」
シュンに言われてみてみると確かにチーム男前の名前があった
「それじゃ、お互いそれまで勝ち進められるよう頑張らなきゃね」
「メガラニカ支部では負けちゃったけど、今度は負けませんから!」

三人そろってファイトテーブルに立つヤイバたち
ベスト16まではチームの3人が同時にファイトを行うことになる
「「「スタンドアップ!」」」
「ザ!」
「「「ヴァンガード」」」

「立ち上がれ!勇気の光!ブラスター・ブレード!」
「オーバーロードのスキルによりスタンド、再びアタック」
「ライド!ヘキサゴナル・メイガス!」

「ま、間に合ったぁ」
観客席にいるタクヤとコユキのもとへ駆けてくるアリサ
「あれ?二人だけ?」
「ああ、当麻は塾のテストだってさ、あとからくるってさ」
「そうなんだ………あ!お姉ちゃんたちの試合は」
「あそこ、だけどもう終わりかな」

「モナークサンクチュアリ・アルフレッド!」
「ドラゴニック・オーバーロード!」
「ヘキサゴナル・メイガス!」
「「「アタック!」」」
勝利を収めて1回戦を無事突破した
「ああ、終わっちゃった………あれ?」
姉のファイトを見逃してがっくりしているとちょうど近くのエリアでファイトしていたらしいルカの姿を見つけるアリサ
「あの子、確かヤイバさんの………」
「くっ、強い………」
敗北したショックでうなだれる対戦相手に目もくれずさっさとテーブルを離れるルカ
「なんだか………怖い」

順当に勝ち進んでいくヤイバたち
ついにベスト16まで進んでいた
「次勝てばチーム男前と直接対決か………」
「ベスト16からは1試合ずつやって先に2勝した方が勝ちだったな」
「ギアースも使うんだよね………相手は」
「私たちよ」
声のした方にヤイバたちが振り返ると以前ショップ大会で対戦した日下ツムギ
そしてドラエン支部のイベントで出会った志野田ナズナがいた
「お前ら同じチームだったのか」
「誰だ?」
「二人とも前に宮導君が対戦したことがあるの、どっちもすごい強くて」
「なるほど、相手にとって不足はないというわけか」
強敵の出現にシュンも笑みを浮かべる
「ひゃー、私は緊張してきた」

観覧席で見学していたコユキとタクヤ、それにアリサのそばに石田先生がやってくる
「よお、飛鳥に秋吉」
「先生!?どうしてここに」
「俺もヴァンガードファイターのはしくれだぜ、生徒たちの晴れ舞台観に来るくらいいいだろう、そしたらそこでこいつに会ってな」
「間に合ってよかったよ」
石田先生の指さす先にはテストを終わらせて駆け付けたスグルの姿があった

「それで、順番はどうする?」
「これで決めよう」
そういってシュンがみせたのはグレード1から3のカード
「えぇっ!?グレードじゃんけんで決めるの?いいのそんなで」
「日下ツムギも志野田ナズナもやりがいのある相手であることに変わりはない」
「なら、どっちと当たっても問題ないってことで」
そうして3人が勢いよく引いたカード
「えっ、ええー!」
同時に表にした結果1を引いたのはヒトミだった
「なんで私なのー!?」 
 

 
後書き
次回予告
「ひえぇ~、強い人との対戦って緊張する」
「慣れてもらわないと困る、これに勝ったら次は男前だ」
「うぅ~、わかってるんだけど………」

turn:29 ヒトミの試練

「大丈夫だって、矢代の実力は本物だって、俺たちはよく知ってる」
「そ、そう?それなら頑張ってみようかな」
「いざとなったら手のひらに人とかいて飲み込め」
「あ、もうやった」  
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